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学校では今【第4回】小学校では、なぜ「書く」ことを大事にするのか?-小泉和義-

年が明け、2013(平成25)年がスタートしました。正月と言えば、年賀状がありますね。最近では、メールやSNSで挨拶をすませるかたも増えてきましたが、年賀はがきを使って手書きで挨拶をする習慣は、今でもなお残っています。今回は「書くこと」をテーマにお話をします。


「書くこと」を通して、「考える力」を育てる

大人でも同様ですが、頭で考えていることを紙に書き出すことで、もやもやしていることが整理されたり、新しい発見があったりしますよね。小学校では、文字をある程度書けるようになったら、文章を書く練習をたくさんします。授業の中では、黒板をノートに写したり、問題に対する答えを書いたりするだけでなく、日記や作文などの宿題が出ます。子どもたちは、文章を書きながら、そのプロセスで多くのことを考えています。つまり、「文章を書く」ことを通して、自分が考えようとしていたことや、思いついたことを頭の外に出して見えるように(可視化)し、頭の中の思考を整理することができるのです。

また、書くことの役割は、自分の思考を整理するだけではありません。たとえば、班学習で隣の友達の発表内容に対する感想をメモに書いて友達に渡したり、社会科見学でお世話になった工場の人にお礼の手紙を書いたりします。日記や作文は、自分自身の行動や出来事を振り返る文章ですが、感想メモや手紙は特定の相手に対して書くものです。そのため、相手が自分の文章を読んで、どんな気持ちになるのかを想像しながら書くことになります。
相手がどうしたら喜んでくれるか、相手をあまり傷つけないように欠点を指摘するにはどうしたらよいかなど、相手の立場にたって内容を考えようとするのと同時に、文字を丁寧に書こうという気持ちも働きます。

このように、学校では「書くこと」を通して、自分自身の考えや行為を順序だてて整理する力を付けるとともに、相手に自分の考えや気持ちを上手く伝える力を育てようとしているのです。文章を書くことで、「考える」くせがつくかもしれません。



なぜ、小学校では鉛筆を使うの?

ところで、中学校や高校になると、シャープペンを使う人が多くなりますが、小学校では鉛筆を主として使います。特に低学年は、シャープペンを禁止している学校が多いと思います。なぜ、小学校では鉛筆を使うのでしょうか?

小学校で鉛筆を使う理由は、二つあると思います。一つは、文字を書くことに慣れていない子どもにとって、鉛筆はシャープペンよりも書きやすいからです。硬さもHBより、Bや2Bを使うと、やわらかくて濃い文字を書くことができます。もう一つの理由は、使えば使った分だけ長さが短くなるからです。使うと芯が減る鉛筆は、定期的に削らなければならず、削れば当然鉛筆は短くなっていきます。鉛筆削りは面倒くさい作業かもしれませんが、筆箱に入れる鉛筆がどんどん短くなっていくのを見ながら、子どもたちが「こんなに鉛筆を使って勉強したんだ」という実感を持ってもらいたいという思いが先生方にはあるのです。
短くなった鉛筆を大切に筆箱に入れて使っている子どもを、わたしは小学校でよく見かけます。ものを大切にするという気持ちは、自分にとって大切な道具だという実感から生まれるのかもしれません。

前段で述べたように、小学校では「書く」ことが学習においてとても重要なだけでなく、「書く」ことを通じて道具の大切さも、子どもたちに伝えようとしているのです。

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