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- 2021年07月26日 20:32
子どもの虐待死の半数近くは0歳児。その背景にあるのは?
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子どもの虐待死の約半数はゼロ歳。その背景には望まない妊娠がありサポートができていない政治の問題がある。

この報告では、厚生労働省が各都道府県を通じて把握した64例を検証している。そのうち死亡したのは73人で、心中による虐待死は、13例/19人(15次報告は8例/13人)。心中以外の虐待死は、51例/54人(同50例/52人)となっている。
心中による虐待死(13例/19人)の内訳から死亡した子どもの年齢を見ると0歳が6人(31.6%)と最も多い。6歳、9歳、10歳が各2例、2人あったことが分かる。
心中以外の虐待死(51例/54人)の内訳も、0歳児が22例/22人と最も多い。さらに、0歳児の詳細な月齢を見ると、日齢(生後24時間未満)が7人(31.8%)となっていた。
年度によって割合が多少異なるので、第5次報告から第16次報告までの累計で子どもの死亡時の年齢別を見ると、心中以外では0歳児が47.4%と約半数という圧倒的に多いことに驚く。それも、生まれた日の0日、生まれ月の0か月児が圧倒的に多いことが分かる(図参照/精神疾患なしの場合)。 心中による虐待死事例では、3歳未満は7人(36.9%)と大きく異なっている。
虐待死といわれると、子育て中の精神的な不安定さからと思えてしまうが、そのことだけではないことが分かる。特に0歳児が多いことは大きな問題だ。

心中以外の虐待死事例では、実母の年齢は「20歳〜24歳」「30歳〜34歳」がそれぞれ 11 例(22.0%)と最も多く、次いで「35歳〜39歳」が10例(同 20.0%)だった。
虐待死させてしまうのは母だけでなく父もあるので、父母を合わせた年齢は下記となる。


これらのデータから、同委員会は、下記を提言している。
・10代の母が望まない妊娠となり、誰にも相談できなかったことや経済的な理由、他人に妊娠を知られたくないため一人で出産し遺棄にとなった事例が少なくない。このことは、母の大きな健康リスクに直面する。
・妊娠した母の変化に早期に気づき、支援につなげる機会があれば、その結果は違ったものとなった可能性もある。
・自治体には、自ら発信することが苦手だったり、SOSを発信する手立てが思いつかなかったりする当事者に対し、支援が届けられる工夫、例えば、SNS等を活用した相談体制の整備や、アウトリーチ型の支援等の展開に努めていただきたい。
・妊娠・出産やそれに関連する経済的支援等の情報を発信する際には、若年者や、日本語が堪能でない者などにも届きやすいよう、対象者が情報に触れやすい機会の活用や、多言語での情報発信など、有効なアプローチを検討することが必要である。
また、出産前から支援が必要であるにもかかわらず、特定妊婦として要保護児童対策地域協議会の対象とされていなかった事例や、子どもの出生前であることから、児童相談所が特定妊婦の支援に積極的に関与しなかった事例もあったと指摘している。

■半数近くが0歳児
子どもの虐待死については、厚生労働省社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会が毎年公表している。最新は平成30年4月1日から平成31年3月31日の平成30年度を検証した第16次報告が令和2年9月に公表されている。この報告では、厚生労働省が各都道府県を通じて把握した64例を検証している。そのうち死亡したのは73人で、心中による虐待死は、13例/19人(15次報告は8例/13人)。心中以外の虐待死は、51例/54人(同50例/52人)となっている。
心中による虐待死(13例/19人)の内訳から死亡した子どもの年齢を見ると0歳が6人(31.6%)と最も多い。6歳、9歳、10歳が各2例、2人あったことが分かる。
心中以外の虐待死(51例/54人)の内訳も、0歳児が22例/22人と最も多い。さらに、0歳児の詳細な月齢を見ると、日齢(生後24時間未満)が7人(31.8%)となっていた。
年度によって割合が多少異なるので、第5次報告から第16次報告までの累計で子どもの死亡時の年齢別を見ると、心中以外では0歳児が47.4%と約半数という圧倒的に多いことに驚く。それも、生まれた日の0日、生まれ月の0か月児が圧倒的に多いことが分かる(図参照/精神疾患なしの場合)。 心中による虐待死事例では、3歳未満は7人(36.9%)と大きく異なっている。
虐待死といわれると、子育て中の精神的な不安定さからと思えてしまうが、そのことだけではないことが分かる。特に0歳児が多いことは大きな問題だ。

■母の年齢は「35歳〜39歳」が多い
16次報告から子どもの死亡時の実父母の年齢を見ると、心中による虐待死事例では、実母の年齢は「35歳〜39歳」が5例(同 41.7%)で、次は「40歳以上」が4例(同36.4%)と多かった。心中以外の虐待死事例では、実母の年齢は「20歳〜24歳」「30歳〜34歳」がそれぞれ 11 例(22.0%)と最も多く、次いで「35歳〜39歳」が10例(同 20.0%)だった。
虐待死させてしまうのは母だけでなく父もあるので、父母を合わせた年齢は下記となる。


■0か月出産場所は自宅が最多
0日・0か月児事例で実母が子どもを出産した場所を第1次報告から第16次報告までの累計でみると、「自宅」での出産が 112人(67.9%)と圧倒的に多いことが分かる。特に、0日児事例では、医療機関での出産はなかったことは心にとめておきたい。これらのデータから、同委員会は、下記を提言している。
・10代の母が望まない妊娠となり、誰にも相談できなかったことや経済的な理由、他人に妊娠を知られたくないため一人で出産し遺棄にとなった事例が少なくない。このことは、母の大きな健康リスクに直面する。
・妊娠した母の変化に早期に気づき、支援につなげる機会があれば、その結果は違ったものとなった可能性もある。
・自治体には、自ら発信することが苦手だったり、SOSを発信する手立てが思いつかなかったりする当事者に対し、支援が届けられる工夫、例えば、SNS等を活用した相談体制の整備や、アウトリーチ型の支援等の展開に努めていただきたい。
・妊娠・出産やそれに関連する経済的支援等の情報を発信する際には、若年者や、日本語が堪能でない者などにも届きやすいよう、対象者が情報に触れやすい機会の活用や、多言語での情報発信など、有効なアプローチを検討することが必要である。
また、出産前から支援が必要であるにもかかわらず、特定妊婦として要保護児童対策地域協議会の対象とされていなかった事例や、子どもの出生前であることから、児童相談所が特定妊婦の支援に積極的に関与しなかった事例もあったと指摘している。



