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【読書感想】アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記

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アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記
作者:渡辺 雅史
ワニブックス



Kindle版もあります。

アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記
作者:渡辺 雅史
ワニブックス

料理を店まで取りに行き、注文者の元まで配達すれば仕事は終了。ただそれだけ。
スマートフォンと配達するための自転車やバイク、あとはバッグさえ購入すれば、すぐにでも始められる。それがウーバーイーツの仕事だ。いつ働こうが個人の自由。
しかし、世の中はそんなに甘くない。ネットやSNSでは「ド底辺」とののしられることもしばしばだ。

苦情、恫喝、ときどきチップ。

これは、「誰でもなれる」という落とし穴に落ちた四十路ライターがつむぐ、悲哀と憂鬱の実録ドキュメント。
蔑んでもいい、罵ってもいい。
でも、ここで描かれているのは未来のあなたかもしれない。

 ウーバーイーツ、けっこう話題になっているけれど、僕が住んでいる地方都市では、見たことないな、とずっと思っていたんですよ。

 でも、新型コロナ禍が顕在化してきた2020年の春ごろから、けっこう「ウーバーイーツ」の配達をしている人たちを見かけるようになったんですよね。

 今ではもう、日常の風景であるのと同時に、車を運転していると、配達員に「けっこう危なっかしいなあ」と感じることも多くなったのです。

 ウーバーイーツの仕事は簡単です。スマートフォンと配達するための自転車やバイク、あとはリュックさえAmazonなどで購入すれば、誰でもすぐに始められます。

 料理を店まで取りに行き、注文者の元まで配達すれば仕事は終了。ただそれだけ。ひとつ配達すれば最低400円ほどが収入となります。

 スマホのアプリを立ち上げて「出発」のボタンを押せばいつでも働くことができて、「終了」のボタンを押せば仕事を終えることができるという働き方は画期的で、コロナ禍の中、急速に世間に浸透し、全国に広がりを見せています。

 僕自身はウーバーイーツで働いたことも注文したこともないのですが、緊急事態宣言下の松屋で、食事どきにテイクアウト待ちのお客さんが大勢いるなかで、ウーバーイーツの人が延々と待たされているのを見たときには、大変な仕事だなあ、と痛感しました。

 そのときは、松屋の店員さんもてんてこ舞い、調理に1人、接客に1人の状態で、次々に来るネットでの注文をさばき切れず、店内はテイクアウト待ちの人で溢れていたのです。

 営業時間が短く、限られているからこそ、こんなに密な状態になるわけで、緊急事態下での営業時間制限って、かえって悪影響ではないか、とも思ったのです。
 
 そのときの、ウーバーイーツの配達員のイライラした様子は、ずっと忘れられません。その配達員は、別に誰かに文句を言ったり、暴れていたわけではないんですが、その苛立ちは、周囲にも伝わっていたのです。

 この本を読んでわかったのですが、どれだけ店で待たされても配達料は変わらないし、注文が多い時間帯が潰れてしまうし、注文先からは遅いことでクレームが来るかもしれない。でも、店員さんは一杯一杯の状態で見ていてかわいそうなくらいだし、「やり場のない苛立ち」とは、まさにこういうものだったのでしょう。

 僕は正直、ウーバーイーツの配達なんて、単価は安いし、身分やトラブルに対する保証はないし、人がAI(人工知能)にこき使われるような仕事だな、と考えていたのです。働くにしても、もっと安定していて、まとまったお金を稼げる仕事があるだろうに、とも。

 でも、この本で、放送作家をやりながら、副収入とともに、運動不足解消(糖尿病に対する運動療法にもなる)を目的としてウーバーイーツをはじめたという著者の話を読んでみると、ウーバーイーツの配達員というのは、合っている人にとっては、悪くない働き方なのかもしれないな、と思えてきました。

 1回最低400円なんて安い、かというと、東京都の2020年の最低賃金(時給)が1013円だそうですから、1時間に2.5回くらい配達すれば、そのくらいは稼げることになります。自転車やバイクなどの移動手段やウーバーイーツのバッグなどのコストはかかるし、時間帯によって注文数に波がありますが、うまくやればけっこう稼げるし、自分の好きな時間、あるいは可能な時間にやればいい、というのは、大きなメリットでもあるのです。

 それに、ウーバーイーツの配達には、ちょっとした「ゲーム性」みたいなものが採り入れられていて、配達員のモチベーションを高める工夫もなされているのです。

 配達員の報酬には、次の2種類がある。

(1)「基本料金」+「距離料金」+「ピーク時間帯ボーナス」の通常報酬
(2)「規定の配達回数をクリアするともらえる」クエストボーナス

 通常報酬というのは、私が勝手につけた名前だが、いわゆる普通に運んだときにもらえるお金のことだ。

 地域によって基本料金や距離料金は異なるが、東京エリアの場合、基本料金が340円ほどで、距離料金は1キロあたり60円。店から1キロ先の配達先まで料理を運ぶと400円がもらえる計算になる。

 ピーク時間帯ボーナスには2種類ある。ひとつはあるエリアで注文が突然殺到したときに、アプリの画面に現れるボーナスで、昼食時や日曜日に渋谷などの繁華街によく出てくる。このボーナスが表示されたタイミングで配達依頼を受けると100~350円ほど報酬がプラスされる。つまり1キロ運んだら最大で750円がもらえる。

 もうひとつのピーク時間帯ボーナスは、1週間ほど前から予告されるブーストボーナス。これは、ランチタイムの丸の内エリアなど、混雑が予想されそうな時間帯で発生するボーナスで「×1.2倍」というようなボーナス。

 もし「×1.2倍」のボーナスが発生しているエリアで1キロ運んだら400円の1.2倍、480円がもらえる。さらに「×1.2倍」のボーナスタイム中に、突然350円のボーナスが現れた場合、1キロ運ぶと750円の1.2倍、900円がもらえる計算となる。

 クエストボーナスは、一定基準の配達回数をこなすとボーナスがもらえるシステム。

 毎週月曜日から木曜日の4日間で規定回数をクリアするともらえる平日クエストと、金曜日から日曜日の3日間でもらえる週末クエスト、そして雨の日などの注文が特に増えそうな日にアプリの画面に突然現れる、4時間半で12回運ぶとボーナスがもらえる緊急クエストがある(平日クエストなどのネーミングも私が勝手に付けたものだ)。

 平日クエストと週末クエストで指定される回数や金額は、配達実績によって変動する。私の場合、2019年末年始はお金がなくバリバリ配達していたので週末クエストは100回運べば1万9500円のボーナスとなっていたが、現在は30回運べば3300円のボーナスなど、回数を自由に選べる方式に変更された。

 ごちゃごちゃとシステムを並べたてたが、ざっくりいうと、朝8時から22時~23時ぐらいまで働くと、東京都内の自転車配達員の場合1日平均1万5000~2万円稼げる(ただし、クエストボーナスを達成した場合だが)。

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