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  • WEDGE Infinity
  • 2021年07月25日 09:38 (配信日時 07月25日 06:00)

ドローンを活用する「プログラミング教育」 - 多賀一晃 (生活家電.com主宰)

先にロボット掃除機を使ったプログラミング教育の話をレポートしました(『小学校の「プログラミング教育」、ミニ ルンバでやってみた』)。他に面白い教材を使っている例はないか、サーチしたところ、ドローンを使っているところがありました。『ドローンを活用した「世界初 Egypt Giza Pyramid 360VR」はまるでアート』のワールドスキャンプロジェクトです。取材してみると、ドローンを教材にすると多種多様の可能性があることが分かりました。今回は、教材の多様化と創造性に関してレポートします。


教材で使われるドローン

ロボット掃除機より生徒の注目度が高い教材

先日、ルンバを教材に使ったら、すごく興味を持ってくれたことをレポートしました。しかし、ドローンは、どうもそれを上回る熱を持っているようです。理由は、知っているが、「実際に動いているところを見たことがない」からだそうです。

考えてみるとそうですね。量販店に行くと、ルンバもドローンも売っています。ロボット掃除機は展示エリアを行ったり来たり、こんな感じに動くんだというデモをしています。

一方、ドローンは、その場で動かすアピールなどはしていません。また、外でも飛んでいません。しかし、テレビの中では人気者。映画、ドラマ、アニメにも登場します。知っているのに、動いている実物を見たことがないのです。

それを動かせるとなるわけですから、興奮状態になります。そして、ドローンの眼とも言えるデジカメ。画像コミニュケーションは、若い方が得意ですからね。実際導入されたある学校は修学旅行先にも持って行ったとか。すごく盛り上がったそうです。

ドローンの現在

さて、ドローンは、無人航空機の内、マルチローターを持つ「自律式」のモデルのことを指します。登場してより何かに付けドローンは、いろいろな可能性が取り沙汰されていますが、最も卑近なところでは、「2023年より宅配に使われる」と言われています。

高名なドローンですが、宅配の実証実験エリアなどを除き、実物が飛行しているのを見かけることは、ほとんどありません。何でしょうか? それは法律で厳しく、超厳しく取り締まられており、法律で定められた種々の条件を満たさなければ、飛ばすことができないからです。

なぜ、こうまで法律で取り締まられるようになったのでしょうか?

理由は簡単。ヘリコプター(シングルローダー)と異なり、ドローンは誰でも飛ばせるからです。ボタン一つで離陸します。クルマを運転するよりは難しいのですが、ゲーム機に慣れている今ドキの子どもなら、大した時間もかけずに、自在に操るのではないかと思えるほどです。そのくらい安定しているのです。このため、「空」という今まで、日常ではほとんど使われてこなかったエリアが使える可能性が広がったのです。

いろいろな使われ方が考えられますが、その一方で問題も発生します。テロ、軍事にも容易に使われることです。ドローンのように小さいと、人知れず追跡することが可能ですから、安全エリアというものが事実上なくなります。実際、2021年6月22日には、AIを搭載したドローンが昨年春、内戦下のリビアで使われたと見られることが、国連安全保障理事会の専門家のパネル報告書でわかったという記事がでました。

プログラミングの有用性を肌で感じる


教材で使われるコントローラー

さてドローンをプログラミングするとあることに気付きます。それは、自分でコントロールするより確実なことが多い。というのは、コントローラーは左手で上下、右手で左右前後制御ですから、このコントロール結構難しいのです。

しかしプログラミングすると、自分が思った通りに動いてくれます。風などの条件で、着地位置がずれたりしますが、室内では常にほぼ同じ結果が得られます。

操縦の上手、下手は人によって差が出ます。ドローンの運転には運動神経と冷静さ双方が必要なので、全員がコントロールが上手くできるわけではありません。

しかし、プログラミングすると、誰でも同様に扱えるのです。これはロボット掃除機では得られない感触です。ロボット掃除機は、プログラミングがないと動かないでしたが、ドローンのプログラミングは人の代わりです。しかも、下手な人には自分より上手く操作するという体験。この自分でもできた感、自分でも何とかなるという感触は非常に大きいです。やる気がもらえます。

創造性を喚起する教材


ドローンのカメラ映像をスマホで受信したところ

教育用のドローンは、安全性、性能、コストを考えて、軽めに作られています。こう書くとカッコいいのですが、おもちゃでもあります。

ゆっくり飛ばしていると、人の手でも捕まえられます。飛んでいる昆虫を手掴みする感覚です。元々「ドローン」とは雄のハチを意味します。音がハチの羽音に似ているため、転用されたのですが、空中手づかみなどすると、まさに言い得て妙。ある意味昆虫でもあるなぁと思いますね。


プログラム画面

当然、おっかけっこの遊びもできるのですが、遊びではなく敏捷性の訓練にも十分活かせそうな気もします。すごく高い敏捷性が得られそうです。

このドローン、子どもの柔らか頭だと、いろいろな発想が出てくると思います。プログラミングは、そのサポートと思って貰えばいいです。特に小学生は、頭が柔らかいですから、いろいろな面白発想が出てくるのではないかと思います。

しかも空というあまり日常生活に環境が使えるので、より想像力=創造力を膨らませることができると思います。

社会を考える教材

前述記載しましたとおり、ドローンは法律で大きな規制を受けています。法律は1つではなく、多岐に渡りますが、それを読み解くことは、新しい技術と規制社会の関係に光を当てることです。授業で正式に取り上げなくても、なぜ、今のような法律があるのか、もっと自由にドローンを扱えるようにするためには、どうすればいいのかなど、今を考え直す要素をふんだんに持っています。

デジタル教育、プログラミング教育。新しく入ってくる教育は、「現在」必要な知識を与えるモノでありますが、人間に必要なのは「考える」ことだと思います。そして、これは大きなチャンスだと思います。

しかし予算が不十分で、多くの学校がシミュレーションを採用しているようです。しかしそれだと、テレビゲーム、アニメーションができるレベルでないと面白くありません。子どもの興味も持続しません。実は、人に見せるレベルで仕上げるには、ちょっとした作品でもとても時間がかかるモノです。

ドローンは、スマホ等を使う前提で作られており、導入は容易ではありませんが、視野を広げる、考えを深めるには、もってこいの教材と言えます。

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