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橋下徹「どんなに厳しい質問をされても慌てずに堂々とできる人の共通点」

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人の心を動かすには、なにが重要なのか。元大阪市長の橋下徹氏は「どんなときも『自分の言葉』で話すことだ。たとえばコロナ対応をしていたときの吉村洋文大阪府知事の話し方がいい例だろう」という――。

※本稿は、橋下徹『決断力 誰もが納得する結論の導き方』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

元大阪市長の橋下徹氏元大阪市長の橋下徹氏 - 撮影=的野弘路

議論の過程もメディアにさらけ出す

吉村洋文大阪府知事も、「手続的正義」の手法を使って、リーダーとしての信頼を集めています。大阪府庁の幹部たちから聞くところによると、僕のやり方よりもさらに時間をかけて議論をしているようです。幹部たちの話では、吉村さんは反対意見をじっくりと聞いて、議論を重ねているそうです。

※注釈:手続的正義……結果に至る過程・プロセスに正当性があるなら、正しい結果とみなす、という考え方。詳しくは7月8日配信「橋下徹『大接戦だった大阪都構想で米大統領選のような紛糾が起こらなかったワケ』」参照

吉村さんは、腹の中にストンと話が落ちるまでは結論を出さない。リミットの時間は決めているでしょうが、とことん意見を言わせてもらえるので、反対派も吉村さんの判断に納得をするようです。

吉村さんは議論をフルオープンにすることにこだわっています。議論の過程もできる限りメディアにさらけ出します。そしてカメラの前で記者からの質問にもできる限り答えています。大阪府民の多くが吉村さんのこのやり方や判断に納得し、彼の支持率が高まっている大きな理由の1つになっています。

吉村府知事はみんなが納得するプロセスを踏んでいる

大阪で感染者数が増えると、TVのコメンテーターたちが批判したがるのは、実体的正義の考え方に基づくものです。「感染者数が増えたから吉村知事の判断や対策は失敗」という短絡的な見方をする。

しかし、何をやれば感染者数が減るのか、絶対的な正解は誰にもわかりません。感染者を減らすためには社会経済活動を抑制すればいいのでしょうが、そうするとまた別の弊害が出ます。しかも知事に与えられている法律上の武器は非常に限られており、基本的には府民や医療機関に呼びかけることしかできません。

このような状況下において、いつ何をどのようにやればいいのか。ウイルスの増殖、感染者数は今後どのように推移するのか。これらについて絶対的な正解を常に見つけられる者など、この世には存在しないでしょう。

学者やコメンテーターたちは、後の結果を見てから、こうすればよかった、ああすればよかったと後付けで言うばかりです。だからこそ、手続的正義の考え方に基づいて、そのときに「正しいとみなせる」判断をしていかなければならないのです。

吉村さんは賛成派、反対派による議論を尽くして、適切なプロセスをきちんと踏んでいます。東京のコメンテーターたちがどれだけ吉村さんの批判をしても、大阪での吉村さんの評価が高いのは、大阪府民はこのプロセスをよく見ているからです。吉村さんが正解を出し続けているから評価が高いというより、みんなが納得するプロセスを踏んでいるから評価が高いのです。

なぜ厳しい質問に答えられるのか

吉村さんの記者会見やテレビ出演を見れば一目瞭然ですが、彼はすべて自分の言葉で語っています。記者会見のときにも原稿に目を落とすことなどないし、プロンプターも使わない。ペーパーもプロンプターも見ないで、カメラの向こうの府民に語りかけています。だから、テレビを見ている人たちにメッセージがよく伝わるのだと思います。

オフィス※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

なぜ、ペーパーやプロンプターを見ずに自分の言葉で話せるのか。様々な立場の人の様々な意見を、手続的正義に基づく適切なプロセスの中でしっかりと聞いているからです。

だから吉村さんの頭の中には、自分の考えだけでなく、反対の意見や持論の問題点、それに対する対処方法などもインプットされている。そのため、反対意見側からの厳しい質問を受けても、彼は自分の言葉ですべて答えられるのです。

実体的正義、すなわち絶対的な正解を追求する人は、持論が絶対的に正しいという前提なので、自分の考えだけを頭の中に残そうとします。そうすると反対意見側からの見え方に気付かない。自分の考えの問題点が見えず、それに対する対処法などについても意識が向きません。自分の考えの正当性は強く主張できますが、問題点を指摘されると慌てふためいてしまいます。

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