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- 2021年07月15日 20:35
コロナ宿泊療養施設の開設とリスクコミュニケーション
1/2武蔵野市内のホテルに新型コロナウイルス感染症の軽症者等を受け入れる宿泊療養施設が開設されることが公表された。施設は必要だが、この公表に至るまでの過程には課題が残されている。

■開設直前の公表
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部は、7月14日14時に軽症者等を受け入れる宿泊療養施設を新たに1施設開設することを報道発表(第2249報・※1))し、その施設が吉祥寺東急REIホテルであることも公表した。開設日は7月15日という直前での公表だった。この14日に、ホテル周辺の商業関係者、住民、ホテルに入るテナント関係者、武蔵野市議会議員の希望者などを対象として、人数を限定しての施設内覧会が行われた。川名もそのうちの一人として内部の様子を確認してきた。
ただし、施設内の撮影は禁止されているため様子を視覚的に伝えることができないのはご容赦いただきたい。
写真下は同ホテルの一階エレベーターの囲いで、宿泊療養者が外出することやホテルの一般の人と接触をしないように閉鎖している様子だ。

宿泊療養者とテナントの空調の経路が同じだと空気感染の心配が出てしまうが、配管経路は違っているとの説明やテナントと宿泊エリアとがつながる階段、宿泊療養者が入室するさいの導線とテナント利用者の導線が交わる部分についても改善したとの説明もあった。
気になったのは、ゾーニングを分けている壁(石膏ボード)の上部の空間が空いていること。消防法の関係で密閉はできないためとの説明だったが、どうなのだろうと思えてならない。
とはいえ、基本的には、新型コロナウイルスが感染するのは飛沫感染とされている。密閉された空間での空気感染の可能性が示唆されている(※2)程度のため、判断はつかない。何よりも保健所を含めた専門家による対応策を信じるしかないのだろう。
■ごみは?
ホテルからの廃棄物は、密閉されたうえで都が委託した業者が収集し、武蔵野市のクリーンセンターで焼却される。この手法は安全なのかについて、複数の議員から疑問が出されていた。担当者に確認しないと分からないことだが、厚生労働省から自治体向け事務文書(※3)によると下記の対応が求められている(要約)。
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〇宿泊療養を行う宿泊施設は、医師等が医業等を行う場所ではないことから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定められた感染性廃棄物が排出される施設には該当しないため、同法上、感染性廃棄物としての処理が義務付けられるわけではないが、その処理に際しては、当該施設内やその廃棄物の処理を委託される廃棄物処理業者の従業員において感染防止対策が適切に講じられる必要がある。
〇具体的には、環境省が作成している「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(平成21年3月)を参照しつつ、それらで感染防止策として挙げられている対応をとる
〇ごみに直接触れないこと、ごみ袋はごみがいっぱいになる前にしっかり縛って封をして排出すること、ごみを捨てた後は石けん等を使って手を洗うことなどに注意。また、ごみが袋の外面に触れた場合や、袋を縛った際に隙間がある場合や袋に破れがある場合など密閉性をより高める必要がある場合は、二重にごみ袋に入れるなどの感染防止策に留意する。
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環境省の「廃棄物処理における新型インフルエンザ対策Q&A」(※4)を確認したが、密封する以外の対策は求められていなかった。クリーンセンターでは持ち込まれるとすぐに焼却するとしている。
もう一つは、今回だけではないが、宿泊療養者を絶対に外出させないことに関心が高いことだ。外出した事例があることを心配しての懸念だが、療養施設ではなく、それこそ重大な犯罪をした人の刑務所を作れというような雰囲気があることも気になることだ。
外出してはならないのは当然のことだが、誰にもこの宿泊施設を使う可能があり逆の立場になることもある。入院病床が足りない状況で必要なのは誰でも分かること。人権もあることは忘れてはならない。



