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安倍原子力ムラ内閣がとうとう電力自由化・発送電分離も見送る

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 安倍内閣の茂木敏充経済産業相は2013年1月25日の閣議後の記者会見で、電力システム改革の柱である「発送電分離」や家庭向け電力販売の自由化について、通常国会に出す電気事業法改正案に盛り込むことを見送る方針を明らかにしました。今年の法改正は改革の実施時期や改正法案を出す時期などを付則に書き込むにとどめるそうです。

 なんじゃ、そりゃ。

 この発送電分離は、大手電力会社の発電と送配電を分け、電力会社が独占してきた送配電網を公平に開放して再生可能エネルギーを活用する発電会社などの新規参入を促すために欠かせない改革です。これがなければ、原発から再生可能エネルギーへのシフトができません。が、それだけに既得権を失う電力会社側の抵抗が強いのが電力自由化と発送電分離なのです。

 現に、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は同日の定例記者会見で、発送電分離の議論に関し

「電力の安定供給に大きな影響がある。一回やってしまうと元に戻れないので慎重にあるべきだ」

と述べ、懸念を示すとともに導入の先送りを求めています。

 これに応じた安倍政権は全員が原発利権べったりの原発推進内閣です。この原発事故前の原発安全神話・原発安価神話への逆コースは安倍内閣が発足したときから見えていたと言えるでしょう。

 そもそも先の総選挙に臨んだ時の安倍自民党執行部は、幹事長に石破茂元防衛相、総務会長に細田博之元幹事長、政調会長に甘利明元経済産業相、国対委員長に浜田靖一元防衛相という布陣でしたが、これが見事に原発推進論者ばかりでした。

 安倍首相本人がもともと核武装論者で、しかも福島原発事故直後の2011年6月に地下式原発議員連盟の顧問に就任しています。東電に娘さんを就職させている石破幹事長は言うに及びません。

安倍自民党 究極の原発推進人事 総裁・幹事長・党三役全員が核武装論者か原発推進論者
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(体調不良の町村氏以外入閣した自民党総裁選候補者。全員、原発ゼロに×)

 その後組閣された安倍第二次内閣を見ても、当の茂木経産相は2012年12月27日の就任記者会見でいきなり、「2030年代の原発ゼロをめざす」との民主党の方針は「再検討が必要だ」として見直すとした、ものすごい原発推進派です。さらに、全国で12基計画されている原発の新増設のうち、まだ着工もしていない9基の建設について

「いまイエスだとか、ノーであるとかを決めるのではなく、専門的知見を蓄積して今後の大きな政治的判断になっていく」

と語り、将来的に建設を認めることもあるとの認識を示しました。これでは日本の原発は増えるばかりで、福島原発事故の教訓などあったものではありません。

 さらに、安倍政権の経済政策をこれから担当する甘利経済再生担当大臣は元経産相で、福島原発事故後も

「日本の原発の安全性は世界一だと確信しています」

と断言した自民党の中でもナンバーワンの原発推進派です。総選挙後、自民党の政策全般を担当する政調会長になった高市早苗議員も、その甘利氏をトップとする自民党のエネルギー政策合同会議の事務局長をやってきたゴリゴリの原発推進派です。

衆議院総選挙の争点1 「脱原発」 安倍自民党はなおも原発を推進する

自民党 原発推進派議員の暴走開始! エネルギー政策合同会議のお笑い

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 ところが、上の図のような東京電力の賠償問題一つとってみても、本当は発送電分離なくしては不可能です。

 いま、福島原発事故を起こした東京電力は、賠償金さえ払えないため莫大な税金を投入して救済され、いかも今後も全国の消費者が支払った電気代を投入して救済し続けるというとんでもないことになっています。

 つまり、原子力賠償機構が東電に賠償金を貸すのですが、返済義務を負う東電の資金繰りが行き詰まったら電気代に転嫁する、しかし、東電だけで転嫁すると大幅な値上げになるので、他の電力会社にも賠償機構のお金を負担させることになっています。全国で電気代が上がり、結局、国民の負担が増える、という仕組みになのです。

 なんで国民が東電の賠償金を払ってやらないといけないの、と思われませんか。国民の負担を考えるのは最後でしょ?東京電力の実質的所有者は株主です。株式会社が不始末をしでかしたつけは、これまで東電で儲けてきた株主がまず払うべきで、株主には泣いてもらうべきでしょう。 

 ですから、東電の送電と発電部門を会社分割して、どっちか売ればいいのです。どちらにしても何兆円にもあたる資産ですよ。一般に賠償義務を負う加害者=債務者が自分の財産を換金して何とかそれで損害賠償金を払おうとするのは当たり前でしょう。それで株の価値が下がるのは株主が甘受すべきです。

東電の第三者調査委員会報告書の結論は「原発再稼働・電気代値上げしてでも東電・メガバンクを救済せよ」

真面目に賠償する気のない東京電力の緊急事業計画を認可して、1兆円を出してやる枝野経産相の目は節穴か!

二重ローン問題解決最大の障害は三井住友 東電賠償スキームはメガバンク救済より送電・発電分割で資産売却

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 この東電解体には素晴らしい副産物もあります。

 たとえば、発電部門を売るなら、東京電力は東京送電力株式会社になって、発電部門は売りそれを賠償に当て、同時に、日本の発電事業にはガス、太陽光、いずれは地熱などなどの企業の発電参入を促したらいいのです。それが資本主義。市場経済というものでしよう。東電だけでなく、日本全国で発電という市場が開拓・開放されれば、日本の経済は活性化します。

 このように、発送電分離による電力自由化は、原発から再生可能エネルギーへという日本のエネルギーの構造を根本から変え、日本の新規産業を育成する画期的なものなのです。

 これまで東電はじめ電力会社は発電の新規参入を徹底的に邪魔してきました。発送電分離と電力自由化に抵抗しているのは、原発利権という既得権にしがみついている電力会社と、これに吸い付いている自民党や経産省などの原子力ムラ=核マフィアだけなのです。

 原発事故も、放射性廃棄物の処理も、被曝の問題もない持続可能な産業構造へ。

 福島原発事故のただの重い負債にするだけではなく、なんとかそこから教訓を得て、この国を良くする礎にしないと、たくさんの被害者・犠牲者の方々に申し訳が立ちません。

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