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橋下徹「熱海土石流で判明、ゼロリスクの災害対策は限界だ」

建物130棟が流され、28人もの死者・行方不明者を出した静岡県熱海市の土石流災害。この災害でも明らかになったように、ハザードマップで危険性は指摘できても、いつ災害が発生するかを予測することはできない。少子高齢社会を迎えた日本は、「ゼロリスク」を前提とした従来の災害対策から、新しい考え方へスイッチする必要があると橋下徹氏は訴える。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月13日配信)から抜粋記事をお届けします。

災害だらけの土地に安全な国を築いた先人には感謝するが

橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)

日本は残念ながら災害大国です。プレートが重なり合うポイント上に国土があります。地震大国です。

また四季が織りなす風土は大変美しい国柄を構成しますが、雨季もあれば台風も直撃します。豪雪地帯もあります。

これだけ激しい雨が降るにもかかわらず、国土は狭小で山の傾斜はきつい。そして川幅は狭く短い。このような川の下流にある猫の額のような平地部に人口が密集している。ちょっと雨が激しく降れば川は溢れ土砂が崩れ人口密集地を襲います。

さらに活火山も存在する。

少し時を遡っただけでも、災害の連続であることに驚かされます。

こんな日本にありながら、我々はなんとか今に至るまで、世界で有数の、安全で安心で美しく、そして豊かな国家を持続させています。

これはほんと凄いことですよ。普通なら豊かになることなんてあり得ません。自然環境が厳しい地域の国は、経済的に豊かになることはなかなか難しく、同時に紛争が絶えない。

にもかかわらず、よくこんな素晴らしい日本という国を我々に与えてくれましたと、先輩、先祖の皆さんには感謝感謝ですね。

特に明治以後の近代国家日本の形成から現在に至るまでは、自然に対して立ち向かい、技術と土木整備によって災害を抑え込むことが災害対策の基本でした。

地震については耐震基準と防火基準を整備し、いまではかなり大きな地震によっても建物が崩れなくなっています。地震によって火災が起きたとしても延焼を食い止めます。

土砂災害に対しては砂防ダムをはじめ、危険個所はコンクリートで固めていく。川の堤防を整備し、上流域にはダムを作る。

このような対策を進めることによって、日本は災害大国であっても豊かな国を作ることに成功してきました。

どれだけ対策しても自然の力に完全に勝つことはできない

他方、国家が成熟し、国民の知的・生活レベルが上がれば上がるほど、さらなる安全・安心を求めるようになります。

当たり前のように、一人の命も奪われないような対策を講じることを国民は求めるようになります。いわゆる「ゼロリスク」を求めていくようになる。

こうなるとコストとの折り合いをつける必要が出てきます。そのような対策にどこまでお金を投じることができるのか。

これがまさに「政治」というものですね。

しかしどれだけお金をかけて災害対策を講じても、自然の力に完全に勝つことなどできません。必ず災害が起きて、人命が失われる。そしてさらにお金を投じて対策を講じる。

この繰り返しとなります。

僕は、今、このような災害対策の方針が限界に到達しつつあると思います。

(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)

(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約1万100字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.255(7月13日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【災害大国の未来】熱海市土石流を機に考える〈危険地域には「住まない」〉というこれからの災害対策》特集です。

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橋下 徹(はしもと・とおる)
元大阪市長・元大阪府知事
1969年、東京都生まれ。弁護士、政治評論家。2008年から大阪府知事、11年から大阪市長を歴任し、大阪都構想住民投票の実施や、行政組織・財政改革などを行う。15年に大阪市長を任期満了で退任。現在、テレビ出演、講演、執筆活動を中心に多方面で活動。『実行力』『異端のすすめ』『交渉力』『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』など著書多数。
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(元大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)

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