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「プロジェクトが終わってほっとした」は要注意。実は燃え尽き症候群のサインかも?

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もし仕事中ケガをしてしまったら。おそらく消毒して包帯を巻くか、ひどい場合は救急病院に駆け込むでしょう。では、その傷が肉体的なものではなく、精神的なものだったらどうでしょうか?

職場でストレスを感じたり、急にやる気がなくなったりすることは誰にでもあります。でもそこから、自分が「燃え尽きそうになっている」ことに気づくのは難しいものです。

そこで心理学者であるガイ・ウィンチ博士に、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と心の不調の取り扱い方について、サイボウズ式編集部のアレックスが取材しました。

※この記事は、Kintopia掲載記事「Learn To Treat Burnout With the Urgency of a Bleeding Wound」の抄訳です。

感情に蓋をするのは、もう古い

会社や組織の中では、どのように取り組むべきでしょうか?

社員のバーンアウトを減らすために、会社ができることがあれば教えてください。

そうですね。文化によっては簡単ではありませんが、「身体の健康だけでなく、心の健康について話していいんだ」と会社がはっきりと姿勢を示し、もっと話し合ってみたらどうでしょう。

化学療法中で体調が優れない社員がいたら、働くべきでないというのはCEOにだってわかりますよね。

同じように、深刻なうつや失恋で心に深い傷を負ってしまった社員がいたら、立ち直るための時間が必要だと思います。

体調が悪かったら休むのと同じように、心も具合が悪くなったら立ち直れるように休む必要があると。

そうです。心の健康に対する理解は、身体の健康と比べると100年も後れを取っているとおもいます。

心の健康についての理解は、ようやく始まったばかりなのですね。


そうですね。

これからは心の健康にも力をいれていきたいですし、まさに今世紀の課題だと考えています。

今の私たちは、取り組むべき健康の課題対象から「心」が抜けているので、パフォーマンスと生産性に大きな影響がでています。 先進性を求める企業であれば、こうした考え方を取り入れるべきでしょう。

組織をあげて、心の健康と安全に投資すべきときが来たのです。

「わくわくが消えてしまった」。それはバーンアウトの兆候かも

バーンアウトの症状について、詳しく聞かせてください。

許容範囲を超えてしまうと、どんな症状が出ますか?症状は誰でも同じですか?

どのような精神的苦痛を感じるかは、その人の心理的構造によって異なります。

心理学者としては、その人の行動、気分、機能の変化に注目します。

気分が落ち込んでいるのか、不安に駆られているのか、あるいはバーンアウトの状態なのか?を見極めるんです。

具体的には、どのようなことに注目するんですか?


たとえば

「半年前はわくわくして取り組んでいた仕事が、いまは楽しくない」

「何をしても同じことの繰り返しのように感じる」

「漠然とした興味は湧いても、言葉にできない重荷を感じてやる気が起きない」

といった心境の変化があるかどうかです。

また、ギリギリの精神状態で「何かひとつでもうまくいかないと、泣きたくなったり、あきらめてしまう」といったケースもあるでしょう。

バーンアウトは、職場で表面化しやすいんですか?


そう思われがちですが、私生活でもイライラしたり、感情が切り離されてしまうことはあります。

どういうことでしょう。


職場では仕事に集中していて、ストレスを感じる余地が限られているので、表面化するのはむしろ仕事をしていないときです。

たとえば、通勤中とか、夕食を食べているときや、家族や友人と会話をしているときに表面化するんです。

バーンアウトはプライベートな領域にも入り込んでくるからこそ、うつ病や他の病気との区別が難しそうですね。

どうやって区別するんですか?

たとえば、もうすぐ週末だとしましょう。

予定は立てずに、肩の力を抜いてリラックスして、自分が有意義だと思えることだけをしようと決めたとします。

もし、あなたがうつ状態だったら、こうした活動すら億劫に感じるものです。でも、バーンアウトしている状態だったら、これらの活動をするのは、比較的簡単でしょう。

また大きなプロジェクトが自分の手を離れると同時に肩の荷が下りてほっとするような場合は、そのプロジェクトがバーンアウトの原因になっていたと、後からわかることもあります。

一番良いのはバーンアウトが起きる前に気が付くことです。でもバーンアウトの影響は多岐に渡るので、職場だけでなく職場の外でも調整が必要になります。

「心の変化」を観察することで、適切な対処が見通せる

バーンアウトが起きる前に気づくには、どうしたらいいですか?

定期的に自分の生活を振り返ってみてください。

健康診断って、1年に1回受けますよね。同じように数か月ごとに、自分の仕事に対する思いを探ってみてください。

探るときのポイントはありますか?


なんとなく探るのではなく、体系立てて考えるのが大切です。

管理・監督業務、事務作業、クリエイティブな作業など、担当業務ごとにどんな思いを持っているか書き出します。

たとえば、以下のようなものです。

・その業務を楽しんでいるか?

・わくわくした気持ちになるか?

・成長の機会はあるか?

・自分が作ったTODOリストを見た時、息苦しさや重苦しさを感じるか?

それぞれの項目の温度感や変化を数か月ごとに記録します。

以前はわくわくしていた業務に関心がなくなったら、バーンアウトの傾向があるかも知れません。

なるほど。


または、成長が頭打ちになっていて、新しい業務に取り組みたいと思っている人もいるでしょう。

業務の振り返りに加えて、上司、チームメンバー、部下との関係も考えてみるといいですよ。相手に対して、自分がどんな感情を抱いているか、とか。

時間の経過に伴う変化がはっきりとわかるように、10段階で「関心」「わくわく感」「不安」「苦痛」の度合いを表してもいいでしょう。

振り返りは他の人と一緒にすべきですか?それとも1人で振り返った方がいいですか?


自分の気持ちに関することですし、感情を測るというだけでもハードルが高いので、 1人がいいですね。

心の健康診断は、治療だけではなく、今後の展開を予想するためでもあります。

でも、多くの人は自分の感情を掘り下げることに不慣れで、自分の感情を読み取ることが苦手です。

自分は気分を害しているという認識はあっても、それが怒りなのか、途方に暮れているのか説明できないのです。

感情は得体の知れない大きな塊のように思えますが、適切に対処するためにも実際に心に何が起きているのか、理解することが大切です。

バーンアウトの症状がみられる人が周りにいたら、どうすればいいか教えてください。


あなたの大切な家族や、友人と同じように、接してあげてください。

ただし問題を抱えていることがわかっていても、抱えている問題の本質を理解するのはとても難しいです。

家庭や結婚生活、友人関係に問題があるのか。うつ状態なのか、それともバーンアウトした状態なのか、さまざまな可能性があります。

なるほど。



1番いいのは、カフェやランチ、仕事の後の一杯に誘ってみることですね。近況を尋ねて、相手にペースを委ねながら話に耳を傾けてみます。

ストレートに「うつ状態なの?」などと聞いてはいけませんよ。

「最近、心ここにあらずっていう感じだね」とか、慎重にいきましょう。

マイルドな言葉遣いを心がける必要がありますね。


そうですね。

本人にバーンアウトの自覚がないこともあるので、あたかも「あなたの異変に気づいていますよ!」というように振る舞ってはいけません。

慎重に、相手のタイミングを尊重しましょう。近しい関係であれば、心を開いてくれるかも知れません。

心を開いてくれたら、あとは問題に対処するためにどんな方法があるか、どんな調整をすべきか話し合えばいいのです。

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