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「ご飯 夜7杯、朝3杯」大谷翔平が10年前に書いた、81個の"マンダラの約束"

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エンゼルスの大谷翔平が出場するMLBオールスターゲームが目前に迫った。33本の本塁打をかっ飛ばし、投手として4勝を挙げる二刀流。「異次元でスペクタクルだ」「アンリアルな才能」と現地メディアは褒めちぎる。スポーツライターの相沢光一氏は「大谷の選手・人間としての下地を作ったのは、花巻東高校の佐々木洋監督です」という。佐々木監督の指導の下、10年前に大谷が書いた「81個の約束」とは――。

2021年7月3日、カリフォルニア州アナハイムのエンゼルスタジアムで、ボルチモア・オリオールズとの1回戦で打席に立つロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手
2021年7月3日、カリフォルニア州アナハイムのエンゼルスタジアムで、ボルチモア・オリオールズとの1回戦で打席に立つロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手 - 写真=AFP/時事通信フォト

大谷翔平と菊池雄星をメジャーのオールスター試合に送った「花巻東」

生中継に釘付けで仕事にならない人が続出するのではないか。

7月13日(日本時間14日9時プレーボール)に行われる米MLBオールスターゲームの出場者に大谷翔平(27、ロサンゼルス・エンジェルス)、ダルビッシュ有(34、サンディエゴ・パドレス)、菊池雄星(30、シアトル・マリナーズ)の3人が選出された。大谷は、MLB史上初となる打者と投手の二刀流で起用されることも決定している。野球ファンならずとも注目するコンテンツだろう。

MLBの場合、野手8人(アメリカン・リーグはDHを入れて9人)はファン投票で、その他の野手と投手は、選手・監督・コーチによる「選手間投票」で選出される。大谷はすでにア・リーグDHのファン投票1位で選ばれていたが、菊池とダルビッシュ、投手・大谷は選手間投票で選出された。オールスターは世界最高峰のMLBでもトップの活躍をした者しか立つことができないひのき舞台であり、本人はもちろん、まるで自分のことのように誇らしく感じている日本人も多いのではないか。

大谷と菊池は、岩手県の私立花巻東高校、ダルビッシュは宮城県の私立東北高校出身。そろって東北の高校出身者であるのはちょっとしたサプライズだが、そのうち2人が花巻東OBというのは快挙と言っていい。

「野球後進県」の「ローカル強豪校」が生んだ傑出した才能

花巻東は岩手県を代表する強豪校だ。甲子園大会には春3回、夏10回出場していて、2009年の春のセンバツではエース菊池が活躍し準優勝している。

ただし、強豪といっても“岩手の”がつく。全国優勝はまだなく、甲子園に毎年必ず出るというわけでもない。ライバルの盛岡大附属高校と競り合いを続けている状況だ。「野球後進県」と揶揄(やゆ)する人も少なくない。全国制覇・優勝が具体的目標となっている大阪桐蔭、智弁和歌山、中京大中京、横浜などの本当の強豪とは実力的に差があると言わざるを得ない。

そんなローカル強豪校から菊池、大谷というメジャーで大活躍する選手が出た。

だが、これは偶然ではない。2人に類いまれなアスリートとしての能力があったことは確かだが、野球選手として成長するうえでも、人間形成の点でも重要な意味を持つ高校の3年間、花巻東の佐々木洋監督の指導を受けたことが、今の大成に密接な関連を持っている。

大谷翔平が10年前、高1時に書いた81マスの「マンダラの約束」

佐々木監督が同校野球部の指導を始めたのは2004年。以後17年間で春夏あわせて11回も甲子園出場を果たしているが、基本的に岩手県内出身の選手だけでチームをつくることを方針としている。ごく少数、県外出身選手もいるが、OBの推薦があった者だけで、他県から有力選手をスカウトすることはない。その点からも勝利だけを追求する監督ではないことがわかる。

地図上の岩手県の位置
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kateryna Novokhatnia

それで甲子園出場を積み重ねる手腕は見事というしかないが、部員たちの技術を向上させて勝てるチームをつくるだけでなく、「人生で成功する人材を育てる指導」をしているところに多くの高校野球部監督や教育関係者が一目も二目も置いている。

それを象徴する指導のひとつが、1年生部員たちに作成させる「目標達成シート」。ビジネスでも活用されることがある「マンダラチャート」に近いものだ。仏教(密教)の世界観を表す曼陀羅図を目的達成に応用した技法である。

シートには9×9の合計81個のマス目が書かれている。まず中心にあるマスに自分が達成したい「大きな目標」を記入する。そのマスを取り囲む8つのブロックには、その目標達成に必要な要素を埋める。

大谷本人にとっては「すべてが計画通り進んでいる」

さらにその要素の外側の9マスには、要素を満たすための近い目標や日々行うべきことを書き込む。それらを意識し行うよう心がけることで、必要な要素が満たされ、中心にある最終的な目標の達成に近づけるというわけだ。

佐々木監督は、このマンダラチャートを野球部員たちの目標達成や技術向上、そして人間形成や自立心養成などのために取り入れた。

約10年前、大谷が高校1年時に作成した「目標達成シート」が公開されているので、改めてチェックしてみた。すると、驚くべき発見があった。「だから大谷正平は全米で注目される選手になった」ということがわかるのだ。大ブレークに目がテンの人も多いが、大谷本人にしてみれば、「すべては計画通り進んでいる」ということかもしれない。

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