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世界で活躍するアーティスト・シシヤマザキに聞くコロナ禍での活動 地方移住、オンラインを駆使した新たな試み

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コロナ禍で「住まい」のありかたを検討する人も

1年以上続くコロナ禍でリモートワークを導入する企業もあるなか、住まいのありかたを見直す人も増えているのではないだろうか。そうした流れの一つで、都内を離れて地方移住や二拠点生活を検討する人も出てきた。

世界的に活躍するアーティスト・シシヤマザキさんはまさに地方移住を実行したうちの一人だが、その姿からは「住む」ということを見つめなおすヒントが得られる。

ロトスコープで表現 世界的アーティストのシシヤマザキさん

シシさんは、「ロトスコープ」という手法を用いてアニメーション作品を多数発表し、世界的に活躍するアーティストだ。
ロトスコープとは、実写映像をトレースしてアニメーションを作り上げる手法で、日本ではテレビアニメ『惡の華』や、岩井俊二監督による初の長編アニメーション映画『花とアリス殺人事件』、2020年に劇場公開され話題となった『音楽』などに用いられている。



これまでに資生堂やCHANELなどといった有名ブランドのプロモーション制作を手掛け、元JUDY AND MARY、YUKIのミュージックビデオやCDジャケットのイラストデザインを担当。2016年頃からは陶芸も始めたシシさんだが、実は陶芸がきっかけで、東京から栃木県・益子町に移住したのだ。





二拠点生活か移住か…コロナ禍が決断のきっかけに

シシさんにとってコロナ禍での大きな変化は、東京から益子町への移住だ。
焼き物の町といえば日本国内にもいくつかあるが、なぜ益子町なのかと尋ねたところ、2018年末に益子を拠点とする陶芸家、うーたん・うしろ氏から「薪窯焼成」の魅力を教わったのがきっかけだという。

薪窯にハマったシシさんは、定期的に窯焚きにも参加するようになり、2019年頃は月に1週間~10日間ほど益子に滞在していたそうだ。

当初は東京と益子町の「二拠点生活」を考えていたというシシさんだが、「二拠点生活だと行き来が頻繁になって、結局どちらがメインの場所なのか、となってくると疲れそうだなと思って。そんなときに新型コロナウイルスが流行し始めたので、それをきっかけに“どうせなら益子をメインにしよう”と踏ん切りをつけることができました」と移住を決めた理由を語る。

二拠点生活から完全移住を始めてもうすぐ1年が経つというが、もともと東京出身である彼女にとって、地方移住は初めての経験。大変な面もあるのではないかと尋ねたところ、そのような心配をよそに、「とても楽しく、充実しています」と笑顔をみせた。

「家の周囲はかなり静かですが、虫やカエルの鳴き声が聞こえてくる。とてもいい環境で過ごしています」

現在シシさんが生活する益子の自宅には、アニメーション制作に使用するパソコンなどの機材も揃っている。益子に移住したからといって陶芸だけに集中するのではなく、むしろアニメーションや、それ以外の垣根を越えた表現をよりフレキシブルにやっていこうと考えているそうだ。

地方での暮らし 意外にも不便さは少ない?

東京に比べ、地方では不便なことも多いのではないかと尋ねたところ、シシさんは「いまはネットで何でも買えるので、不便さは特にありません。ただ、この一年運転免許を持っていなかったので、コンビニやスーパーへ思い立ったときにぱっと行けないことなどはありました。でも一年間はなんとかなりました」と話した。

「ちょっと大変なのは、家の敷地や庭の部分が広いので、定期的に草を刈ったり雑草を抜いたり、家の管理が必要な点でしょうか。また、木造の日本家屋なのできちんと換気をしなければ湿気にやられてしまいます。そのため、家に空気を通すというのを常にやっていますが、家が呼吸しているような、自分のからだと連動しているような感覚があって面白さがあります。これは都心のマンションでは感じることのできない体験です」

photo by 梅田健太

コロナ禍で講師の立場に「これまでの活動を見直すきっかけになった」

新型コロナウイルスの影響によるアーティスト活動の変化について、オンライン上での講義やワークショップを実施する機会が増えた点をシシさんは挙げている。

「東京藝術大学でワークショップと講義をオンラインベースでやらせて頂きました。ここ10年ほどアニメーションを制作してきたなかで自分が何を見出してきたのかということを色々な人にお話しする機会が急に増えたんです」としたうえで、「そういうことに集中できる期間がまとめて作れたという点では良かったですね」と話す。

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