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論議呼ぶ被買収の100人不起訴

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ロ事件の不起訴宣明にも似る一律不起訴
“司法取引”の疑い呼ぶ検察判断
河井元法相による大型選挙違反事件

2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、河井克行元法相=公職選挙法違反罪で懲役3年の実刑判決、控訴中=から現金を受け取ったとして同法違反(被買収)の疑いで告発状が出ていた地元政治家ら100人を一律不起訴とした東京地検の処分の妥当性や公平性に強い疑問と批判が出ている。

東京地検の山元裕史・次席検事は臨時の会見で「大規模な選挙買収の刑事責任を負うべきは河井克行氏であり、妻の案里元参院議員=有罪確定=だ」と述べたと報じられている。その一言に「首相の5億円収賄」を立証するため、贈賄側の主役であったロッキード社幹部3人について不起訴を宣明した上で、米国の裁判所に嘱託して証言を得たロ事件にも似た空気を感じる。

公選法の買収と被買収は贈収賄罪における贈賄と収賄と同様、必要的共犯(対向犯)の関係にあり、買収した側とされた側を同時に処分するのが通常の形となる。然るに今回は河井元法相の起訴時に被買収側の起訴は見送られ、7月6日になって市民団体から出されていた告発に対する結論として一律不起訴処分が発表された。

しかし、ロッキード社幹部が日本での取り調べを拒否したロ事件のような特殊な事情はなく、買収資金を受け取った地元政治家ら関係者も受領を認めている。起訴を見送ったのは明らかに異例で、5千円を受け取った運動員も略式起訴し罰金を科してきた過去の公選法違反事件の処分とのバランスも著しく欠く。

あえてロ事件を引き合いに出したのは、一審判決までに7年を要した全裁判をフォローした立場として、贈賄にせよ公選法違反にせよ、自分が置かれた立場に対する危機感、認識の違いが供述・証言内容に微妙に影響すると考えるからだ。元ロ社幹部3人に対する尋問は、検事総長と東京地検検事正が将来にわたって不起訴とすることを宣明(刑事免責)、最高裁がこれを保証する趣旨の宣明書を出した上で、検察から請求を受けた東京地裁が米国の裁判所に尋問を嘱託する形で実現した。

3人の嘱託尋問調書は法廷で証拠調べ(全文朗読)が行われ、淡々と事件の構図を語るその内容と、ロ社と共謀して売り込み工作を進め、贈賄罪で逮捕・起訴された丸紅3被告の検面調書や法廷供述の重く固い口調には際立った違いがあった。国民性の違いもあろうが、不起訴を約束された立場と起訴を免れない立場の違いが大きく投影された結果だと思う。

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