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「Clubhouseは復活する」音声メディアはこれからが熱いと断言できるワケ

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米国発の音声SNS「Clubhouse」が2021年初頭の日本を席巻した。一時の熱狂はすっかり去ったようにも見えるが、音声メディア関係者は「Clubhouseの体験は復活する」と声をそろえる。『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を著し、起業家が成功の秘密を本音で語る話題のラジオ番組「ビジプロ」のDJとしても活躍中の事業投資家・三戸政和氏は、「投資するならむしろ今」と指摘する──。(第1回/全2回)

日本を席巻したClubhouseブーム

今年1月、Clubhouseが日本に上陸した。久しぶりの新しいSNSであり、招待制だったこともあって、「誰か招待してくれ」「招待枠あります」という書き込みがFacebookやTwitterで飛び交い、あれよあれよという間に日本中を巻き込むブームとなった。年長の人の中にはかつての日本の草分けSNS、mixiのブームを思い出した人も多いだろう。

動画でもなくテキストでもなく、純粋な音楽でもない。主におしゃべりという「音声」で発信する音声メディア。

古くからあるラジオもそのひとつだが、Podcast(ニュースや情報などさまざまなコンテンツがある。アプリやウェブなどいろいろなところに配信する仕組みのことをいう)やSpotify(音声配信プラットフォーム、音楽配信で火が付いた)など、ウェブサイトやアプリで聞ける音声メディアが増えてきている。

アメリカ発のClubhouseもそんな音声メディアのひとつだ。

ソファに座ってスマホを使用する女性※写真はイメージです - 写真=iStock.com/YakobchukOlena

アメリカ・中国で巨大市場化する音声メディア

音声メディアはアメリカや中国ではすでに巨大市場となっている。

アメリカの調査会社、Global Web Indexの2018年の調査では、毎月Podcastを聞いている人はアメリカでは全人口の26%(約8300万人)、中国では29%(約4億人)を数える。デジタル音声広告の市場規模を見ると、アメリカ市場は20年には3000億円を超えている(デジタル広告業界団体IAB調べ)。

一方の日本では音声メディアの市場はまだまだ小さい。Global Web Indexの調査では日本のPodcastの 月間利用者は8%(約960万人)である。日本の市場調査会社のデジタルインファクトの調べでは、国内の20年のデジタル音声広告の市場規模はわずか16億円だ。

日本発の音声メディアとしては、スマホで全国のさまざまな局のラジオが聞ける「radiko」が有名だが、ネットオリジナルの音声コンテンツが聞けるメディアで、誰もが知っているというものはまだ出てきていない。

そんな中でのClubhouseの到来だった。日本の音声メディアはその影響をもろに受けて、利用者をごっそり減らしたのだろうと思っていたが、ところがどっこい、現実はその逆で、利用者数を大きく増やしていた。

日本人が発見した「声」の魅力

日本の音声プラットフォームの老舗「Voicy」は、月間利用者数がClubhouse上陸前、100万人だったところ、1月から毎月50%ずつ増加し、3月には250万人を超えた。音声配信プラットフォーム「Radiotalk」も利用者数は非公表だが、筆者の取材に対し「増えた」と答えている。

音声メディア関係者は、利用者増の理由について、Clubhouseを経験したことで、多くの日本人が「声」の持つ魅力に気づいたからだと推測する。

Clubhouseは音声市場が立ち遅れている日本に、新しいSNSということで突然、現れた。多くの人ははやりに乗って、よくわからないながらも、イヤホンを付けてClubhouseのルームに参加してみた。

すると、著名人やインフルエンサー、気になる人が「声」として耳に飛び込んで来た。そこで彼らに届いたのが、動画で聞いていたものとはまた違う、「声」そのものの魅力だった。そんな声の魅力を知った人が、声を求めて、VoicyやRadiotalkに流れていった、ということのようだ。

それは、いつまでもラジオが廃れない理由と通じるところかもしれない。ラジオの持つ大きな魅力のひとつはDJの声であり、声に癒やされ、ラジオのチューニングを合わせる人(古い言い方!)は絶えない。

ターニングポイントは「ワイヤレスイヤホンの浸透」

Voicyの創業者、緒方憲太郎さんは人の声の魅力について、「声をずっと聞いていると、人となりや本人性が届いて、その人を信頼して好きになりやすい」と話す。Radiotalkを立ち上げた井上佳央里さんも、「声は、あったかい人の気配や居心地のよさみたいな、形に見えない、言語化できないものが届く」と捉えている。

そんな声の持つ魅力をネットに実装させたのがClubhouseであり、彼らの作る音声メディアなのだ。

Clubhouseがもたらした現状を、緒方さんも井上さんも、「追い風だ」と話す。Clubhouseの予想外の広がりが、音声メディアの可能性を高め、日本の音声メディア市場が飛躍するチャンスとなっているのだ。

もともと下地はできていた。米中の音声市場の大きさはすでに述べたが、大きいのはAppleのAirPodsに代表されるワイヤレスイヤホンの急速な浸透だ。テレビを家族みんなで見るライフスタイルから、それぞれが個別に、スマホやタブレットで動画などのコンテンツをイヤホンで聞くというライフスタイルが一般的になった。

声だけを届ける音声コンテンツは、音に集中できるイヤホンとすこぶる相性がいい。新型コロナウイルスによるパンデミックの巣ごもり需要も後押しになった。

「耳の可処分時間」というブルーオーシャン

音声メディアを試してみると、「声」には、確かに動画のときでは感じられない魅力があるのがわかる。では、メディアとしての「声」にはどんな特徴があるのだろうか。

まず、音声を聞く「耳」の可処分時間が長いことが挙げられる。人の持つ1日の時間は、睡眠時間を除くと15~16時間ほどだろう。

「目」の場合、起きている間のその可処分時間を奪い合うライバルが多い。スマホ、ゲーム、テレビ、マンガ、本などのメディアのほか、仕事や家事、勉強、歩行中など、視覚が絶対に必要な行動は多い。可処分時間を奪い合う市場として、「目」はレッドオーシャンといえるだろう。

それに引き換え「耳」は、注視が必要な「目」とは違い、集中して聞くことが必要ない「ながら聞き」が中心だ。スマホでSNSをしながら、ゲームをしながら、家事や勉強をしながら、歩きながら、などほとんどのことが可能で、可処分時間は目よりはるかに長い。

起きている間、耳から音声を流しっぱなしにすることさえできる。リスナーとしても、「耳」を利用したい側からしても、市場としての「耳」は、まだブルーオーシャンといえる。

ワイヤレスイヤホンを手にする女性※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Mariia Kokorina

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