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裁判と日本人

先日ツィッターで上杉隆氏のつぶやき(発言?)が引用されていた。

上杉隆 「日本人の特質は同じじゃないといけないこと。だから異質な物を叩く。人と違うことが健全だということに気が付いて欲しい。」

ということらしい。しかし、以前も書いたようにアメリカ人だって異質なものを叩く性質があるし人に同調しようと言う性質がある。ある環境下においてはアメリカ人のほうが返って人に合わせようとする傾向もあるらしい。相変わらず、日本のマスコミや言論人の多くが「日本は特殊で変な国だ」ということをネタに飯を食っているようだ。(参考記事→日本人は集団主義的という誤解

だが、その多くは意外と事実でないことが多い。もちろん、日本人、日本に特殊な面がないと僕は主張するのではないしかし、日本人同様にアメリカ人もイギリス人も特殊なはずだと考えるほうが自然ではないだろうか?

今日は法律の分野で日本人・日本は本当に特殊なのか?ということを書いた本を紹介したい。法律は専門外なので正直あまりよくわからない。法と経済学の分野などには非常に興味があるけれども全然そこまでの勉強は追いついていないのが現状で非常に分かりやすいところと分かりにくいところで四苦八苦しながら呼んだのが本書である・・・。

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裁判と社会―司法の「常識」再考 (日本の“現代”) 画像を見る

作者は日本に在住経験が長いアメリカ人の法学者である。よって日米の比較。そして日米ともにステレオタイプのイメージが一人歩きしている危険性を訴えている。

まず目を引いたいくつかの内容を紹介しよう。

たとえば、象徴的なアメリカ人として交通事故の際に運転していた親を訴える乗っていた子供という図式がある。が、これは保険会社がクレームを認めないために仕方なく訴えているケースがほとんどなのだという。子供が親を訴える異常な訴訟社会アメリカという図式は成り立たないことを筆者は主張する。

日本人はよく訴訟嫌いの典型とされるが、日米中の意識調査などを通して日本人が訴訟嫌いとは必ずしも限らないことも筆者は明らかにする。また、アメリカの場合は訴訟を起こしても実際に正式な審理に行くケースは1%程度しかないという。アメリカ人としては和解前のひとつの通過点として訴訟があるという意識なのだと言う。

などなど・・・。法律に興味がある人ならずとも意外だと思うような事実はエピソードが数々浮かび上がる。

また、アメリカにおける司法積極主義と裁判所による政策形成。対して日本の消極主義と想定以上の判例重視の姿勢なども話題に上がる。

また筆者はそのような司法制度の国際比較が容易でないこともまた説明する。実際の法律を比較するだけでは意味がなく、その運用や判例なども事細かに見ていかなければ実際にその国の司法制度がどのようなものであるかはわからないと。この辺りは筆者がアメリカ人であり日本での在住経験が非常に長かったからこそ本書のような比較の研究が出来たことにつながっているのだろう。

法律に興味があってもなくても非常にためになる一冊だと思う。ただページ数は多い。読みきるには若干気合が必要かもしれない。

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