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新型コロナ 接種スピードの鈍化-やがて訪れるスピードダウンにどう備えるか - 篠原 拓也

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新型コロナは、ワクチン接種の進む欧米と、接種が滞る南米、東南アジア、アフリカとで、感染動向が二分されつつある。アメリカやイギリスでは、感染防止策を徐々に緩和する動きが見られる一方、インドネシアやマレーシアでは感染者や死亡者が収まらず、ロックダウン(都市封鎖)を実施している。

世界では、死亡者数で、アメリカが60万人、ブラジルが52万人、インドが40万人に達している。感染者数では、アメリカが3337万人、インドが3058万人、ブラジルが1874万人を超えている。

これまでに、世界全体で感染者数は1億8356万151人、死亡者数は397万8581人。日本の感染者数は80万6834人、死亡者数は1万4848人(横浜港に停留したクルーズ船を含まない)に達している。(7月5日17:54現在(CEST)/世界保健機関(WHO)の“WHOCOVID-19Dashboard”より)

日本では、6月21日に東京、大阪などに発令されていた緊急事態宣言が解除された(沖縄は継続中)。ただ、インド型などの変異ウイルスの拡大が進んでおり、一部の地域では感染再拡大(リバウンド)がみられるなど、拡大の収束が見通せない状況が続いている。

そんななか、日本でも、感染収束の切り札ともいえるワクチン接種が、ようやく進んできた。はたして、接種はこのまま順調に進むのだろうか。今回は、昨年12月に接種を開始したアメリカとイギリスの状況を参考に、ワクチン接種の今後の推移について考えてみる。

◇日本の接種はスロースタート

まず、日本の状況を確認しておこう。日本では2月17日に医療従事者向け、4月12日に高齢者向けの接種が始まった。しかし、接種はなかなか進まず、オックスフォード大学の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、5月6日時点で、接種率(少なくとも1回接種を受けた人の割合)は2.4%で、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中最下位だった。

日本で接種がなかなか進まなかった理由として、日本メーカーによるワクチン開発ができていない。国内の臨床試験が進まず、海外メーカーのワクチン承認に時間がかかった。当初、国際的なワクチン獲得競争で劣後し、輸入量が限られていた――などの点が指摘されている。

日本は4月からワクチンの輸入量が増え、5月10日には自治体へのワクチン配布を増やして高齢者向け接種を本格化し、同24日には東京、大阪の大規模接種センターで接種をスタートした。さらに、歯科医師などによる接種を可能とし、5月下旬から歯科医師による接種を始めた。6月下旬には、大学や職域での接種もスタートした。

しかし、ワクチンの供給が不足し、7月には、一時的に接種にブレーキがかかる事態となっている。

そうしたさまざまな経緯もあり、接種開始から19週後の6月29日時点で接種率は23.6%に上昇した。しかし、同じく開始から19週後の他国の接種率をみると、アメリカは41.8%、イギリスは48.7%、フランスは26.6%、ドイツは32.1%だった。日本は、これらの国に比べてスロースタートだったといえる。

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