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再び言う、「体罰を管理せよ!」(3)〜愛情があれば体罰は許されるのか?

1月14日付けの本ブログ「体罰を管理せよ!」(http://blogs.yahoo.co.jp/mediakatsuya/archive/2013/1/14)に対する反論を反駁すべく続編をお送りしている。今回は三つ目の僕の意見に賛成してくれた議論にツッコミを入れる。それは

「愛情があれば体罰も可」という考え方だ。

このものの言い、半分は○だが半分は×と考える。このコメントの中でいちばんアブナイことばが「愛情」だ。なぜって?これはブラックボックスだからだ。愛情は人それぞれ。ということは本人が「愛情」と思っていても、ひとりよがり、ただの「ありがた迷惑」になる可能性がある。いいかえれば、この「愛情」の形式が明確に位置づけられていなければならない。

体罰における「愛情」の条件

体罰(一般的なことばによる指導も含む)における愛情について、僕は以下の項目を条件づける。1.体罰に教育的効果があること、2.そのことを体罰を受ける側が理解していること、3.周囲の生徒もまたそのことを理解していること、4.体罰を行う場合、教員は確信犯でやること。つまり「ここでは体罰をすべき」という役割演技として対象化しつつこれを行使すること。言い換えれば、自らが感情的になっているときには絶対に体罰を行ってはならない。ちなみに、これは前記三つの項目を確認して行うということでもある。

桜丘高校の教員は愛情を履き違えていた?

要するに、これらをまとめてしまえば、体罰をめぐってその文脈=コンテクストを教員と生徒が共有し、了解していることとなる。こうなれば、それはたとえ仮にビンタであっとしても、生徒はその意図=文脈を理解し受け入れる。そうなれば体罰は「精神的奨励」になっても「精神的苦痛」にはならない(これは体罰であろうが、口頭による指導であろうが同じだ。もっとわかりやすく言えばアントニオ猪木にビンタしてもらうようなもの)。こういった教育を介した信頼関係が前提されることで、初めて「愛情としての体罰」は成立する。桜宮高校の教員には、残念ながらこれがなかったのではなかろうか。前回も書いたように、彼にあったのは「バスケットボール部を勝たせる」という業績原理だけ。本人はそうやって、どんなことがあっても勝たせることが教育と思い込んでいた。つまり「勝利」に目がいっていて「生徒=教育」には目が言っていなかった。もちろん教員なりの「愛情」はあったかもしれない。しかし、仮にそうであったとしても、それは結果として「ありがた迷惑な愛情」にしかなっていない。つまり「勝たせること=愛情」という履き違え。

僕はゼミ生を「アホ、ボケ、バカ」と罵倒している

前回も述べたが、幸運なことに僕は身体的苦痛を伴う体罰を学生・生徒に行うことなく、ここまで教育者を続けることができた。ただし、傍目から見たら体罰に等しい行為を「ことば」で学生たちにすることはある。ゼミ生たちに「アホ、ボケ、バカ」なんて罵声を平気で浴びせるのだ。ただし、一切苦情は出ない。理由は簡単だ。前述の項目を慎重に踏襲するからだ。ちなみに、これらの罵声の意味、実は全て同じだ。教えたことをちゃんとやらなかったり、一度やったミスを繰り返したとき、僕はこのことばをゼミ生に浴びせる。つまりジャーゴン=ゼミ内だけのことばの定義がなされている。そして、彼/彼女たちはその意味をよく理解している。もちろん、これがことばによる激励のビンタであることも。もっとも彼/彼女たちが僕に罵声を浴びせられているシーンを、こういったコンテクストを共有しない外部の学生が目撃したらビックリするだろうけれど。

でも、やっぱりこれも一つ運用を間違えれば、学生たちを精神的苦痛に追い込み、ヘタすると死に至らせる可能性がないとも言えない。だから上にあげた体罰(この場合は指導)の文脈を常にメインテナンスし続けることが、僕のの不断の行いとなっている。そして、こういった行いは生徒を指導する教員全てが心掛けることだと思っている。

体罰ということば・形式に振り回されては、いけない。それは、教育の本質からは外れた議論だ。

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