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日本新聞協会のインチキ声明を報じる読売のインチキ記事を嗤う〜世論調査結果の分母の明示化もぜず「国民の8割以上」とかぬかすな

15日付け読売新聞記事から。

「新聞に軽減税率適用を」…日本新聞協会が声明

 日本新聞協会は15日、消費税率引き上げに伴い、新聞への軽減税率適用を求める声明を発表した。


 声明では、「今後も国民がより少ない負担で、全国どこでも多様な新聞を容易に購読できる環境を維持していくことは、民主主義と文化の健全な発展に不可欠」としている。

 また、同協会は同日、全国の成人男女1210人を対象に昨年11月に行った軽減税率に関する面接調査の結果を公表した。それによると、8割を超える回答者が軽減税率の導入を求め、そのうち4分の3が新聞・書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいる。

 調査によると、軽減税率について「導入すべきだ」と回答した人は62・3%にあたる754人。「どちらかというと導入した方がいい」と回答した人(262人)と合わせると、8割を超える1016人が導入に肯定的だった。

 そのうち、新聞や書籍を軽減税率適用の対象にすべきだと答えた人は428人で、「どちらかというと対象にした方がいい」の337人と合わせると、75・3%が肯定的だった。

(後略)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130115-OYT1T01372.htm


 うむ、日本新聞協会は15日、消費税率引き上げに伴い、新聞への軽減税率適用を求める声明を発表いたしました。

 日本新聞協会は声明全文をPDFファイルで公開しています。 

 「軽減税率を求める新聞協会声明」

 知識には軽減税率の適用を――どこでも、誰でも、容易に情報を入手できるために

2013年1月

日本新聞協会

 新聞は、国の内外で日々起きる広範なニュースや情報を正確に報道し、多様な意見・論評を広く国民に提供することによって、民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与しています。

 民主主義の主役は国民です。その国民が正しい判断を下すには、政治や経済、社会など、さまざまな分野の情報を手軽に入手できる環境が重要です。欧州各国では、民主主義を支える公共財として一定の要件を備えた新聞、書籍、雑誌にゼロ税率や軽減税率を適用し、消費者が知識を得る負担を軽くしています。「知識には課税せず」「新聞には最低の税率を適用すべし」という認識は、欧米諸国でほぼ共通しています。

 また、近年、いわゆる文字離れ、活字離れによってリテラシー(読み書き能力、教養や常識)の低下が問題となっています。国や社会に対する国民の関心の低下が懸念される状況です。国民のリテラシーが衰えていくことは、国の文化政策としても好ましいことではありません。知識への課税強化は確実に「国のちから」(文化力)の低下をもたらし、わが国の国際競争力を衰退させる恐れがあります。

 先に新聞協会が実施した調査では、8割を超える国民が軽減税率の導入を求め、そのうち4分の3が新聞や書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいます。戸別配達制度により、わが国の新聞普及率は世界でもまれな高い水準にあります。今後も国民がより少ない負担で、全国どこでも多様な新聞を容易に購読できる環境を維持していくことは、民主主義と文化の健全な発展に不可欠です。

 新聞協会は新聞に軽減税率を適用するよう求めます。あわせて、国民に知識、教養を普及する役割を果たしている書籍、雑誌、電子媒体についても軽減税率を適用するのが望ましいと考えております。

以上

http://www.pressnet.or.jp/statement/pdf/keigen_zeiritsu.pdf


 また日本新聞協会が自らおこなった「軽減税率に関する調査結果」もPDFファイルで公開されています。

軽減税率に関する調査結果

http://www.pressnet.or.jp/statement/pdf/keigen_zeiritsu_chousa.pdf


軽減税率の導入

Q.生活必需品などの税率を低くする軽減税率を日本でも導入すべきだと思いますか。導入すべきではないと思いますか。

リンク先を見る


 なるほど、確かに読売記事のとおり「調査によると、軽減税率について「導入すべきだ」と回答した人は62・3%にあたる754人。「どちらかというと導入した方がいい」と回答した人(262人)と合わせると、8割を超える1016人が導入に肯定的」であります。

新聞・書籍の軽減税率

Q.日本でも軽減税率が導入された場合、生活必需品と同じように新聞・書籍も軽減税率の対象にするべきだと思いますか。対象にするべきではないと思いますか。

リンク先を見る


 うむ、読売記事のとおり「新聞や書籍を軽減税率適用の対象にすべきだと答えた人は428人で、「どちらかというと対象にした方がいい」の337人と合わせると、75・3%が肯定的」となっております。

 ・・・

 読者の皆さん、この読売新聞記事と日本新聞協会の声明でありますが、巧みなプチ捏造のもと読者を新聞・書籍の軽減税率賛成に誘導しようとしている、メディアにあるまじきインチキ報道であります。

 まず読売記事の当該部分。

 また、同協会は同日、全国の成人男女1210人を対象に昨年11月に行った軽減税率に関する面接調査の結果を公表した。それによると、8割を超える回答者が軽減税率の導入を求め、そのうち4分の3が新聞・書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいる。


 「全国の成人男女1210人を対象に昨年11月に行った」とあります。

 これは真っ赤なウソです

 新聞協会が公表している「軽減税率に関する調査結果」を見れば、調査対象は4000人と明確に記されています。

調査は、全国の満20歳以上の男女4000人を対象に個別面接調査(オムニバス)で実施、回収率は30.3%だった。

http://www.pressnet.or.jp/statement/pdf/keigen_zeiritsu_chousa.pdf


 「全国の成人男女1210人を対象に昨年11月に行った」のではまったくなく、事実は「全国の満20歳以上の男女4000人を対象に個別面接調査(オムニバス)で実施、回収率は30.3%だったので有効回答は1210人だった」のが事実です。

日本新聞協会調査回収率

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 読売記事は意図的にこの調査の有効回答率がわずか30.3%しかなく実に7割の人達が調査に協力していなかった事実を隠しているのです。

 なぜか?

 日本新聞協会の声明の中核部分である次の一文がインチキであることを隠ぺいするためです。

 先に新聞協会が実施した調査では、8割を超える国民が軽減税率の導入を求め、そのうち4分の3が新聞や書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいます。


 4000人のうち7割の人達が非協力だった不十分な手前勝手の世論調査の結果をもとに「8割を超える国民」と分母を国民に意図的に拡大して、あたかも「そのうち4分の3が新聞や書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいます」と誘導しているのです。

 未回答も含めてグラフを正確に示せばそこにはまったく違った数値が現れます。

軽減税率の導入

Q.生活必需品などの税率を低くする軽減税率を日本でも導入すべきだと思いますか。導入すべきではないと思いますか。

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 このグラフから「8割を超える国民が軽減税率の導入を求め」ていると断定できるのでしょうか。

新聞・書籍の軽減税率

Q.日本でも軽減税率が導入された場合、生活必需品と同じように新聞・書籍も軽減税率の対象にするべきだと思いますか。対象にするべきではないと思いますか。

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 このグラフから「国民の4分の3が新聞や書籍にも軽減税率を適用するよう望んでいます」と言い切れるのでしょうか。

 これが「社会の公器」を自負するマスメディアの声明とそれを報じる記事の実態です。

 手口が非常に姑息で不快です。

 ここにトレンド総研 (東京都渋谷区)が、今後の消費者動向に大きな影響を与え得る、「消費税の税率引き上げ問題」に対する消費者の意識・実態を明らかにするために、20代~50代の男女1,117名を対象に「消費増税に関する調査」を昨年6月に実施した記事があります。

~消費増税、軽減税率、給付付き税額控除、…“消費者意識”を徹底調査~ 増税容認37% 「世帯年収」との相関とは!? 支持率7割の「軽減税率」、キーワードは“生活必需品”と“エコ”

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000003448.html


 これは絶対にマスメディアは取り上げない事実なのですが、その中で商品カテゴリー別の軽減税率支持率が実に興味深いです。

リンク先を見る


 読者のみなさん、ご覧ください、食料費や光熱費に比べれば、新聞や雑誌なんてお酒やタバコみたいに国民にとっては「生活必需品」なんて認識は薄いことが明々白々なんです。

 私は軽減税率導入自体に反対ですが、もし生活必需品以外の品目も対象とするのならば、何が国民が必要としているかは、このような日本新聞協会のインチキ調査ではなく、第三者機関による正確な世論調査を要求します。

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