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鳩山由紀夫氏訪中に対する誹謗と「国賊」発言の擁護

先日、私は、「鳩山由紀夫元首相の訪中 小野寺五典防衛相の「国賊」発言を批判する」というブログ意見を掲載したところ、様々なコメント(意見)が寄せられました。
(意見ともいえないネットウヨクの誹謗・中傷コメントも結構ありました。)

 その中には、鳩山氏の対応を支持するもの、鳩山氏の言動は支持できないが、防衛相という公的立場の人間が「国賊」という言葉を使うこと自体への批判がある一方、国賊を国賊と言って何が悪いというヒステリックな意見が少なくありませんでした。

 問題点は2つあるかと思います。
① 尖閣に関する領土問題が存在しているのか否か。鳩山氏の発言は国策に反するのか。
② 公的立場の者が「国賊」という発言は許されるのか。

 まず、尖閣に関する領土問題が存在しているのかどうか、これは明らかに存在しているでしょう。中国との間で、頻繁に領海・領空侵犯問題が発生しているではないですか。
 何故、このような現実を見ることなく、領土問題は存在しないという一言で片付けられるのかが不思議です。
 領土問題など、日本(一国)の主張によって確定するものではありません。相手国があり、またそれを世界各国がどのような対応を取るかによって決まるものです。
 軍事力をもって解決せよということが、本当に現実的な対応なのかどうかという問題です。
 尖閣問題を解決するために「軍事力増強だ!」などという勇ましいというか、軍国主義思想丸出しの発言もありますが、本気で一戦を交えるつもりなのか、あるいは現実に血が流れてでもなどと思っているのでしょうか、そうだとしたら、それこそ非現実的な話です。
 まあ、そのように声高に軍事力を叫ぶ人たちは率先して最前線に立つ気など全くないにも関わらず(後方にも立たないでしょうね。)、このような発言をすることには、非常に無責任さを感じるわけです

 中には、外交ははったりであり、軍事的に増強して威嚇することが大事だ(要は、一戦は交えないという意味なのでしょう。)、などという、さもわかったような意見もありますが、そのようなことで得られるものなどありません。それは所詮ははったりでしかなく、意味を持たせようとすれば際限のない軍拡競争が始まるだけです。しかも、中国が核兵器を保有しているんだ、だから日本も核兵器を保有せよという主張になっていくのでしょうが、これが結局、何も生み出さないのは東西冷戦で、米ソ両国が軍事費の増大に耐えきれなくなったことをみても明らかなことです。

 従って、軍事力増強では、何も解決できません。しかも、軍事費の増大によって日本の国力は著しく低下していくことでしょう。それこそ国家の破滅です。
 正しくは、尖閣問題について領土問題が生じていることを正面から認め、世界各国に理解を得ていくことです
 ただし、今まで頑なに領土問題は存在しないという大前提で、その理解を得る努力を怠ってきたのですから、今さら手遅れ感もないわけでありません(千島列島や竹島のように。)。それを軍事力の増強でどうこうしようというのは、極めて滑稽な発想です。
 また、鳩山由紀夫氏の言動を国の方針に反する、だから国賊だなどという批判も聞かれますが、明らかに的外れです。国賊という言い方そのものの問題点は後述しますが、国の方針に反する、という前提が正しいのかどうかの意見も述べずにただ国の方針に反するというだけでは、いかにも国家に服従しているだけの姿勢でしかありません。
 国の方針は、もはや世界は通用しない「領土問題は存在しない」論。
 米国の軍事力頼み、あるいは軍事力増強による対応によって解決できようはずもないことを自覚すべきです。
 国の方針が間違っているのに、鳩山氏を非難するのは失当です。

 「国賊」発言が問題なのは、先日のブログで述べたとおりであり、繰り返しませんが、「国賊に国賊と言って何が悪い」という意見にも、同様に危ういものがあります。
 こういう人たちが、進んで全体主義国家の邁進のための提灯持ちになっていくのでしょう。

参照、とても参考になります。
 「安倍総理総裁と「ネットラーユーゲント」の恐怖 弱者に逃げ込む権力者の卑怯」(Everyone says I love you !)

 なお、鳩山由紀夫氏は、南京大虐殺にも言及しましたが、コメント(意見)の中に南京大虐殺はなかったという主張には、恐れ入ります。
 そのような南京大虐殺は幻だなどという主張は、もはや世界では通用しません。虐殺された人数についての争いはあったとしても、南京大虐殺それ自体を否定することは歴史の歪曲です。

 政府見解は、少々、曖昧な表現ですが、南京大虐殺そのものを否定していません。当然のことです。
 政府答弁
「千九百三十七年の旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できないと考えている。」
内閣衆質164第335号 平成18年6月22日

 鳩山由紀夫氏の言動に対し、鳩山叩きばかりが目につきますが、その論調は、どれをとってみても危ういものばかり、他方で、鳩山氏の言動はともかく、「国賊」発言をした小野寺五典防衛相を持ち上げられ、その発言の持つ問題点が取り上げられない状況に、日本の政治の大きな問題があります。

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