決まりということではないのですが、最初の100日は、口出しをせずに見守ろうという慣習がありますね。
3月ごろまでは、少なくても、表面的には、海外からの声はそれほど大きくないはずです。
そんな中、ラガルドIMF専務理事が、ほめているのか非難しているのか、そんなコメントを先週末に出しています。
「中銀の独立性が確保されている限り、政府が日銀に2%の物価目標の導入を要請していることは興味深い計画だ」と条件が付いていますが、評価しているのです。
また、彼女は「短期的な成長促進は適切だが、膨大な財政赤字を中期的に削減する道筋が必要だ」と言っています。
さらに、安倍政権の円安誘導について、日本を名指しはしませんでしたが、「いかなる形でも通貨安競争に賛同しない」と懸念を表明しています。
お堅いIMFの発言ですからね。
でも、抑えるところは抑えていますね。
私は、日銀の独立性は、最終的には確保されると思いますよ。
次に、ドイツのショイブレ財務相は、安倍政権が目指している追加金融緩和に強い懸念を表明しています。
なんと、下院の議会での演説で懸念を表明しており、「世界の金融市場での流動性が過剰であることを考えると、中銀の政策についての誤った理解がそれをあおっている」と明確に批判しています。
ドイツ勢には、なかなか、許容できない政策でしょうね。
しかし、「誤った理解」とまで言っていますからね。
屈辱的な発言と言えなくもないですね。
私は、海外の方の発言には二面性があるのだろうと思いますね。
おおむね正しいことを言っているのだろうという面と自国経済にとって良いことを言わざるを得ない面(つまり日本には良くないこと)という二面性があるのだと思います。
ユーロ圏は、テールリスクは大きく後退したものの、景気のリスクは、引き続き大きいわけです。
ユーロ高は、このテールリスクの後退により、ユーロから逃避していた資金が戻っているわけです。
しかし、このユーロ高は、ユーロ圏の景気にとっては、あまりありがたくないのですね。
そんな時、逃避先であった円が安くなっているのを見ますと、ユーロの方にとっては、「あんにゃろ~、うまいことやりやがって」となりやすいのでしょう…たぶん。
でも、間違ったことは言っていないのも事実だと思いますね。
タラればになりますが、もし安倍政権がこんな円安政策を取ってなければ、どうなっていたのか。
やはり、テールリスクの後退で、逃避通貨であった円は、売られていたのだと思います。
もちろん、円安のペースは、ここまで速くはないと思いますが、方向性は同じであったと思います。
安倍首相は、そこに(信用リスクの回復による円安に)さらに背中を押して、円安に勢いをつけたので、海外の政治家からすれば、「ちょっと、そりゃないよ」ってことになるのでしょうね。
金融緩和は、どこの国も大なり小なりやっていますから、日本を批判するのもどうかと思いますが、財政規律の問題、中銀の独立性の問題など、突っ込まれるところも多いのは間違いないですね。
ともかく、明日の日銀、久しぶりに世界が注目していますよ!