- 2021年06月19日 21:32
【21年通常国会質問シリーズ1】 プラスチックゴミは地球環境を汚す元凶 -資源の再利用を超えて生産・利用を禁止するほかなし
1/2<EUは使い捨てプラスチックの流通を禁止せんとしている>
EUは19年6月、海洋ゴミの削減・使い捨て文化からの脱却等を考えて、使い捨てのプラスチックの流通を21年夏までに禁止する法律を成立させた。しかしながら、コロナ禍の中で、宅配・持ち帰りの食品容器が増え、また感染対策から再利用可能なカップの持ち込みが禁止されたことから、プラスチック業界は衛生や消費者の健康を優先し流通禁止を1年延期するよう要請している。ところがEU委員会は受け入れず、加盟国は国内法の整備中である。
<世界中から嫌われる使い捨て漁網>
プラスチックゴミでは、日本でマイクロプラスチックの海洋汚染問題が大きく取り上げられるようになった。私は水産庁に3回、計8年務め、留学も米ワシントン大学海洋総合研究所と海に関わる仕事をしていた関係で、海の汚染はなんとかしないと大変な目にあうと気になっていた。漁業界の中でも、捨てられた漁網に首を突っ込んだ魚や亀や海鳥が死に、重くなって底に沈み、それが朽ち果てるとまた上がってきて何回もそれ送り返すことから、海洋生物にとって最大の敵は捨てられた漁網なのだ、と批判されていた。
<その漁網を遥かに凌ぐ悪物、マイクロプラスチックゴミ>
日本列島が4つすっぽり入る大きさの太平洋ゴミベルト地帯というのがあり、大半がプラスチックでしかも漁網が大半だという。ところがその漁網を遙かに凌ぐ大問題が、回収のすべのない小さなマイクロプラスチックである。それが、今後も増え続け、2050年には魚の総量よりもプラスチックの総量の方が上回ると予測されている。 プラスチックは海に毎年800~1200万tも捨てられており、生物を傷つけ魚を汚染させ、それを食べる人間も有害物質を相当体の中に溜めてしまっている。
<世界の有識者は早くから警告を発していた>
そうしたことから20118年のカナダ・シャルルボワのG7では、海洋プラスチックゴミについて大議論になった。トランプ大統領がトルドー・加首相の批判に反発して、首脳宣言を承認せず、日本もそれに同調してしまった。しかし、それを受けて19年に開催された大阪G20サミットでは、大阪ブルーオーシャン・ビジョンで海の浄化を大々的に宣言している。
<日本の"燃やすだけ"はリサイクルにあらず>
今回プラスチックを再利用する法律(「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」)が成立したが、日本のプラスチックゴミ問題は深刻である。2019年の統計によると、有効利用率は85%に過ぎず、891万t排出されるゴミの61%は、ただ燃やされているだけである(サーマルリサイクル)。マテリアルリサイクルと呼ばれる、「もの」として利用されているのはわずか22%に過ぎない。ちなみにEUは33%に達しており、欧米ではプラスチックを燃やす事はリサイクルとみなされていない。
<プラスチックゴミの輸出もできなくなる>
だからプラスチックゴミ問題は、地球温暖化・気候変動に次ぐ(あるいは並ぶ)世界の一大問題になっている。 日本にはそれに加えて差し迫った特殊な問題がある。2017年末までは日本は中国に毎年150万t近くのプラスチックゴミを輸出していた。ところが中国は2013年からグリーンフェンス政策を導入し、輸入の規制を強化し始め、飲み残しペットボルト等を段階的に輸入禁止し、17年末に全面禁止に踏み切った。中国はPM2.5に代表されるように環境問題が深刻であり、気候変動問題についてはオバマ大統領と手を握ってパリ協定を合意に持っていく役割を演じるなど、環境問題の解決に真剣である。日本はそれでもマレーシア等他の東南アジアの国に輸出せんとしているが、これは2021年からバーゼル条約の改正が行われ、汚れたプラスチックゴミの移動が制限されることになり、野放図に輸出することはできなくなる。



