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理念のもとに結集したG7-閉幕後に問われるもの - 鈴木 智也

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1――民主主義国の結束

6月13日、英国コーンウォールで開催された主要7カ国首脳会議(サミット)が閉幕した。サミット開催は、2019年8月以来2年ぶり。昨年は、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、米国での開催が見送られた。この間、米国、日本、イタリア、欧州連合(EU)の首脳が交代し、国際社会も英国のEU離脱や米中対立の激化などで大きく変化して来た。

今回のサミットでは、トランプ前米大統領のもとで不協和音が目立ったG7が、バイデン米大統領のもとで再び結束できるかが問われた。特に注目を集めたのは、専制主義的な動きを強める中国への対応だ。

閉幕後に発表された共同宣言には、台湾海峡の平和と安定の重要性が初めて明記され、東シナ海および南シナ海の状況に触れたうえで、自由で開かれたインド太平洋の維持の重要性が改めて強調された。また、人権問題では新疆や香港に言及し、経済問題では中国の一帯一路を念頭に新構想を打ち出し、自由、民主主義、法の支配、市場経済といった、G7共通の価値観のもとに結束していくことを確認した。

さらに、民主主義陣営の範囲を広げるため今回のサミットには、中国と対立するインドや豪州、韓国、南アフリカの4ヵ国も招待された[図表1]。招待国も署名した「開かれた社会声明」には、中国を名指しての具体的な言及はなかったが、民主主義や多国間主義などを擁護していくという、各国のコミットメントが盛り込まれた。

今回の共同宣言を主導したのは、米国のバイデン大統領だ。バイデン大統領は今年3月、当面の外交・安全保障政策の指針となる暫定版の「国家安全保障戦略」を公表し、その中で中国を「唯一の競争相手」と位置づけ、同盟国との連携強化等を通じて、中国に対抗していく方針を示していた。欧州の中には、これまで中国との経済関係を重視し、中国包囲網とも言える動きに慎重な姿勢を示して来た国もあったが、中国への懸念が高まる中[図表2]、米国の価値観外交が受け入れた形だ。

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