記事

「何者かになりたい」人に必要なコミュニケーション能力

1/2

何者かになりたい

  • 作者:熊代 亨
  • イースト・プレス
Amazon

おかげさまで、熊代亨『何者かになりたい』が本日発売されました。若い人をメインの想定読者とした本ですが、後半パートの「中年期から先の何者問題」の箇所はアラサー・アラフォー世代によく刺さるようです。さまざまの「何者問題」を抱えている人、アイデンティティの空白を持て余している人にお勧めしたいです。
 
ところで本書の終わりのほうで、「アイデンティティを獲得して何者かになっていく経路や選択肢は非常に豊かになっているが、それだけに、コミュニケーション能力が問われる」といったことを私は書きました。

 どれだけ選択肢がたくさんあっても、どこのコミュニティにも所属できない、どこの人間関係にも馴染めない人がいるとしたら(実際、いることでしょう)、その人はどこも自分の居場所とは感じられないでしょう。他人から評価されたり褒められたりするチャンスも減るかもしれません。どこにも所属しにくく、評価されたり褒められたりするチャンスも少なくなれば、そのぶんトライアルやチャレンジにも消極的になり、学習やスキルアップでも遅れを取りやすいでしょう。
 
こうなると、コミュニケーションが苦手な人はそのぶんアイデンティティの確立が難しくなる、と考えざるを得ません。

 
私の記憶が確かなら、アイデンティティ論を論じた偉い人が「アイデンティティの獲得・確立にはコミュニケーション能力が必須」などと書いていなかったように思います。でも、今の時代でコミュニケーション能力に言及しないのは不自然だと私は考えました。
 
どこかに居場所を獲得するにも、仲間と一緒に勉強したりライバルと切磋琢磨するにも、趣味の道を深めていくにもコミュニケーション能力が高いほうが有利です。コミュニケーション能力が低ければ、メンバーシップを経由して技能やアイデンティティを獲得していくにも、個人としての業績や地位を介してアイデンティティを獲得していくにも、不利でしょう。
 
本書では「何者かになっていく」ための経路、すなわちアイデンティティの獲得・確立の経路を2つにわけて紹介しています。うちひとつは、伴って承認欲求が充たされるような個人的経路、もうひとつは伴って所属欲求が充たされるようなメンバーシップ型の経路です。が、この分類は便宜上のもので両者は地続きで、どちらも他者との人間関係のなかでできあがっていくものです。
 
承認と所属、どちらの経路でも他者との人間関係が必要である以上、コミュニケーション能力の成功確率が高い人は有利で、成功確率が低い人は不利となります。ひとことでコミュニケーション能力と言ってもさまざまですが、ともあれ、コミュニケーション能力が高いに越したことはありません。  

あわせて読みたい

「コミュニケーション」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    7月24日(土)ムネオ日記

    鈴木宗男

    07月24日 17:20

  2. 2

    バッハ会長“長過ぎスピーチ”で…テレビが映さなかった「たまらずゴロ寝」選手続々

    SmartFLASH

    07月24日 09:20

  3. 3

    退職金や老後資金を吸い上げる「ラップ口座」の実態

    内藤忍

    07月24日 11:33

  4. 4

    東京五輪の開会式は滞りなく挙行 世界に恥を晒すことをどうにか避けられた日本

    早川忠孝

    07月24日 16:07

  5. 5

    五輪開催を巡り立民と国民民主の立場に差異 国民の共感を得られぬ立民の主張

    早川忠孝

    07月24日 18:37

  6. 6

    天皇陛下の開会宣言に着席したまま…菅首相に「不敬にも程がある」と非難の声

    SmartFLASH

    07月24日 08:58

  7. 7

    天皇陛下と同列?五輪開会式でのバッハ会長の振る舞いに違和感続出

    女性自身

    07月24日 11:55

  8. 8

    自民党で相次ぐ世襲の新人候補者 3つの弊害を指摘

    山内康一

    07月24日 09:24

  9. 9

    中間層や無党派層の動きが読めない横浜市長選 日本の政治状況が急展開か

    早川忠孝

    07月24日 18:23

  10. 10

    前例を覆した開会宣言 政府の緊急事態宣言よりも感じる「重み」

    階猛

    07月24日 10:39

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。