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歓声のない拍手に感動…コロナ禍の東京競馬場で実際に安田記念を観戦してきた

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競馬は、競馬場で見るのが最高だ。

2021年6月6日、私は東京競馬場でそう痛感した。東京競馬場を訪れたのは一度や二度ではないが、 芝とスタンドを目の当たりにした瞬間「うおおおおお」と叫んだのは初めてだった。

日本ダービーの前日、私のもとにある一通のLINEが届いた。普段から競馬やプロ野球、Jリーグのことなどでやり取りをしている知人からだったのだが、なんと東京競馬場の事前抽選に当選、2枚分当たったというので私を誘ってくれたのだ。ちなみに彼は私と誕生日が同じで、しかもともに左利きというちょっぴり気持ち悪い縁があるのだが、やはり持つべきものは友だと痛感しつつ私は二つ返事でそのLINEに「サンキュー」と返信した。

春のマイル王を決めるGⅠレース「安田記念」。私にとっては2019年の「天皇賞(秋)」以来となる競馬場での観戦となったわけだが、ここからは当日の競馬場の様子をお伝えしていくこととする。尚、掲載している写真はすべて私が撮影したものだが、私は撮影のセンスのなさが天下一品だ。そのセンスの酷さを心の中で容赦なく嘲笑しながら読んでいただけると幸いである。

GⅠの熱狂は、競馬場に着く前から始まっている

とりわけ東京競馬場でのGⅠ観戦は、競馬場に到着してから始まるのではない。競馬場へ向かう道中で既に始まっている。

首都圏にお住いの読者は新宿駅から伸びる京王線という電車をご存知だろう。東京競馬場へはこの京王線一本で行けるのだが(厳密には東府中駅から競馬場へ行くためだけにある京王競馬場線に一度乗り換える)、私の中では、この車内にいる時点で既にGⅠの熱狂は始まっている。前回の記事(「すべてのホースマンが夢見る競馬の祭典~第88回日本ダービーがやってくる~」)でも触れたように、GⅠの日は特に京王線の車内で競馬新聞を手に握っている人が散見されるため、彼らを見た瞬間私の競馬熱は高揚し始める。

京王線沿線に私の通っていた大学の最寄り駅があるのだが、数年前の楽しかった日々を懐古しながら京王線に揺られること約50分。「府中競馬正門前」という駅で降りれば改札の目の前で東京競馬場が私を出迎えてくれる。

感染対策に万全を期し、いざ場内へ

駅を出ると競馬場内へと繋がる歩道橋があるのだが、それを渡ったところで入場券の引き換えを行う。当選者である知人が手続きを済ませて2人分の券を手に入れたら、まずは検温と消毒。抜かりなく感染対策を施したところでようやく入場だ…と、ここで一つ気づいたことが。

入場券がいつもと違うのだ。GⅠの日は例年、そのGⅠレースの前年の勝ち馬を掲載した素敵な入場券が配布される。だが今回は、言い方は悪いが普通の券だった。コロナ禍になってからの特例措置なのかもしれない。

右が過去の東京競馬場でのGⅠ入場券。上からドゥラメンテ、レイデオロ、ショウナンパンドラ。

場内は制限中ということもあり人が少なく、実に歩きやすい空間だった。東京競馬場は子どもから大人まで楽しめるオープンな場所で、しかもなかなか綺麗だ。今回の人の少なさは、そのゴージャスな雰囲気を持て余しているように見受けられた。馬券の購入・払い戻しをするスペースも、普通ならば競馬新聞を握りしめたおじさん達が群れを成してレースの戦況を見守っているところだが、そのおじさん達の姿が全くない。レース後も払い戻しに来る人達がなんと少ないこと。ネットで馬券を購入している人も多いだろうが、それにしても自分が想像していた以上の殺風景ぶりに、些か寂寥感を覚えた。

入場するとこんな感じ。とても綺麗。

ここで馬券を購入する。奥までズラーッと並んでいる。

間近で馬を見られるパドック

競馬場にはパドックという場所がある。ここでは、レースに出走する馬の直前の状態を間近で見て確認することができる。パドックでの状態を考慮して予想を調整するファンも中にはいるだろう。

また、パドックは、初めて訪れた人にとっては些か独特に感じるニオイが漂っている。馬の馬体そのもののニオイだけでなく、馬が周回中にするウンチ(※競馬用語で「ボロ」という)のニオイなど、様々なニオイが混ざり合っているのだ。この日はマスクをしていたことに加え、一時雨が降っていたこともあってか、控えめだったように思う。また、地面にはソーシャルディスタンスを保つための目印が刻まれていた。スタッフの方が巡回していたことも影響したのか、それぞれが目印に従ってパドックを見つめていたが、改めて遠巻きに見ると結構な密に見えなくもない。

安田記念前のレースのパドック。まだそこまで人は多くない。

安田記念のパドック。上の階まで人がいっぱい。

そして、パドックでの周回を終えた馬たちは、地下馬道という道を通ってコースに入場するのだが、地上波などで競馬中継を見ると、メインレースに出走する馬がこの地下馬道を歩く様子が流れる。地味なシーンではあるかもしれないが、私はこの瞬間がなかなか好きだ。地下馬道は普通の人は入れないため、中継ならではのシーンなのだ。あと馬が可愛い。

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