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弱くても勝てる

若干時期がづれるが高校野球の本だ。と言っても、ありがちな強豪校や有名選手の若かりし日の話・文武両道の進学校の躍進などのは話ではない。この本のテーマはなんと開成高校だ。そう日本一の進学校のあの開成高校である。開成高校なんて野球弱そうだなあと思われる人も多いだろう。実際、グラウンドで練習を出来るのは週に一日。土日は練習試合を組み平日は自主練で体を鍛えていはいるもののそんな程度だらしい。

だがここ数年でベスト16に入ったりベスト32に入ったりと東東京大会で活躍している。どうやって?というのが本書で明かされる。

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「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー 画像を見る

が、その内容は完全にネタばれとなってしまうのでここでは書かないこととする。が、同校の監督が非常に頭を使って合理的に指導していることを考えれば無理のない話だ。野村監督が言う弱者で勝つ方法というのを方向性は若干違うがよりアマチュアとして大胆にやっているという感じだろうか。

よく考えれば、我々は常に常識にとらわれがちだ。僕も自身の人生も常にそうだった。まっとうなやり方では壁を越えられないし思い切った方法をとってこなかったと悔やむことが多い。何かをやり遂げようと思えば、(あるいはたとえば弱くても勝つとか素人だけどプロに挑もうとするならば)徹底的に合理的にリスクをとるしかない。が、人間はついつい常識に沿ったやり方を行ってほどほどで終わってしまう。

以前『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く 画像を見る』で紹介したようにそれはスポーツの世界でもそうだ。たとえばアメフトの世界ではフォースダウンでパントを蹴るのが当たり前だが実は統計的にはそれは効率の言いやり方でないと証明されている。あるいは、バスケットでファウルトラブルに陥った選手をベンチに一旦下げるのも効率的なやり方ではないという。

常識を疑って常に事実に基づいて合理的に挑戦することの大切さを本書で改めて我々は知ることがきると思う。勿論、本書はそんなお堅い本じゃなくてお笑いも随所に含まれる。開成生の高校生とは思えない論理的なやりとりや野球部らしからぬほんわかした雰囲気。そして、いつの間にか生徒も監督も思っていない甲子園出場に向かって一人で入れ込んでしまう筆者の意気込みがほほえましい。圧倒的にオススメだが電車の中では読まないほうがいい本かもしれない。

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