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生活保護改悪方針/子育て世代直撃 許されない

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 生活保護基準の1割引き下げを公約で掲げる自民党政権のもとで、生活保護基準を反映する2013年度予算案が1月末にも閣議決定されようとしています。厚労省の諮問機関である社会保障審議会の生活保護基準部会が検証結果を公表したことで、基準引き下げが正当化される危険が高まっています。

 貧困と格差が広がるなか、健康で文化的な最低限度の水準を国民が享受できているかの検証こそ必要です。しかし、基準部会は、低所得者世帯の消費水準と生活保護基準を比較する点で従来型の検証にとどまりました。

 国民全体の消費水準が下がり、生活保護レベル以下の所得でありながら保護を受けていない人がぼう大にいるなかで、比較した低所得世帯の生活費の水準が生活保護基準よりも低くなる「逆転現象」が起こることはありえます。

 今回の報告では、60歳以上の単身者や夫婦では「逆転現象」は生じていませんが、世帯の人数が増えるほど生活保護基準との格差が大きくなっています。

 この結果を基準引き下げに反映させることになれば、子どもが多い世帯の基準がより引き下げられることになります。親の困窮が子どもの人生にも影響を与える「貧困の連鎖」の克服が課題となっているにもかかわらず、逆にそれを助長する結果を招くことになります。

 また生活保護制度は、住民税の非課税世帯の基準、就学援助や保育料など各種の福祉的制度の基準となっていることから生活保護利用には至らないながらもギリギリで頑張っている子育て世帯に大きな影響を及ぼします。就学援助を利用する子どもの数が過去最多となるなか、就学援助からはじきだされる子どもが増えれば、結局は、被保護世帯を増やす結果につながります。

 自公政権は、貧困と格差を広げた反省もなく、政権復帰早々に、社会保障制度の最後のセーフティーネット(安全網)である生活保護制度の取り崩しを狙っています。基準の引き下げと制度改悪は、生存権をうたう憲法25条への二重の攻撃です。自公政権の暴走を許さない、国民的なたたかいが急がれます。(鎌塚由美)

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