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「顔隠し写真」が若者に流行 個人情報特定にもつながるSNS投稿を避け高まる情報リテラシー

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流行に敏感な女子高生の写真をInstagramで見ると、明らかに顔を隠して写っている写真が多いことに気がつく。少し前まで誰かわからないほど大きな目に加工した顔写真投稿を多く見かけたが、今やトレンドは「顔隠し写真」と言ってもいいだろう。

なぜ彼女たちはSNSで顔を隠した写真を投稿するのか。心理と背景、情報リテラシーの今について見ていきたい。

文字、加工、手で…顔を隠した写真をSNSに投稿する若者たち

Getty Images

「え、なんでみんな下を向いているの。顔が見えないのに、写真を投稿する意味はあるの」。彼女たちの写真を見たある40代男性は戸惑いを隠さない。

「せっかく若いのに、顔を公開したくないのかな。意味がわからない」。同じような感想を抱いた大人世代は多いのではないか。

彼女たちの顔の隠し方は、実に様々だ。下向き、後ろ姿など、顔が写らない自然なポーズの写真も多い。手で隠したり、首から下だけ写す例もある。複数名で並んで同じポーズをとって撮影しており、仲が良さそうで楽しそうな雰囲気は伝わるが、どれも顔は写っていない。

その他、iPhoneで使える「ミー文字」で隠したり、顔部分に「me」「she」などの文字を載せて隠す例もある。持っているカップで隠す例、鏡越しに撮影しスマホで顔が隠れるようにする例、ぐるぐるの渦巻加工で隠す例もある。

いっときは、顔の一部を落書きなどで隠すことが流行した。片目を塗りつぶしたり、輪郭がわからないように塗りつぶすなどして、コンプレックスがある部分を隠すやり方だ。それが一歩進んで、顔全体が見えない写真がトレンドとなってきているのだ。

「無理に出す必要もない」顔を隠した方がおしゃれで雰囲気アップ

顔を隠した写真を投稿している女子高生に聞いてみた。「顔を隠した方が盛れるからかな」と彼女は言う。「最近オシャレと思う写真は顔を出していないことが多い気がする。顔を写さない方が雰囲気出るし、自分でもそういう写真を撮りたいと思って」。

インスタ映え写真は投稿したいものの、インスタ映えを目指すだけなら、別に顔を写さなくてもいい。全身が決まっていたり、ファッションや雰囲気が背景と合っていたりという方が大切というわけだ。

別の女子高生は、「顔が写っている写真は、自己アピールに必死な感じでちょっとイタイかも」と言う。「親とか先生とかにも『個人情報が漏れてしまうからあまり顔写真は公開しない方がいい』と言われているし、無理に出す必要もないかな」。

実際、博報堂のシンクタンク「生活総合研究所」の「スマートフォン・SNS内の保存データ調査」(2020年12月)によると、Z世代がInstagramでプロフィールに使用している写真は、「後ろ姿など顔が特定されない自分」にしている人が、「顔を出している自分」にしている人を上回った。

理由については、主に「盛っている・きめている自分を見せるのは恥ずかしい」 「後ろ姿の方が雰囲気や世界観を作りやすい」ということのようだ。個人情報特定にもつながる顔出し写真は、スマートではないと考える若者が増えているのだ。

投稿内容から個人を特定 空き巣やストーカー被害も

Getty Images

SNSの投稿によって個人情報が特定され、様々な被害につながるリスクがあることをご存知だろうか。

2019年のGW中、高須クリニックの高須克弥院長宅に空き巣が入り、3000万円相当の被害にあった。これは、Twitterの投稿で台湾旅行に行くことを明らかにしていたこと、過去の投稿で位置情報や自宅の扉写真を公開、自宅が特定されていたことから起きた被害と見られている。

ある女子高生から、知らない男に「○○さんですよね」と声をかけられ、抱きつかれる被害にあった話を聞いた。女子高生はTwitterで制服姿の写真や居場所などをリアルタイム投稿しており、高校と最寄り駅、行動範囲や行動時間帯などを特定されていたという。

「Twitter上で友だちと待ち合わせ時間と場所を話し合って決めて、待ち合わせ場所に行ったら、知らない大人が待っていた」という話もある。多くの若者にとってSNSの利用は日常であり、SNS利用によって起きる個人情報特定などのトラブルは身近なものなのだ。

TwitterやInstagram、TikTokなど、複数のSNSを利用しているという人は多いだろう。複数のSNSを利用することで、公開している情報もその分多くなる。

このようなSNSやインターネット上に公開した様々な情報を照らし合わせることで、モザイクアプローチという手法で簡単に個人は特定されてしまうのだ。

自宅の場所、最寄り駅、学校や勤務先、現在地、行きつけの店などがわかる情報を公開してしまうことで、空き巣被害やストーカー被害など、様々な被害にあうリスクにつながるというわけだ。

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