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  • 2013年01月16日 23:20

安倍首相の東南アジア訪問は「中国包囲網」?

『環球時報』の社説「包围中国?日本人开什么玩笑」がいろいろ興味深かったので、今日はこれについて少し。


1 記事の照会

 最初にいつものとおり記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 安倍首相が本日、首相就任後の初の外遊に出掛けた。訪問先はベトナム、タイとインドネシアで、世界のメディアは緊張する中日関係と結び付けて、「中国を牽制する」ためだと報じており、甚だしきに至っては、「中国を包囲する」というものもある。

 「中国を包囲する?」このようなことを書く者は、自分が何を言っているかわかっていない。日本には偏執狂の様な人がおり、いつも中国を「包囲」できると思っている。日本の政治家にもよく分かっていないものがおり、例えば安倍首相も直接「包囲」とは言っていないが、「自由と繁栄の弧」と言っている。

 先日『産経新聞』は安倍首相の「安保ダイヤモンド」構想を報道していた。つまりオーストラリア、ハワイ、インド、日本がひし形のダイヤモンドの形の「包囲網」をつくるもので、南シナ海の島々や釣魚島もそこに含まれる。『産経新聞』は、海洋上で中国を牽制するためとしている。

 中国は大きくて、日本が現在の中国を「包囲」するというのは、笑い話でしかない。アメリカが入っても無理だ。安倍首相の東南アジア訪問は、中国に危機感をもたらさない。日本は衰えつつある影響力をのこしておきたい。

 アジアに日本があるのは、中国にとって良い事だ。日本は中国がこれからなるであろう、様々な危機を全て早めに経験している。日本は中国をどうこうできず、たとえ中日が交戦しても、日本は中国の望みを打ち破ることはできない。しかし日本は警戒心と刺激をもたらし、中国が発展するとどの様な、外部の抵抗に直面するかを教えている。

 中国は真剣に日本に対処しなくてはならない。中国は日本の「危機感」の圧倒的大部分だが、中国ににとって、日本は危険の一部分にしかすぎない。今日に非常に鋭利になっているが、中国の安全と利益は全方位方で、グローバル化し、我々は「日本を克服する」と同時に、「日本を超越」しなくてはならない。

 もし安倍首相が、主に「中国を牽制する」ために東南アジアに行くのならば、日本は笑いものとなるだろう。何故なら、これは実質的な内容がないことで、誇張でしかないからだ。安倍内閣はそこまで馬鹿ではない。

 中国の反日感情に関連して、我々は落とし穴に落ちないようにしなくてはならない。中国社会の反日感情は「政治的に最も正しい」が故にだが、日本にだけ注意を払って、その他を忘れるようなことがあってはならない。

 中日関係において、今最も焦るべきは日本で、中国ではない。中国はゆっくりと上昇して、強大になり、アジアの政治変化の推進力だ。日本と南シナ海の協議は中国に何も影響を及ぼず、単なる自己満足にしか過ぎない。



2 個人的感想

 馬鹿馬鹿しくてあまり真面目に紹介するつもりの無かったのですが、実はここのところ『環球時報』が異様なほどに『産経新聞』を気にしてるというのが私の感想です。

 実際、数日前にも「中国軍機、相次ぎ領空接近 空自の警告射撃検討」という記事がでると、かなり大々的に取り上げておりました。あくまで「検討」にしかすぎないわけですし、日本の場合いろいろな意見の方がおり、こういうことを考える人がいるというだけの話でしかないわけですが、どうもそうは思わなかったようです。

 こうしたことを見てもわかるとおり、今回の社説では、安倍首相の東南アジア訪問が「何も意味がない」と言っておきながら、私は結構、中国側が気にしているというのが本当のところではないかと思っております。

 本当に気にしていなければ、何もわざわざこの様な社説を書くまでもなく、笑って無視すれば良い話なわけですが(中国で「反日デモ」が起きるだけまだマシ?)、無視できないところが、諸外国が中国をどう見ているか結構気にせざるを得ない中国の現状かと考えます。

 「中国包囲網」という話も日本が言っているということになっておりますが、私は日本より中国の方がこの言葉は広く流布されていると考えております(中国包囲網?日本がミャンマーに進出するのは中国に対抗するため?)。

 実際、今回引用されている『産経新聞』の「東南アジア外交 自由と繁栄で連携強化を」にしても「牽制」はそのまま使われておりましたが、「包囲網」はカギ括弧つきで使われており、日本で本気で「包囲網」を考えている人間がどれだけいるかという話かと思っております。

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