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「18歳意識調査 憲法前文」―読んだ経験がある40%、分かりやすかった17%―

憲法改正を巡る論議がこれまでになく高まりを見せている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態条項創設の是非など、憲法と日常生活の関わりについて国民が考える機会が増えたのが一因と思われる。それでは次代を担う若者は憲法をどう見ているかー。憲法の理念を謳う前文を中心に4月、37回目となる18歳意識調査で17〜19歳1000人の意見を聞いた。

まず、「これまでに憲法前文を読んだ、あるいは読んだ記憶があるか?」。「ある」と「ない」がともに40.1%で並び、残る19.8%は「覚えていない」だった。「ある」の回答者が前文を読んだ時期は中学生の時が55.9%、高校生の時が28.9%、小学生の時が13.2%。さらに全員に前文の内容が分かりやすかったか尋ねたところ、「分かりやすかった」は17.0%に留まり、48.6%は「分かりにくかった」、34.4%は「分からない点がある」と答えた。

学習指導要領は小学6年、中学、高校の社会科授業で憲法を取りあげるよう定めており、調査対象者は授業で憲法を学んで間もない世代。約6割が読んだことがない、覚えていない、と答えているのは、筆者にとって予想外に低い数字。憲法が授業でどう扱われているのか、あらためて気になる結果であった。

前文について全体の8割以上が「分かりにくかった」などとしている点は、かねて指摘されているように、日本国憲法が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)作成の草案をベースにまとめられた影響か、全体に翻訳調で一文が長く、読みづらい文章になっている点に一因があるように思う。自由回答でも、「言い回しが難しく全体的に何が言いたいのかよく分からなかった」、「ひとつの文が長すぎる」などの意見が寄せられた。

このほか、改憲論議の中で出ている「わが国固有の価値としての歴史、伝統、文化等を前文に明記すべき」とする意見に対しては「必要である」が31.1%、「必要ない」が27.1%と分かれ、41.8%は「分からない」と答えた。「必要」とした回答者が「明記すべき」とする項目では、「天皇を国民統合の象徴とした民主的国家であるという国のかたち」(27.0%)、「共生の理念 家族・家庭の大切さ」(22.2%)が上位を占めた。

国の基本である憲法は前文と11章103条から成る。戦後70年以上、護憲、改憲論争が続き、一言一句、手直しすることなく現在に至っている。筆者自身はかねて改憲の立場をとるが、それ以前にまずは、特に国の将来を担う若い人たちに、憲法に対する関心を高めてほしいと思う。

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