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「原発リプレースをエネルギー基本計画に」稲田朋美衆議院議員

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ⒸJapan In-depth編集部

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

自民党「最新型原子力リプレース推進議員連盟」が立ち上がった。

・2050年カーボンニュートラルはもちろん2030年温室効果ガス46%削減という国際公約達成のためにも、原発新増設とリプレースについて議論すべき。

・この夏に改定される「エネルギー基本計画」に反映させたい。

菅首相の「カーボンニュートラル宣言」に続き、日本はバイデン米大統領主催の気候サミットにおいて、2030年度に「温室効果ガスを46%削減(2013年度比)」という国際公約をした。

そうした中、自民党は安倍晋三前総理大臣らが顧問となり、「脱炭素社会実現と国力維持・向上のための最新型原子力リプレース推進議員連盟」を立ち上げた。今回、同議連の会長である稲田朋美衆議院議員に話を聞いた。

■ 議連立ち上げの経緯

稲田: 福島第一原発の事故以来10年間、原発については「原発依存度を可能なかぎり低減」し、「現時点で新増設・リプレイスは想定していない」というのが政府の立場でした。この夏、「エネルギー基本計画」が改定されますが、原子力に関する従来の政府の立ち位置を変えなければ、菅総理が掲げた「2050年カーボンニュートラル」や、「2030年までに温室効果ガス46%削減(2013年比)」という世界からも注目をされている国際公約を達成するのは難しいと言わざるを得ません。

再生可能エネルギーをできる限り活用するといっても、太陽光、洋上風力、水素、どれもそれだけで目標達成するのは非常に難しいでしょう。。安定的な電源である原子力も今度「エネルギー基本計画」にしっかり書いていくべきだと思います。事故から10年経ってそろそろ言うべきではないのかというのが私たちの考えです。原子力発電抜きで達成は難しいと思います。

安倍: 原子力発電を増やさずに目標を達成しようとしたら再エネ導入拡大しかないわけで、これは需要家にとってコスト負担増になるが、青天井でコストが増えると言ったら国民の多くがいやそれはやはり困るという話になるだろう。その辺の説明を政府はきちんとできていない。

稲田: 再エネか原子力ではなくて、両方やらないと達成できないような高い目標です。いままだその見通しもたっていない。元々、2030年で26%減(2013比)を目標としていた時、(エネルギーミックスの中で)原子力の比率は20%~22%でした。それをさらに倍近い目標を立てて、どのように目標を達成していくのか決めていかなければなりません。今の20~22%という比率で達成するのはよほどの工夫がいるのではないでしょうか。2030年はもうすぐそこですからね。

■ 国民負担と海外の動き

再生可能エネルギーの拡大をしていくにあたり、洋上風力発電は将来性があると思います。(地元の)福井県も非常によい風況のところがあり、検討していますが、まだまだ時間はかかります。そういう中で、FIT制度の導入拡大によって2019年度で再エネ賦課金の総額は2.4兆円に達しました。これは消費税1%分です。消費税を1%上げるだけでも大変なことです。ここからまたどんどんコストを上げていくことが、国民に理解されるのかという問題もあります。

さらに産業に与える影響が非常に大きいことです。今、再生の最後のチャンスといわれている半導体業界ですが、非常に電力を使う。これ以上電力コストをかけることは、経済全体や国際競争力にマイナスの影響を与えます。また、ロシアや中国は存在感を示していますし、アメリカも原発推進の方向性を打ち出しているわけです。この10年間、1つの新増設もなくきたわけですが、海外との競争に勝っていくことができないと思います。

▲図 再エネ買取費用総額と賦課金総額の推移 出典:経済産業省

安倍: 日本の国際競争力をそぐことになりかねない。

稲田: そうですね。いま日本経済は崖っぷちといっても過言ではありません。しっかりと経済を前に進めていくためにも、原子力の将来像を示さなければなりません。原子力はなかなか不人気な政策かもしれませんが、しっかり安全性を確認したものは再稼働させる、さらに将来的には最新型のものにリプレースすることを明確にすべきです。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

■ 再稼働の問題

安倍: あと各原子力発電所の安全性向上対策がかなり進んでいることはあまり知られていない。新規制基準に適合し、自治体が同意したところから再稼働を本来進めていくべきだろうが、訴訟が起きたりしてなかなか進まない。

稲田: (再稼働している原発は)現在9基です。ここまで再稼働に長くかかるとは思っていませんでした。新規制基準も世界で最も厳しい水準ですし、避難計画の策定と地元の理解が得られなければなりません。同時に、訴訟リスクもあります。再稼働後に、裁判所による仮処分が認められ、停止を余儀なくされることもあります。高い専門性を有する原子力規制委員会の判断と司法の判断との関係についてのあり方は検討する必要があると思います。

また国策であるエネルギー政策に重大な影響のある訴訟のリスクを民間企業にのみ負わせておくことで良いのかも議論する必要があるでしょう。

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