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教育の術

ある学校で一年間に50件以上の盗難が、主には現金だというのですが、発生しており、首謀者は特定されているものの解決出来ていないという件に接した事があります。学校側が所謂ヤンチャな生徒との距離の取り方を間違っているようでした。

ヤンチャな生徒と上手く人間関係をもっている先生は良い先生と見えるのでしょうか?一見正しいように聞こえますが、良く聞いてみると実は甘やかしているだけでした。彼等が場合によっては犯罪に手を染めた、あるいは染めようとしている場合、阻止出来きていない。「一線を越えて仲良くなってしまう」、「同化してしまう」ということは、事を荒立てないという点では最良の対処法かもしれませんが、臭いものに蓋をしているだけなのです。そして、盗難は無くなりませんし、エスカレートする。周囲の学校に対する不信感は増幅します。実に無責任で安易な対処法です。

教育現場における、「教育の術」の低下が散見されると思います。

親が、社会が、教育現場に求めてはならないものまで求めている現状の中で、世間が騒動する先生の仕事とは、想像以上に現実とかけ離れています。これは、社会教育、家庭教育にも同様に求められる「教育の術」の欠如であり、軽々に学校教育への責任転嫁に限定して済まされてはならない問題だと思っています。

今、社会問題化している体罰についても同様です。体罰という諸刃の剣を使うことのできる術を失っているのだと思います。私も体罰を受けた事があります。しかし、記憶にはありませんがきっと心のケアがあったのだと確信します。前提として、先生と生徒との間に積み重ねられた人間関係があったのだと思います。そして、心のケアは、学校教育に止まらず、家庭教育、社会教育にも存在し、学校教育内で発生した体罰を、家庭が、社会がそれぞれの立場で見守っていた、機能していたのだと思います。

権利と義務、自由と秩序、同じように、体罰と心のケア。両輪でなければなりません。よって、体罰が良いのか悪いのかという議論も、二極対立で考える事は正しくないと思っています。残念ながら今は、家庭が、社会が、自らの術の欠如を棚に上げ、体罰の是非を問うという安直なムードの中、正しい議論を排除しているような気がしてなりません。

同時に私は体罰を推奨しません。体罰なく教育が出来るならば、それに越した事はありません。教育現場は想像以上に我々一般人が認識している事とは大凡かけ離れて疲弊しています。思わず体罰だけに走ってしまう瞬間は数知れないのだと思います。しかし、体罰という教育の術を会得せずこれを使えば、今回のような惨事に繋がるのだと思います。

教育だけではなく、「生きる術」を人として会得出来ているか?これは我々大人にとっても人生の課題だと思います。

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