- 2021年06月06日 10:11
「行政の歪み」の元凶
1/2総務省幹部への新たな接待32名延べ78件が明らかになった。接待を繰り返した東北新社をめぐっては、当時の担当課長が外資規制違反を知りながら処分をしなかった可能性が高いことも認定された。ただし、この調査は、外資規制違反を中心に行われており、それ以外の総務省の有識者会議「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」の報告書の内容が歪められたのではないか、といった疑惑には答えていない。
6月3日には、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表と吉川貴盛元農相が在宅起訴された贈収賄事件を巡り、農林水産省が設置した外部有識者による第三者委員会(座長・井上宏弁護士)が「政策がゆがめられた事実は認められなかった」と結論づけた報告書(以下「報告書」という)が野上浩太郎農相に提出された。
吉川元農水大臣就任以前と養鶏・鶏卵政策が変更されていないというのが根拠だ。しかし、吉川元大臣就任(2018年10月2日)前から、秋田元代表が、行政に影響を与えていたとすればどうだろう。この点について先日農林水産委員会で質問をしたので少し詳しく述べる。
①2018年3月15日、秋田元代表は当時の大野畜産部長にアニマルウェルフェア(以下AWとする)に関する要望書を持参した。そこには、AWに関する採卵鶏の飼養管理指針の改定が「生産者の死活問題」になるので「指針の改定は拙速」に行うべきではなく生産者も検討委員会に加えるようにあった。またこの席で秋田元代表はAWコードの作成をもっと日本がリードすべきと発言した。
②秋田元代表は、この頃以前から、1・2ヶ月に一回程度の頻度で大野畜産部長を訪問し2・3時間面会することがあった。畜産部長の面会が長時間に及ぶとその間、部の業務が停滞することから、養鶏団体を担当していた畜産振興課の伏見課長は、同席し話が長くなるようであれば別室で話を引き取って聞くように努めていた。
関係事業者とはいえ、これだけの時間面会をすることは異常だ。秋田元代表と農林水産省との関係を物語っている。
さらに
③大野部長が退任した際には、秋田元代表、西川元農水大臣、後任の富田畜産部長(当時)が会食をしている(2018年8月2日)が、大野部長は費用負担をしていない。大野元部長は退任後2020年7月に秋田元代表からクルーザーでの接待も受けている。今回明らかになった追加の倫理調査では、これまでの3件に加え2件の秋田元代表を含む会食が新たに明らかになっている。
吉川大臣就任以前から、秋田元代表と農林水産省は深い関係にあったことを伺わせる。
総務省と農林水産省に共通しているのは、監督官庁と事業者が会食などをとおして、国会公務員倫理法施行前と変わらぬズブズブの関係にあるということだ。いわば日常的に「行政が歪められている」状況にある。



