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自民党:「こどもまんなか」改革の実現に向けた緊急決議

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 橋本がくが事務局長を務める、自由民主党「こども・若者」輝く未来創造本部の会合が今日6月3日に行われ、「『こどもまんなか』改革の実現に向けた緊急決議をとりまとめました。決議の内容は下記の通りですので、ぜひご覧ください。この決議はあくまでもスタート地点であり、今後は、この内容の実現に向けて努力を続けます!

「こどもまんなか」改革の実現に向けた緊急決議【全文PDF】

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令和3年6月2日

「こどもまんなか」改革の実現に向けた緊急決議
  
自由民主党 「こども・若者」輝く未来創造本部

 こども・若者を取り巻く状況は、深刻さを増している。児童生徒の自殺者数は過去最悪となり、児童虐待やいじめの問題は益々悪化している。出生数の減少は予想を上回るペースで進行し、人口減少に歯止めがかからない。新型コロナウイルス感染症は、こうした問題をより顕在化させた。

 こうした強い危機感に基づき、自由民主党においては、「こども・若者」輝く未来創造本部を設置した。本部では、「こどもまんなか」という考え方の下、行政や事業者の立場からではなく、こどもの視点、こどもの目線で、こどもたちが生まれる前の段階から、産まれ、育ち、学ぶ、それぞれの段階ごとに光を当て、こども政策を作り直すために議論を進めてきた。

 これまでも政府は様々な少子化対策等を講じているが、残念ながらその成果が表れているとは言い難い。この点は責任与党としても真摯に反省しなければならない。少子化対策担当大臣経験者にもヒアリングを行い、これまでの取組みについての振り返りも行った。この結果も踏まえ、もはや我が国社会の存続が危機的状況にあるという認識の下、こどものための政策のあり方を、抜本的に改革しなければならない。これは政治の責任であり、役割である。

 1996年の省庁再編時には、「国家の4つの機能」として、「国家としての存続機能」「国富の拡大・確保機能」「国民生活保障機能」「教育・文化継承醸成機能」が前提とされていた。まず私たちは、現下の我が国社会の危機に際し、国家の5つ目の機能として「社会の存続支援機能」を加えるべきであると考える。

 具体的には、こどもをまんなかにおき、こどもの権利を尊重し、こどもの命や安全を守る政策を強化する。さらに、家庭、地域、保育所、幼稚園、学校、自治体、さらには親や養育者の就労環境や社会におけるジェンダーギャップ解消への取組みも含め、こどもを取り巻くあらゆる環境も視野にいれる。こうしたこどもの成育、成長過程の全体について、国としての責任の所在を明らかにし、予算や人材といった資源を思い切って投入する。

 そして行政・政治・社会全体に「こどもまんなか」という考え方を浸透させることにより、全てのこどもがすくすく健やかに育ち(愛育)、のびのび学び活動(育成)し、たくましく生きていく力を身につける(成育)ことができる社会を目指す(イメージ図参照)。

図:「こどもまんなか」改革のイメージ

 その成果として、温かい家庭を築きたいと願う人々の想いに寄り添い、長らくの課題である待機児童問題を解消し、児童虐待やいじめはすべて隠すことなく、速やかに対応する。こどもの貧困や、その他こどもが直面するさまざまな課題も解決し、我が国に生まれくる全てのこどもたちの幸福につなげる。

 政府に対しては、「こどもまんなか」の実現に向けた強力な総合調整機能を有する行政組織としてこども庁(仮称)を創設することを含め、下記について「骨太方針2021」に盛り込み、速やかに実現することを求める。

1. こども政策に関するデータ収集分析能力を向上させ、EIPPを確立すること

 深刻化しているこどもの貧困や児童虐待、重大ないじめ、こどもや産後の母親の自殺といった課題に対する行政の対応は、必ずしも成果に繋がっていない。その原因として、こどもに関する施策の立案や実施において、厚生労働省・文部科学省・内閣府などのタテ割りの壁、各省庁・各都道府県・各市町村のヨコ割りの壁、さらには妊娠・出産・産後や、就学前後、成人前後に見られる年代割りの壁があり、こどもや家庭の目線に立った相互の連携や情報共有、評価などを困難にしていることが指摘されている。

 こどもを取り巻く喫緊の課題に迅速かつ適切に対応するためには、そうした課題に関するデータの収集、分析能力を飛躍的に向上させ、統計を充実させるとともに、これをPDCAに確実に活かし、エビデンスに基づく政策立案と実践(EIPP: Evidence Informed Policy and Practice)を確立することが必要である。政府の施策の改善に活用するのみならず、こどもに身近な自治体や施設のレベルにまで適切にフィードバックする体制を構築しなければならない。この実現に向けては、イギリスにおける教育水準監査局(Ofsted: Office for Standards in Education) の取組み等を研究すべきである。

 また、「こどもまんなか」実現に向け、こどもの視点からの施策の展開および評価ができるよう、こどもやケアリーバー(社会的養護経験者)など当事者から直接意見を聴くため、こども会議やこどもヒアリング、こどもコミッショナー等といった手法を含めて検討すべきである。また、子育て中の保護者をはじめこどもの周囲の方々の意見を聴き施策に活かす方策も検討する。

2. こどもや子育て世代が抱える様々な課題(注) に早急に対応すること

 女性の健康、結婚、妊娠・出産、産後ケア、そしてこどもの成育過程までを含むすべての段階において、こども、女性、男性、子育て世帯への包括的な支援を充実させる。不妊治療の保険収載や支援拡充を図る。産後ケア事業の全国展開や普及啓発等を通じ、こどもとその保護者等(里親を含む)との間の愛着の形成を促進する。男女が望むだけのこどもを持ち、女性が安心してこどもを産めるよう、家事育児の分担や仕事と家庭との両立など、あらゆる障害を取り除くための政策を強化する。母親に限らず、父親を含め身近な養育者への支援も必要であることについて、社会全体で理解を深めていく。

 外あそびの環境整備やさまざまな体験活動の推進を通じ、こどもがのびのびと遊び、学ぶことができる環境を充実させる。待機児童問題を解消する。幼稚園、保育所、認定こども園の施設類型や、それらに通っていないこどもも含め、就学時の学力や育ちの格差を生じさせず、全体として底上げする方策を検討する。

 こどもの貧困、児童虐待、重大ないじめ、自殺、孤独・孤立などこどもが抱える課題は早急に解決を目指すべきである。さらにこれらの課題が結果的に教育格差につながるとともに、教育格差が新たな問題を生む負のスパイラルの要因ともなる。これを断ち切るためには、全てのこどもに教育および福祉の政策の効果を行き渡らせなければならない。

 まず学校現場において、課題を抱える児童に対するチームアプローチ、アウトリーチ、ICTやAIを活用したアプローチを導入するほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの育成と配置を急ぎ、予防、早期発見、相談・支援の充実などにより、より実効的にこどもの悩みなどの解決につながるような取組みを促進する。それらにより、学校の教員が教育そのものにより専念できるようにする。同時に、児童相談所を含めたこどもや家庭等の福祉的な支援体制を抜本的に充実強化すべきであり、自治体や現場を含めた人員・体制を強化する。現場におけるさまざまな相談窓口を連携させ、ワンストップで必要な支援に繋げられる体制を目指す。また、不登校やひきこもりへの支援の拡充、放課後児童クラブおよび放課後子供教室の一層の連携と充実等の「小一の壁」対策の推進、こどもの安全を守るためのスクールバスの導入促進、包括的な家族政策の充実、こども食堂・こども宅食への支援の充実やあらゆる場や機会に応じた食育の充実、ヤングケアラーの支援のため相談や支援体制の充実、当事者やこどもの意見を専門的な見地から聞くアドボケイトの導入など一時保護の見直し等を図るべきである。

 こうした課題の解決に向けては、NPOをはじめ民間法人の工夫を活かすことも考慮すべきである。

 欧米の先進事例を踏まえ、こどもを性犯罪から守るための府省庁横断的な日本版DBS(無犯罪証明書:Disclosure and Barring Service)等の導入や、こどもの死因の究明を行い事故等の予防につなげるためのCDR(Child Death Review)の導入、ネウボラ等について早急に検討する。

 また出産前から妊婦に寄り添うLMC(Lead Maternity Carer)の導入、小児のホスピス、包括的性教育(CSE: Comprehensive Sexuality Education)といった事例についても参考にすべきである。

(注:詳細は、Children Firstの子ども行政のあり方勉強会「こども庁創設に向けた第二次提言 ~Children First社会の実現に向けて~(令和3年5月28日)」中、「Ⅲ.『こども庁』が対象とすべき課題」も参照のこと。)

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