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「継続は力なりのウソ」仕事ができる人ほど"無駄な努力"にさっさと終止符を打てるワケ

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成功する人ほどあきらめが早い。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんはそう指摘します。「彼らはコロナ禍の初期に閉店や撤退を決意し、最近は新店オープンや新事業の報告が多くなっています」。なぜ成功者たちは、さっさとあきらめてしまえるのでしょうか――。

伸びをする女性※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Chinnapong

今年に入って、攻めの投稿が増えた富裕層たち

私は多くの起業家や経営者、富裕層とSNSでつながっているのですが、このコロナ禍で気付いたことがあります。

それは、コロナの影響を直撃した人の多くは、「あきらめが速い」「変わり身が速い」という点です。

2020年の早いタイミングで、「閉店します」「撤退します」「損切りします」という投稿が相次いだと思ったら、昨今は「新店オープンしました」「通販事業を始めました」「いまこれに投資しています」と攻める投稿が増えているからです。

なぜいち早くあきらめられるのか

たとえばある飲食店経営者は、都心の家賃が高額な大箱の店舗を閉じ、住宅街にある既存店を改装するなど選択と集中に舵を切りました。

借りていたセミナールームを解約し、完全オンラインに切り替えた人もいます。

インバウンド需要に依存していた外貨両替機を売却したり、ゲストハウスをワーケーション施設やコワーキングスペースに改装した人もいます。

富裕層が持っている能力のひとつに、自分が置かれた状況を冷静に把握・認識して、自分がやっていることや向かっている方向が適切でないかもしれないと気がつくこと、そして素早く切り替える力があります。

その中で当然ながら「あきらめる」という判断を迫られることがあるわけですが、ではなぜ彼らは、いち早くあきらめることができるのか、既存の事業に執着せず方向転換できるのか。

あきらめないことを美化する傾向は危険

一般的に「あきらめる」には、無念さ、苦しさ、みじめさ、挫折、夢破れて撤退、といった苦渋に満ちた敗北のイメージがあります。

また「あきらめた人」には、無能、意志が弱い、根性なし、無責任、などというダメ人間のイメージがあります。

一方、「継続は力なり」「あきらめたらそこで試合終了だよ」「石の上にも3年」「初志貫徹」などの言葉が私たちを縛ります。努力という名の宗教が、社会的な圧力をかけているようにすら感じます。

あきらめずに成し遂げたという美談ばかりが強調され、あきらめて大成したという話はあまり出てこないように、とくに日本では「あきらめないこと」「がんばれば報われる」という価値観が主流です。

それでがんじがらめになったり、行き詰まったり、先行きが見えなくなったり、プレッシャーに悩まされたりすることは、おそらく多くの人が経験してきていると思います。

無駄な努力に終止符を打つ

しかし富裕層が持つ「あきらめる」はちょっと違います。

「あきらめる」とは「効率の悪さへの自覚」であり、無駄な努力に終止符を打つことです。

そう自覚するためには、自分の見栄やプライド、固定観念を排して機動的かつ柔軟に認識する必要があります。がんばることや継続することは手段であって目的ではないことに気づける力。その目的すらも、もっと先にある真の目的に合致しているか、そのつど点検できる力です。

つまり彼らは事業を投げ出したのではなく、「あきらめて」「方向転換した」のです。

机の上のメモ帳※写真はイメージです - 写真=iStock.com/HAKINMHAN

投げ出すことは単に自暴自棄、思考停止による責任放棄ですが、あきらめることは優先順位をつけて見切りをつけることです。

「あきらめる」というのは、もとは仏教用語で、「明らかにする」が語源だという説を聞いたことがあります。挫折や敗北、軽蔑の対象という意味ではなかったようです。

つまりあきらめるとは、執着からの解放であり気持ちを切り替えること、自分にとって大切でないものを捨て、より大切なものを選ぶ決断術というわけです。

あきらめないことは思考停止の一種

このように、「ここらであきらめたほうがいいかもしれない」と判断できれば、冷静に考えることができるようになります。

たとえば資金があるうちに従業員に割増退職金を支払って円満に退職してもらったり、もっと家賃の安い事務所に引っ越したりなど、打てる手はいくつか残されます。

一方あきらめきれずに粘るのは、合理性よりも単に本人の意地の問題で、思考停止しているだけのことがあります。この先どうがんばっても業績が改善する見通しは立たないのに事業を継続することに執着してし まうと、それ以外の選択肢が見えなくなります。

継続することにしがみついている間にお金が尽きていき、お金がない焦りでさらに冷静さを失います。ズルズルと資金は減り、割増退職金を出す余裕もなく、引っ越し費用すら賄えなくなり、身動きがとれなくなります。

事態は悪化の一途をたどり、もはや選べる手段がなく、どうにもならない。そして最終的には「投げ出す」、つまり倒産や夜逃げです。

その結果、周囲に迷惑をかけ、どん底に陥るのは珍しいことではありません。

あきらめれば客観的になれますが、あきらめないと冷静さを失いやすいのです。

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