記事

民主党の失敗の本質Ⅲー政策決定プロセスの迷走

動態的憲法研究会で、これこそが民主党の失敗の元凶だと思うような文書を読んだ。

2009年9月18日決定という日付が振ってあるから鳩山内閣誕生直後の文書である。
誰が起案したのか分からないが、今改めてこの文書を読むと、ずいぶん稚拙なことが書いてある。
こんなことを何故文書にしたのだろうか、と不思議になるが、当時の民主党ではこういう文書を作らなければならない特別の事情があったのだろう。
愚かなことをしたものである。
愚かなことを仕出かしたものだから、結局この文書をその後何度も手直しするという結果に陥った。

その後4回にわたって手直しが図られているようだ。
民主党の政策決定プロセスの迷走ぶりがこれだけで良く分かる。

文書名:政府・与党一元化における政策の決定について

1 民主党は、「次の内閣」を中心とする政策調査会の機能を全て政府(=内閣)に移行した。即ち、
① 一般行政に関する議論と決定は、政府の責任で行う。従って、それに係る法律案の提出は内閣の責任で政府提案として行う。
② 選挙・国会等、議員の政治活動に係る、優れて政治的な問題については、党で議論し、役員会で決定する。その決定にあたっては、必要に応じて常任幹事会あるいは議員総会で広く意見交換を行う。従って、それに係る法律案の提出は、党の責任で議員提案として行う。

2 各省政策会議
① 副大臣が主催し、与党委員会所属議員(連立各党)が参加する。その他与党議員も参加可能とする。
② 政府案を政府側から説明し、与党議員と意見交換する。
③ 与党議員からの政策提案を受ける。
④ 提案・意見を聞き、副大臣の責任で大臣に報告する。
⑤ 政府の会議として、議事録要旨の公開など透明性を確保する。
⑥ 政府の会議なので、団体ヒヤリング等については、対象の選定基準と与党議員の発言に、特に留意する必要がある。
⑦ 部門会議は設置しない。
⑧ 運営の充実を図るため、以下の点に留意する。
 ・政策会議での議論、なかんづく与党議員からの建設的意見・提案の活発化を促すために、政務三役は衆・参関係委員会の筆頭理事等をコアメンバーとして、少人数で日程・議題等について密接に協議する枠組みを設ける。
 ・各省にまたがる政策課題の場合、合同政策会議を弾力的に開催する。
 ・議論の節目において必要があると判断した場合には、閣僚も弾力的に出席する。

(以下、略)

党に部門会議が置かれないことになった、というのが決定的な失敗であった。

これで、党自体には何らの政策審議機関、政策決定機関がないことになり、政務三役に選ばれなかった民主党の平の国会議員は各省政策会議に出席して勉強し、あるいは時に意見を言うことが出来るだけの存在になってしまったのである。

勿論こんなことが党側にいる実力者に通じるはずがないから、この文書はあくまで内閣側の建前、内閣にとって一番都合のいい方式を書いただけの文書なのだが、当選直後の若い国会議員にはこの文書は絶対的に効力を持っただろうと思う。
自分たちがどんな立派なことを言っても聞き置くだけ、せいぜいが副大臣が大臣に報告するだけで終わる、ということだ。

これが、民主党から若い国会議員を育てる場が失われたことを示す決定的な文書である。

誰がこんなシステムを考え出したのか不思議でならない。
鳩山内閣が党の介入をれたためにこういうシステムを考え出したのだとしたら、鳩山総理にとって民主党は本当ははじめから邪魔な存在だった、ということだろうか。

あわせて読みたい

「民主党」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ベガルタ選手 交際相手DVで逮捕

    SmartFLASH

  2. 2

    淡々とデマ正した毎日新聞は貴重

    文春オンライン

  3. 3

    ウイグル弾圧をルポ 朝日に評価

    BLOGOS しらべる部

  4. 4

    学術会議の任命拒否 説明は困難

    非国民通信

  5. 5

    岸防衛相の長男 フジ退社で衝撃

    文春オンライン

  6. 6

    米山元知事が橋下氏の煽動に苦言

    SmartFLASH

  7. 7

    コロナで潰れる「強みのない店」

    中川寛子

  8. 8

    任命拒否 背景に大学への不信感

    PRESIDENT Online

  9. 9

    GACKT お金と違い時間は戻らない

    かさこ

  10. 10

    高齢者は貯蓄 現金給付改善せよ

    永江一石

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。