記事

トヨタ厳しい環境の中で首位再奪還

2012年の世界販売台数でトヨタがGMを抜き、二年ぶりに首位奪還を果たします。北米でのGM保護政策としか思えないプリウスへの嫌がらせ、また東北大震災によるサプライチェーンの深刻な打撃やタイ洪水による生産制限、さらに尖閣問題で起こった中国での日本車襲撃や不買運動と四面楚歌の様相だっただけに久々の明るい話題です。

いまや世界市場では、家電が総崩れとなり、ブランド力を保っているのは自動車産業だけといっていい状態です。2012年のインターブランド社によるブランドランキングで、トヨタが10位、ホンダが21 位ですが、50位以内には30位のキャノン、40位のSONYがやっとはいってくるというお寒い状態です。

その自動車産業も、トヨタ、GM、ワーゲン・グループ、日産・ルノー・グループが激しく世界市場での販売台数をめぐる首位を争い、韓国の現代がひたひたと迫ってきている激戦が繰り広げられています。

最も勢いのあるのがワーゲン・グループで、「Strategy 2018」を掲げ、2018年までにトヨタを抜いて1,000万台を超える販売台数を達成し、世界No1の自動車メーカーになると宣言してはばかりません。実際、この数年は販売台数を二桁で伸ばしてきたし、また世界市場での多様なニーズに合わせていくことを視野に入れて、「共通化をさらに進めるべきところ」と「個々のクルマで自由度が得られるべきところ」を分けて追求する生産革命にチャレンジしていることも注目されているところです。
プラットホーム方式の先を行くフォルクスワーゲンの新構想「MQB」 :

自動車産業をめぐる環境変化では、アメリカでシェールガス、シェールオイル革命が起こったために、またアメリカがガソリン垂れ流しの時代に後戻りするかもしれません。しかしそれは世界の潮流とはかけはなれている話で、GMの開発力を削ぎ、アメリカの自動車産業のガラパゴス化を招きかねません。

さて自動車市場でいまや最大の消費地は中国です。伸びは鈍化してきたとはいえ、中国が重要な市場の焦点であることは否定できません。ちなみに2011年の市場規模は、中国がおよそ1,850万台、アメリカが1,300万台、続いては日本が420万台で、まだまだブラジルやインドなどの新興市場は規模が大きいとはいえません。その中国市場で、石原元都知事や野田総理の拙い政治ゲームで中国での反日運動に一挙に火がつき、日本企業は大きな打撃を受けました。自動車産業の被害がもっとも大きかったかもしれません。互いの政治が経済の足を引っ張ったという不幸です。

今は日本車を排斥している中国ですが、いつまでこの状態が続くのでしょうか。しかし冷静に考えれば、中国はガソリンは輸入に頼っているうえ、しかも環境汚染がどんどん進んできており、放置できない状態にまでなってきています。つまり中国こそハイブリット車や電気自動車が求められている国で、現実的にはそれを実現する技術を持っているのは日本の自動車産業です。自動車産業に限らず、中国も日本も相互依存しあっているのが現実で、今の状態は両国共に利益になりません。
中国大気汚染、最も強い警報発令 北京市当局 - 47NEWS(よんななニュース) :

ほんのすこしとはいえ、日本製品への不買心理も緩んできているようですが、まだまだ回復には遠い状況です。
Business Media 誠:不買運動も一段落? 中国人の日本製品購入意向が好転 :

ただ、関係改善が必要という認識は双方の国民にも共通しており、また双方ともに政権交代というリセットの好機を得たために、日中双方で関係改善にむかう外交努力が行われるものとは思います。しかし政治がもたらすリスクはまたいつやってくるかわかりません。むしろ中国以外の市場を育てていくことが、長期的に見れば日本の自動車産業の将来を盤石にするのかもしれません。

あわせて読みたい

「自動車」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ベガルタ選手 交際相手DVで逮捕

    SmartFLASH

  2. 2

    淡々とデマ正した毎日新聞は貴重

    文春オンライン

  3. 3

    学術会議の任命拒否 説明は困難

    非国民通信

  4. 4

    ウイグル弾圧をルポ 朝日に評価

    BLOGOS しらべる部

  5. 5

    岸防衛相の長男 フジ退社で衝撃

    文春オンライン

  6. 6

    米山元知事が橋下氏の煽動に苦言

    SmartFLASH

  7. 7

    GACKT お金と違い時間は戻らない

    かさこ

  8. 8

    高齢者は貯蓄 現金給付改善せよ

    永江一石

  9. 9

    「特攻」冬の発熱対応に医師嘆き

    中村ゆきつぐ

  10. 10

    コロナで潰れる「強みのない店」

    中川寛子

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。