- 2021年06月08日 08:14
『ゴッドタン』 『あちこちオードリー』を手がける佐久間プロデューサーのテレ東式仕事術「できないことはやらない。できることを伸ばす」
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放送作家の深田憲作です。 今回は、今、最も影響力を持つテレビバラエティの演出家、元テレビ東京局員・佐久間宣行さんについて書いてみたいと思います。
YouTubeで人気の「本要約チャンネル」を“テレビマンの本でやってみるコラム”の第5弾です。
これまで『水曜日のダウンタウン』を演出するTBS局員・藤井健太郎さん、『マジカル頭脳パワー‼』『エンタの神様』などを演出してきた元日本テレビ局員・五味一男さん、映画『おくりびと』の脚本や『くまモン』の生みの親として知られる放送作家・小山薫堂さん、『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』『テレビ千鳥』などを演出するテレビ朝日局員・加地倫三さんについて書かせていただきました。
今回は佐久間宣行さんの『できないことはやりません~テレ東的開き直り仕事術~』という本を取り上げます。
佐久間さんは『ゴッドタン』『あちこちオードリー~春日の店あいてますよ~』といった番組を手掛け、『オールナイトニッポン0』で水曜パーソナリティーを務めるなど、テレビ東京を代表する名物社員でした。
この春でテレビ東京を退社されたので「でした」という表現になっていますが、『ゴッドタン』などの担当番組は退社後も変わらず制作に関わっています。
王道ではなくスキマを狙ったテレビ東京のゲリラ戦法

ラジオでパーソナリティーを務め、テレビ東京在局時から他局の番組にも幾度となく出演。ツイッターのフォロワー数は約25万人と、現役テレビマンでは最も知名度と影響力を持った人物ではないかと思います。 (テレビマンの知名度はフォロワー数のみで測れるものではありませんが、参考までに、有名放送作家の鈴木おさむさんのツイッターのフォロワー数は約10万人。このことからも佐久間さんの知名度の高さが窺えます)
テレビの演出家で世間一般にその存在が知られている代表格といえばテリー伊藤さんだと思いますが、30代以下の人には「演出家」というよりも「タレント」「コメンテーター」として認識されているかもしれません。
ただ、テリー伊藤さんは制作会社の演出家だったため、テレビ局員でこれほどまでに世間からの認知を獲得した演出家は過去に類を見ないのではないでしょうか。
ちなみに、この『できないことはやりません~テレ東的開き直り仕事術~』という本は2014年に出版されたもの。タイトルからも分かるように、在京の民放キー局において視聴率面では“弱者”とされるテレビ東京で番組作りをしてきた人だからこその考え方や仕事術が書き記されており、よほどの一流企業に勤めているか、エリート街道を歩んできた人以外には学びになる内容となっています。
テレビ東京の歴史についてはここでは割愛しますが、民放キー局では最後発で誕生したテレビ東京は他局に比べて事業規模が小さく、佐久間さん曰く「総制作費は他局の10分の1程度」とのこと。「他局が数千万円かけて作った番組とテレ東が500万円で作った番組が同じ時間帯に並んでしまう」という資金面の劣勢ぶりを綴っています。
しかし、だからこそテレビ東京は王道ではなくスキマを狙ったゲリラ戦法が得意で、「お金がないなら企画や内容で勝負」とオリジナリティで勝負する精神が社員のDNAに備わっているといいます。
そのため、『TVチャンピオン』『開運!なんでも鑑定団』『田舎に泊まろう!』『YOUは何しに日本へ?』『出没!アド街ック天国』といった歴代のテレビ東京の人気番組は芸能人ではなく、一般人をメインに起用した番組ばかり。
高いギャラが発生する芸能人ではなく、一般人の方でいかに番組を面白くするかということに注力してきた結果と言えると思います。
ちなみに佐久間さんが初めてディレクターとして担当した番組が『TVチャンピオン』だそうです。
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