記事

「政治家」という職業は、ハードルが高いものであってはならない~杉村太蔵×宇佐美典也対談~

1/2
現在はタレントとして活動する杉村太蔵氏(撮影:大谷広太)
現在はタレントとして活動する杉村太蔵氏(撮影:大谷広太) 写真一覧
自民党の圧勝で幕を閉じた昨年の衆議院総選挙。今回の選挙では180人以上の新人議員が当選を果たしたが、彼らは国会でどのような役割を果たすことができるのだろうか。「国会議員」という職業の在り方について、26歳の若さで国会議員という職業を経験した杉村太蔵氏と先日経産省を退官したばかりの元官僚・宇佐美典也氏の2人による対談を行った。【取材・構成:BLOGOS編集部】

感覚的に議員というのが”特別”なんでしょうね


宇佐美:杉村さんって20代半ばで突然議員になられましたけど、視聴者のひとりとして政治を見ていた時と、実際に議員をやられていた時、そして議員を辞めたあとと、報道や政治に対して見方が変わったとか、実態とは随分違うと感じたとか、そういうことはありますか。

杉村:んー、そんな質問から入るの。その話、面白いのかなあ(笑)。まあいいや。なんて言うんだろう。僕からすると、そういう話ははっきり言って「くだらない」んです。たとえば、「元々出版社に勤めていました、今は小売に転職しています」という人に、「あの時、出版会社に入ってどうでしたか、3年間どうでしたか、辞められたけど今どうですか」と尋ねるのと同じなんですよね。ただそれだけみなさんにとって、感覚的に議員というのが”特別”なんでしょうね。

だけど僕自身の感覚だと、あんまり前の仕事のことは考えないんですよ。普通、相手が前に何の仕事やってたか、そんなこと気にしないじゃない。宇佐美さんはそれを僕に聞いているわけですよ。

僕の中では、議員の約4年間も確かに一生懸命やった。でも、大学卒業後の清掃員の仕事も一生懸命やった。ドイツ証券勤務時代も一生懸命やった。さらに言えば、学生時代の僕は、キャバクラで副店長になって、店の仕切りとか女の子の送迎なんかもやってたんだけど、それも一生懸命やった。今出演している「ナニコレ珍百景」(テレビ朝日系列)も、めちゃくちゃ一生懸命やってるわけ。だから、自分の中でばーっとフラットに並べてみて、これが特別な時期で、これがそうじゃなくて、っていうのも別にないわけだよね。

議員には、”日本を豊かな国にしたい”という目的があって挑戦しましたけど、衆議院議員480人のうちの1人と、今みたいにテレビに出てしゃべったりするのと、どっちが影響力があるかも分からないですよね、はっきり言って。

よくね、「(議員に)戻りたいんですか」と、戻りたい前提で世間は質問するでしょ。でも、あの仕事は結構窮屈で大変なんですよ。経済的な面で言うと、今のほうが何倍もいいですし、時間の使い方も今の方がはるかに自由。例えば明日メキシコ行くって言ったって、行けるわけだし。衆議院議員だと、韓国行くのでもいちいち議長の許可がいるでしょう。大変ですよ、あの仕事は。うまみのある仕事でもなんでもないですからね。ただ、世の中を本気で変えようとか、国を本当に良くしようとか、そう思うんだったら、それが出来る仕事ですよね。そうじゃなくて、ただ女房と子どもを食わしていくとか、好きなところ行ったりするというのなら、今の方が遥かにいいんですよ。

宇佐美:なるほど。そうですよね。確かに政治家って家業のように代々受け継がれたり、一度議員になったら選挙に出続けたり、と継続するのが当たり前と思い込んでいるところがありました。でも職業のひとつと考えれば、出たり入ったりがあって当たり前ですよね。

杉村:僕もそれでいいと思うのよ。例えばね、郵政解散っていうのは金融解散でしたよね。そういう時には金融に関する知識をたくさん持った人が国会にいればいい。時期によって大事な政治テーマは変わっていくんですからそれを議論する政治家も変わって当たり前ですよね。逆に連続当選5回にもなれば、その人の持っているノウハウとかアイデアは、もう十分に出し切っちゃってるはずなんですよ。

最近、総理大臣になる人の当選回数が減ってきましたよね。昔なんか、5回程度だったら初入閣くらいですよ。でも野田さんは5回でしょ。安倍さんも5回、福田さんも6回だった。何回も当選して、大臣もやってもさ、それでも絶対に総理にはなれない人っているじゃない。そういう人は辞めたほうがいいよね。

宇佐美:その人には他で生きる場所があるし、もっと新陳代謝して入れ替わるべきだと。

杉村:そんな気がするけどね。石原(慎太郎)さんも、悪口を言うわけじゃないけどさ、20年以上国会議員やって、13年都知事やって、それでも「やり残したことがある」と言われても辛いところがあるよね。

とにかく、みんな”覚悟”とか何とか言ってるけど、本当はいろんな知識を持った人が政治の世界に入ってくるべきだし、そのためには政治というものはハードルが高いものであってはいけないと思うんだよね。

だから、政治ってものを特別に考えて議員になるためにどっかの政経塾に通っちゃうような人は大嫌い(笑)。それからね、選挙になったら自転車乗る奴。あれも信用出来ないなあ。

それから、選挙期間中にコロッケ食べてうまいっていう奴。これ、普段からコロッケ食べてないから、美味いっていうんだよ。この3つは有権者に見抜いてほしい。第一、国会議事堂に駐輪場ってないじゃん?議員の駐輪場って。普段からチャリンコ乗っていくならいいよ。見たことないですもん。選挙期間中だけ旗立ててさ、嫌だね、ああいう候補者は。

宇佐美:(笑)。

あわせて読みたい

「衆議院選挙2012」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    京都大学がGW10連休を「無視」か

    川北英隆

  2. 2

    韓国の親日美人議員を北が罵倒

    高英起

  3. 3

    安倍首相による平和賞推薦に疑問

    舛添要一

  4. 4

    統計不正は森友と同じ忖度行政

    岸本周平

  5. 5

    辺野古の賛否問う県民投票に疑問

    MAG2 NEWS

  6. 6

    日本=悪者 韓国のフェイク教育

    NEWSポストセブン

  7. 7

    林修 ブレイク6年目も消えない訳

    文春オンライン

  8. 8

    「ダメ、ゼッタイ。」が生む偏見

    WEDGE Infinity

  9. 9

    コメ生産で日本の技術求める中国

    WEDGE Infinity

  10. 10

    医師と患者で差「完治」の解釈

    中村ゆきつぐ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。