記事

批判から1年 山田孝之が今バラエティに引く手あまたの理由

バラエティでの活躍が目立つ山田孝之

 普段はテレビにほとんど出ない俳優・山田孝之(37才)が今、バラエティ番組に出まくっている。山田といえば昨年、来県自粛が呼びかけられる中での沖縄旅行でバッシングを受けたことが記憶に新しい。その山田が、今バラエティに求められる理由とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

【写真】無精髭がワイルドな山田孝之。スーツ姿で男っぽい雰囲気が漂う

 * * *
 30日夜、『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系)のメインコーナー「インタビュアー林修」に山田孝之さんがゲスト出演します。対談後に山田さんが「これを見れば今の山田孝之は全てわかる」と話すほど、役作り、作品への思い、葛藤や苦悩などを語り尽くしたというだけに、放送後はネット上に反響が飛び交うでしょう。

 ただ、注目すべきはこのところ山田さんがこの番組だけでなく、バラエティへの出演が続いていること。12日の『あいつ今何してる?』(テレビ朝日系)、15日の『99人の壁』(フジテレビ系)、19日の『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演。週明けにも6月1日に『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)、4日に『A-Studio+』(TBS系)への出演が予定されています。

 驚かされるのは、トーク、ドキュメント、クイズ、占い、ネタと、さまざまなジャンルのバラエティに出演していること。主演映画『はるヲうるひと』のPRという目的こそあるものの、『99人の壁』ではドラゴンボールへの熱烈な愛を語り、『突然ですが占ってもいいですか?』では占いの結果にハイテンションで喜び、さらに『日曜日の初耳学』では役者論や苦悩を吐露し、『ウチのガヤがすみません!』ではTT兄弟になることが明かされているなど、番宣の枠を超えて全力で楽しむ姿勢がうかがえます。

 山田さんと言えば、ちょうど1年前、来県自粛が呼びかけられる中、沖縄旅行をしたことで猛烈なバッシングを受けてしまいました。1年が過ぎた今なお緊急事態宣言が発出される緊迫した状況が続く中、なぜ山田さんはこれほどバラエティに引く手あまたなのでしょうか。

騒動後の冷却期間と1月の好反応

 批判を浴びた1年前から現在まで、山田さんの活動は主に映画と舞台で民放のドラマには出演していません。そのため露出は限定的であり、いわゆる“活動自粛”と似た状態になっていました。そのため時間の経過とともに、ヒートアップしていた人々の熱が下がり、「バラエティの単発出演なら問題ないのではないか」というムードが生まれはじめていたのです。

 さらに年が明けた今年1月、山田さんは全力でバラエティを楽しむ姿を見せて、視聴者の心をグッとつかんでいきました。1月10日の『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)ではシソンヌ・長谷川忍さんとのコラボ宴会芸を披露し、1月18日の『有吉ゼミ』(日本テレビ系)では辛いものが得意ではないにも関わらず悶絶しながら超激辛グルメを完食。1月23日の『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)でも、あざとい女子たちのVTRに大興奮で絶叫するなどのハジけた姿を見せて番組を盛り上げました。

 1年前に猛批判を受けたあと、ほぼ沈黙の期間があり、1月の反応も上々だったことが、現在の出演ラッシュと好意的な反応につながっているのでしょう。もともとバラエティ制作サイドの山田さんに対する期待値は高く、「出るからには思い切り楽しんでくれる」「リアクションが面白い」「何かやってくれそうなオーラがある」などと見られていました。

一方、実際にバラエティ出演している山田さんを見た視聴者も、気取ることなく無邪気に楽しむ姿を見て笑いを誘われてしまうのです。『日曜日の初耳学』にスタジオゲストとして出演し、山田さんのインタビューを聞いた同じ俳優の矢田亜希子さんが、「ここまで本音で話せる役者さんはいないと思います」と驚いていました。このコメントは、山田さんが番宣出演の俳優にありがちな引いたスタンスを取らず、しっかり向き合って楽しもうとしていることを物語っています。

今後はテレビ出演そのものが減るか

 ただこれは多くの人々が山田さんの本業である俳優としての凄さを知っているからこそ。「あれだけ演技がうまいのだから、これくらいのことはまあいいか」「嫌いになりかけたけど、見るとやっぱり凄い」という気持ちがあるから、バラエティを全力で楽しむ姿が面白く見えるのです。

 6月、山田さんは主演映画『はるヲうるひと』が公開され、主演ドラマ『全裸監督2』(Netflix)が配信。表現の自主規制やスポンサーへの配慮などの制約が少なく、クオリティ・ファーストで勝負できるコンテンツに俳優として対峙しているからこそ、バラエティを楽しむ姿が魅力的に映るのではないでしょうか。

 山田さんは「1年前の騒動があってもけっきょく気になってしまう」「見たらやっぱり笑ってしまう」というキャラクターであり、だから多少の懸念はあったとしても、テレビマンはバラエティに出てもらいたいし、視聴者はそれを見たいと思うのでしょう。今年以降、俳優業のペースを落としていくことを明言しているだけに、バラエティで見せる姿は、より貴重なものになっていきそうです。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

あわせて読みたい

「山田孝之」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    河野大臣がワクチンめぐるデマ流布に言及 不妊については「科学的根拠がない」

    河野太郎

    06月24日 11:12

  2. 2

    ウガンダ選手団2人目の陽性者の持つ意味

    大串博志

    06月24日 08:11

  3. 3

    安倍政権下でおかしくなった霞が関 自民党の良心は失われてしまったのか

    早川忠孝

    06月24日 08:39

  4. 4

    平井大臣の発言を文春が捏造か 内閣官房が公開した音声には企業名なし

    和田政宗

    06月23日 12:48

  5. 5

    菅内閣が「無観客五輪開催」を絶対に避けたい理由

    田原総一朗

    06月23日 16:02

  6. 6

    昭和の頑固オヤジ!JASRACと闘い続けた小林亜星さん

    渡邉裕二

    06月23日 08:04

  7. 7

    関係者・スポンサーに忖度ばかりの五輪・パラリンピックは「古き自民党政治」の象徴か

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月24日 09:26

  8. 8

    軽自動車はEV化で高価格に 「交通弱者」が増加するいま改めて考えたい軽自動車の役割

    森口将之

    06月23日 10:51

  9. 9

    菅内閣支持率最低に 短命政権の可能性強まる

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

    06月23日 17:13

  10. 10

    ワクチン不足で職域接種の新規受付を一時停止へ「可能配送量の上限に」 河野大臣

    ABEMA TIMES

    06月23日 21:39

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。