- 2021年05月25日 16:07
コロナワクチン 英国ではどうやっている? 体験者の視点から
1/2日本でも新型コロナワクチンの接種が本格的に開始されたが、予約段階での問題が指摘されている。
東京に住む母に電話をすると、「予約用電話がつながらない」、「ウェブサイトで申し込もうとしたら、途中で画面が止まった」、「誰に聞いても、回答を得られない」など、不満を伝えられた。
筆者の友人のフェイスブックでの投稿を見ると、「ウェブサイトで簡単に予約できた」という声がある一方で、「高齢の親のために電話予約をしようとしたが、うまくいかなかった」という人もいた。
日本のワクチン接種状況が「遅い」とした場合、その理由は何なのか。ワクチン開発段階からさかのぼって、NHKが詳しいリポート記事を出している。
接種体験者として、英国では具体的にどのように行われているのかを紹介してみたい。少しでもご参考になれば、幸いである。
成人人口の約70%が接種済み
その前に、まず現状の把握だが、英政府が毎日発表するコロナ関連のデータによると、人口約6700万人(日本の約半分)で、1回目の接種を終えた人は約3800万人(2回目まで終えた人は約2200万人)。18歳以上の成人人口の中で、72.3%が少なくとも1回目を接種済みだ。

優先順位は高齢者から、5歳毎に区切った
誰から先に接種するべきか。免疫学者を中心とした、政府にアドバイスをする組織「JCVI」が優先順位のリストを作り、これに沿って接種が進んでいった。
優先順位を決める際のポイントは、「死者を防ぐ」こと。コロナに感染し、重症となって亡くなる方の大部分が高齢者だった。そこで、ケア関係者やワクチン接種が必要な疾病を持つ人といった特別なグループとともに、「高齢者」をまずはトップに置いた。
ワクチン接種での高齢者は、日本の場合は「65歳以上」だったが、英国の場合は「5歳毎に区切る」方針を取った。最初から高齢者全員を対象としてしまうと、予約が殺到したり、接種体制が追い付かなくなったりすることを懸念した。
当初の「9つのグループ」は以下である。
(1)ケア施設にいる高齢者とそのケアをする職員
(2)80歳以上及び医療分野・ソーシャルケア分野の前線で働く人
(3)75歳以上
(4)70歳以上及び医療上の理由からワクチンを接種した方が良い人
(5)65歳以上
(6)健康上の問題を抱える16-64歳の人
(7)60歳以上
(8)55歳以上
(9)50歳以上
予約・実際の接種までの体制を一元化
ワクチンの予約・実施体制は、日本のように各市町村がではなく、国営の「国民医療サービス(NHS)」が中央集権的に一元化する仕組みを導入した。このため、国民ができることは「自分の番が来るのを待つ」だけ、となった。
NHSに連絡をしない・電話をしないように
「NHSに問い合わせだけのために連絡をしないように、電話をしないように」というメッセージが頻繁に繰り返された。「NHSから連絡が来るまで、待っているように」、と。
待っていると、NHSが手紙や電話で「あなたの番が来ました」と教えてくれる。
手紙をもらったら、電話やネットで予約
自分の番が来たことを告げる手紙をもらったら、手紙に書かれている番号に電話するか、ネットで予約する。
ちなみに、人によって状況は異なるが、電話ではかかりにくいことがあったと言われている。筆者も家人が1回目の接種後、必要があって、NHSのワクチン受付専用電話にかけてみると、通じることは通じたが、10分ほど待たなければならなかった。



