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「お金や手間より“命”を惜しむ」コロナ収束のカギに? 変異型流行で鳥取県“独自方式”に脚光

 中国地方に位置する鳥取県。日本で最も人口が少ない県として有名だが、県独自のコロナ対策が今注目を集めている。

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 応用統計学に詳しい慶応大学・濱岡豊教授が発表した、全都道府県の新型コロナ“対応ランキング”では鳥取県が1位に輝いた。一体どのような対策をしているのだろうか。感染対策に苦労する自治体が多い中、ニュース番組『ABEMA Prime』では、鳥取県・平井伸治知事にコロナ対策のポイントを聞いた。

■「コロナ対策は政治判断でもパフォーマンスの場でもない」鳥取県・平井知事

 21日から沖縄県が追加され、10都道府県に拡大された緊急事態宣言。これまで「まん延防止等重点措置」の適用など、さまざまな対策を打ってきた政府を平井知事はどのように見ているのだろうか。

「我々の立場からすると、もっと早く的確に『まん延防止等重点措置』や『緊急事態宣言』を発令していただきたいと。今の政府はどちらかというと、諸条件を満たしているか、あるいはちゃんと対策をとっているか、1つずつチェックして、それに合格したら『緊急事態宣言にしてあげる』という雰囲気がある。だが、実際には感染状況に即して、もっと早く動く必要がある」(以下、平井知事)

 新型コロナの感染拡大が広がって約1年。なぜ、今鳥取県の独自対策が注目されているのだろうか。政府の基本的対処方針分科会のメンバーの経験もある平井知事は、1人陽性者が出た段階で周辺を徹底調査すると明かす。

「私は分科会のメンバーもやっていたが、感染状況が『ステージ4』になったら直ちに(緊急事態宣言を)やってもいいのではないかという空気があった。しかし、どこかに政治判断が入る。コロナ対策は政治判断でも、ましてパフォーマンスの場でもない。とにかく1人陽性者が出たら、バーっと周りを調査することが重要だ。そうすると(感染源が)炙り出てくる。日本は今までいろいろな理屈をつけて『ここまでしか調査しません』とやってきた。今まではそれでも良かったかもしれないが、今は『N501Y』といった非常に感染が早い変異型が出てきた。その状況の中で、私たちの鳥取方式が注目されているのだと思う」

 陽性者が陰性になるまで検査を行う鳥取県。平井氏は、当初から“小さな県”としての危機感を持っていた。

「鳥取県は一番小さな県と言われる。病床の数も元々少なく、医師もそれほど多くない。特に感染症の専門家は本当に数えるほどしかいない。高齢化も進み、もし重症者が出たら命に関わってしまう。早めに準備をしないと、鳥取県が一発で中国・武漢のようになってしまうと思った。鳥取県は、去年の1月から準備を始めた。1月15日に初めて日本で新型コロナの陽性者が確認されたが、1月16日から対策を始めて相談窓口を作った。スピーディーに町内体制を整え、医師会などと一緒に議論を始めていた」

 早期検査、早期入院、早期治療を徹底している“鳥取方式”。その上で、全国に先駆けてコロナ陽性者の“ウイルス量”に着目。濃厚接触者に限らず検査を実施し、結果的に感染拡大の抑え込みに成功している。

「早期検査をして、例えば(陽性者に)家族がいたら、その日のうちに調べる。今日も2人の陽性者が出たが、今日のうちに追加検査を行った。翌日には陽性者の職場、同じ場所にいた人をみんな呼んできて検査する。これを続けると、だんだん陽性者が減ってくる。検査は陽性者がゼロに到達するまでやる。これによって、クラスター感染が発生しても抑え込みが可能だ」

「我々は去年の2月6日から絶対に感染者を増やさないようにしようと、県民の健康と命を守ることが自分たちの仕事だと考えてきた。『もうお金や手間よりは、命を惜しもう』と。これを合言葉にしてやってきた。医師会の協力で病床を提供していただいたり、病院にも設置の協力をいただいた」

 スピード感と検査の徹底によって、独自の新型コロナ対策を実施してきた鳥取県。ネットでは「鳥取県は人口が少ないからできるのではないか」といった声もあるが、平井氏はどのように考えているのだろうか。

「新型コロナは、小さい場所でもバーッと早く感染が広がってしまう。ポイントは、広がる大きさを小さくすること。どこの都道府県も知っていることだが、感染の波はできるだけ低く、可能な限り遅らす必要がある。都会でモニター調査をやっている姿を見るが、その調査は僕らはあまり意味がないと思っている。陽性が出た人の周りを調べたほうがよっぽど効率がいいし、外に感染が広がらない。鳥取県の感染者数が、なぜ少ないのか。そして、なぜ少ない状況が続くのか。それは、外から入ってきたウイルスを順番に囲っているからだ」

 依然として高い水準で感染者が確認されている東京都。平井氏は「どうしても感染者数が増えてしまったときは、フランスのようにロックダウンを考えなくてはいけない」とした上で、鳥取方式は人口の規模にかかわらず実施できると断言する。

「ロックダウンは最後の手段だ。本来は、行政がちゃんと汗をかいて、やるべきことをやれば、ある程度のレベルで感染の波は低く抑えられ、広がりを遅らせることは可能。これは鳥取県の人口が少ないといったコミュニティなどの問題ではない。対策に取り掛かる時期の問題だ。陽性者を初期の段階でしっかりと検査・調査をして、抑え込みを続けれていれば、他の県でも鳥取県のようなレベルは維持できる。大都市の場合、緊急事態宣言はひとつの有効な手段だと思うが、一度広がった感染を元に戻すことはできない。しかも、今は“インド変異型”が国内に入ってきた。何よりもスピード感が重要で、ウイルスの広がりをただ横で見ているだけではダメだ」

 なかなか日本で収まる気配が見えない新型コロナウイルスの感染。1日でも早く収束させるために、鳥取県の独自方式を都市部も見習う必要がありそうだ。

(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

▶︎映像:「患者や家族・医療従事者を応援」話題の鳥取県クラスター対策条例(画像あり)※23分ごろ~

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