- 2021年05月22日 15:38 (配信日時 05月22日 11:15)
コロナで二極化「仕事がヒマになった人」「忙しくなった人」を分けたもの
1/2コロナ禍で業績が二極化したのは、企業だけでない。営業力強化支援に詳しい高橋浩一さんは、個人も、忙しい人と暇な人で二極化したと指摘する。暇になった人たちは、将来への不安を抱える中で、どうしたら自分の強みを見つけて食いっぱぐれない力をつけることができるのだろうか――。
※本稿は、高橋浩一『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

コロナで分かれた3つのタイプ
コロナ禍の影響で、暇になって時間ができた人もいれば、反対にものすごく忙しくなったという人もいるのではないでしょうか。
次の3つのタイプに分けて考えてみます。あなたはどれに当てはまりますか。
①仕事が減り、暇になって時間ができた
②仕事に振り回され、忙しくなった
③面白い企画やプロジェクトで忙しくなった
①の人たちの間では、在宅勤務が始まった頃、一時、Zoom飲みなどが流行りました。これまでの「リアル飲み会」がなくなったことで、新しいコミュニケーションの形として注目もされました。
その一方で、世の中全体では、本格的な不況に向けた雇用調整の動きに対する不安もあります。仕事がなくなって時間ができたとはいえ、職場における居場所や、働き口がなくなってしまうのではという心配も、①の人たちは抱えているのではないかと思います。
次に②の人たちです。コロナ禍によって、会社や上司の方針、あるいはお客様の要望に振り回され、自分で主導権を持てずに業務が膨れ上がっている状態の人です。
私は、人材育成や企業研修の業界に身を置いていますが、コロナの影響を受けて「売上が前年比で数十パーセント減って、必死に営業をしている」という声を各所で聞くようになりました。
こういった状況下で、②の人たちは、自分で仕事をコントロールすることができないため、心身を壊すリスクを伴っています。特にリモートワークでは、誰がどのぐらい働いているかの状況が上司からも見えづらくなります。自分の身は、自分で守らねばなりません。
コロナ禍の変化を「享受」した人たち
私が注目したいのは、コロナ禍にあって「面白い企画やプロジェクトで忙しくなった」という③の人たちです。彼らや彼女たちはSNSで口々に「オフィスや現場への移動がなくなって、無駄な時間が減った。そのぶん、どんどん面白い企画にエネルギーを割くことができている」とコメントしています。
リモートワークの普及は、業務が効率化されるインパクトをもたらしました。
③の人たちは、オンライン会議やチャットでやりとりしながら、複数のプロジェクトを回して、かなり高い生産性を実現しています。
タイプを超えて交わらない
さて、3つのタイプの人たちについて考えてみました。
興味深いのは、「お互いが交わりにくい」ということです。仕事が減り、暇になって時間ができた①の人たちは、同様に時間が余っている人と交流します。
また、仕事に振り回され、忙しい②の人たちは、ハードな業務サイクルに呑み込まれて交流どころではありません。
面白い企画やプロジェクトで忙しい③の人たちは、同種の仲間と、さらにエキサイティングな取り組みに没頭しています。
リアルでの接触が減って、オンラインでのコミュニティ活動や、2021年のClubhouse登場など、SNS上の動きが話題になることが増えました。それによって、声が「かかる人」「かからない人」の様子が、奇しくも見える化されたのです。
世の中は自己責任の方向へ
コロナ禍でかなりダメージを受けた業界では、休廃業の増加や早期退職者の募集に関するニュースが報道されました。
このような中、国内大手企業を中心に、副業を解禁する動きが広がりました。企業は、人件費の負担を抱えきれなくなっています。
また、「タニタや電通が正社員契約を業務委託契約に切り替える」「みずほフィナンシャルグループが週休3日や4日で働ける制度をスタートする」といった事例も話題を集めました。こういった動きは、今後も進んでいくでしょう。
いわゆる「フルタイムの正社員」は徐々に減っていき、もしかしたら多数派ではなくなる日がくるのかもしれません。
コロナ禍の前からこうした流れの始まりは見られており、2019年にトヨタ自動車の豊田章男社長の「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」という発言が話題に上っていました。終身雇用の崩壊は、リアリティを増してきています。
企業の観点から見ると、日本の法律では、会社が正社員を解雇することは非常に困難です。しかし、個人事業主との契約であれば、当然ながら、正社員とは扱いが異なります。また、副業や週休3日(4日)を認めることは、同時に給与の総額を抑えることにもつながります。
働く側としては、副業や個人事業主契約という形で「自由」を得る代わりに、自分や大切な家族の生活を「自己責任」で守らなければなりません。
これら一連のトレンドは、「給料をこれまでのようなペースで上げていくのは難しい。収入を増やしたければ、自分でなんとかしてほしい」という会社からのメッセージです。
給与が上がっていくどころか、「ただ真面目に出勤していれば居場所が守られる」ということさえ、もはや期待できません。

- PRESIDENT Online
- プレジデント社の新メディアサイト。



