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米中への輸出が大きく増加した貿易統計と持ち直しの動きに足踏み続く機械受注!!!

本日、財務省から4月の貿易統計が、また、内閣府から3月の機械受注が、それぞれ公表されています。貿易統計では季節調整していない原系列で見て、輸出額は前年同月比+38.0%増の7兆1811億円、輸入額も+12.8%増の6兆9258億円、差引き貿易収支は+2553億円の黒字を計上しています。機械受注では変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比+3.7%増の7981億円を記録しています。まず、長くなりますが、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の輸出38%増、米国向け自動車で大幅な伸び
財務省が20日発表した4月の貿易統計速報によると、輸出額は7兆1811億円と前年同月から38.0%増えた。米国向けの自動車や中国向けの半導体などの製造装置が大幅に伸びた。伸び率は2010年以来の水準だった。新型コロナウイルスの感染拡大で20年4月に輸出が落ち込んでいた反動もあり、金額は4月として過去最大だった。

輸出総額はほぼ全ての地域向けで伸び、2カ月連続の増加となった。20年4月は新型コロナが世界的に広がり5兆2000億円程度まで減少していた。感染拡大の影響を受ける前の19年4月と比べても7.8%伸びた。
中でも米国向けは45.1%増の1兆2761億円。自動車が2倍以上に増え、自動車部品の伸びも目立った。3月に1.9兆ドルの経済対策が決まり現金給付など家計支援が始まった効果が表れたとみられる。2年前と比べると1割減の水準だった。

中国向けは1兆5834億円と前年同月比で33.9%増加した。2年前と比べても3割弱の伸び率だった。中国は新型コロナのまん延を抑えつつ経済が回復しているのを受けて、半導体製造装置や自動車の輸出が大幅に伸びた。
アジア向けは前年同月比32.7%増の4兆1562億円となった。欧州連合(EU)向けは前年同月比39.6%増の6761億円だった。
輸入は6兆9257億円で12.8%増えた。原油は前年同月比で38.9%伸びたものの、2年前と比べると2割減った。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2553億円の黒字だった。

3月の機械受注、前月比3.7%増 市場予想は6.2%増
内閣府が20日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比3.7%増の7981億円だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は6.2%増だった。

うち製造業は0.1%減、非製造業は9.5%増だった。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は2.0%減だった。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いた。

同時に発表した1~3月期の四半期ベースでは前期比5.3%減だった。4~6月期の見通しは前期比2.5%増だった。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入されて設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、2つの統計を並べましたので長くなってしまいました。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスで貿易収支は約+1500億円の黒字でしたので、それほど大きなサプライズはなかったと私は受け止めています。

引用した記事にもありますが、季節調整していない原系列の統計の前年同月比で見て、米中の景気回復により輸出額が++38.0%増で、うち、数量が+28.4%増を記録していますが、なにぶん、昨年4月がコロナ・ショックの底であって、輸出額が▲21.9%減でしたから、いくぶんなりとも、その反動という面は否定できません。

繰り返しになりますが、輸出数量は世界向けで+28.4%増でしたが、特に、米国向けが37.8%増、中国向けも29.3%増となっており、EU向けでさえ+12.7%増です。ですから、日本以外の先進各国や中国では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が進んで、経済が正常化する段階にあるといえますから、日本からの輸出の伸びも大きいわけです。

例えば、世界向けの輸出数量はコロナ・ショック前の2019年12月には107.33であり、しばらくこの水準には達しませんでしたが、今年2021年3月には114.14に達し、4月も108.1を記録しています。ですから、我が国輸出はほぼほぼコロナ・ショック前の水準を回復しているわけで、逆に、これからの先行きは今までと同じペースで伸びを拡大していくというよりは、増勢が鈍化する可能性が高いと考えるべきです。

その意味で、やはり、海外頼みの経済回復には限界があり、ワクチン接種を進めて内需の拡大を目指すべきなのですが、まったくワクチン接種が進んでいないのが現状です。貿易に限らず、もちろん、生産や消費も含めて、これから先の経済活動の回復は、かなり大きな部分がワクチン接種にかかっていると考えられます。

続いて、機械受注のグラフは上の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影を付けた部分は景気後退期なんですが、貿易統計のグラフと同じで、このブログのローカルルールにより勝手に直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に同定しています。

日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注で見て、前月比で+6.0%増でしたので、実績の+3.7%増という結果はやや物足りない気もします。従って、というか、何というか、統計作成官庁の内閣府では基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」で据え置いています。加えて、足元の4~6月期についても+2.5%増ですから、引き続き、機械受注は先行き横ばいないし緩やかな増加にとどまる見込みです。

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