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ソフトバンクが実践、営業ニューノーマルの本命「ハイブリット営業」とは

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営業のオンライン化は進行し、後戻りしない

コロナ禍1年、ワクチン接種の遅れもあって、まだまだビジネス環境がコロナ以前の状態に戻るには時間がかかる状況にあります。この1年で人と人の非接触化が歓迎され、ビジネス界にはテレワークが急激に浸透しました。

同時に進展した大きな変化が、営業のオンライン化です。個々人の仕事の何割かが安定的にテレワーク化したことで、商談のオンライン化も着実に定着してきているというのがここ最近の実感です。

今後コロナ禍が後押しするDX化の流れも手伝って、さらに進むことはあっても後戻りはしにくいであろう営業オンライン化で、何がどのように変わっていくのかを探ってみます。

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”気心知れた仲”が有効だった日本の商習慣

現在、営業オンライン化に関するウェビナーのモデレーターを頼まれて、月に何回かオンライン登壇しているのですが、主催者であるオンライン営業支援企業社長の話では、昨年春以降、受講者は増加傾向が続いており営業オンライン化に関する企業の関心は高まりの一途にあるようです。

それもそのはず、名刺情報のデータ化システムを扱うSansan株式会社が実施した昨年秋の調査では、73%の企業が「商談をオンラインに切り替えた」と回答しており、「従来通り」と答えた企業はわずか6%に過ぎなかったのです。

以前はオンラインで商談を進めるということに馴染みがなく、日本の商習慣ではなんとなく失礼な印象もありました。また仮に相互の理解が得られたとしても、お互いの会社のITリテラシーの違いもあって、なかなかオンライン商談は成立しにくいというのが実情でした。

BtoBビジネスにおいては、「御用聞き営業」も含め日常的に顔を突き合わせて気心の知れたところに発注する的な日本的商習慣が、営業がオンライン化する余地を与えなかったのではないかとも思います。

ところがコロナ禍で、人と人の接触を減らそうという世の流れには逆らえず、やってみたら移動時間の無駄も排除できかつ交通費も節約できるとあって、意外なほどのスピードで営業のオンライン化は進展してきたように思うのです。

広い国土をカバーする米国型営業にヒント

昨年の夏あたりまでの営業オンライン化に関する企業のお悩みはもっぱらハード面で、相談もその類が多かったと、先のオンライン営業支援企業社長は話しています。

現在はと言えば、ハード面は落ち着きむしろリアル営業からオンライン営業への移行に伴って、営業活動の具体的な行動面でどのような変化を持たせるべきなのか、という相談がメインに移行してきたといいます。

株式会社マーケライズの調査では、オンライン営業への移行で「商談数の減少」を指摘する声が74%と7割を超え、売上に関して「増加した」がわずか約7%であるのに対して、「減少した」と答えた企業が約22%と3倍強にものぼっており、これらの課題をいかに解消していくかが、現時点での営業部門の中心課題となっていると言えそうです。

「ヒントは米国の営業スタイルにある」と先の社長が言います。その理由は以下の通りです。

日本企業の営業スタイルがリアルの面談を中心に進められてきたのは、国土の狭さが大きな要因になっています。国土が広い米国の場合、営業活動の主な移動手段が飛行機であるという状況であり、早くから電話を使った内勤型セールスが発展してきました。

この内勤型セールスは、「外訪型セールス=フィールドセールス」に対して「インサイドセールス」と呼ばれています。

このインサイドセールスの今様活用こそが、コロナ禍を機とした営業のオンライン化をスムーズに移行させるカギを握っているといえるのです。

「御用聞き面談」の減少で商談時間に余裕も

リアル営業がオンライン営業に移行する中で、もっとも顕著に変化が現れたのが先の調査にもあった商談件数の減少です。今までは1日に数件、多くても10件程度の訪問、かつその中には親交訪問なども多く存在しました。

しかし、オンライン化によって、具体的提案のような中身のある商談でないとオンラインでの面談が頻繁にはしにくくなり、特に御機嫌うかがい的な「御用聞き面談」はほぼ無くなったと、営業担当者が口を揃えています。

一方で外訪活動が減って、商談時間には余裕ができたという変化もあります。そこでこれらの変化に対応するための有効な手段として、インサイドセールスが注目されているのです。

インサイドセールスの具体的な取り組みをみてみると、昨春以降フィールドセールス中心の活動からインサイドセールへの移行を図り、成果を上げている多くの企業で実践されていることがあります。

それは、自社の取引履歴をはじめ社員個人所有の名刺データ等も含めたあらゆる顧客データを一括で会社の管理下に置き、ターゲットリストとして再構築することで商談づくりの機会を組織的に増やすことに着目した点です。

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