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「ナイキ一強」も"ブーム"と呼ぶには違和感 エアマックス95への熱狂からスニーカーが日常になるまで

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時々「空前のスニーカーブーム」という報道を見かけますが、正直なところ、今年51歳になったおじさんにとって、違和感があります。たしかに限定品やコラボモデル、復刻版などが高値で転売されている事実がありますから、決して人気が低いとは言えません。

しかし、我々世代の男性は、若い頃から、それこそ小学生の頃からスニーカーを履いています。普段の仕事着はスーツに革靴という同年代の男性でも、休日はスニーカーを履いている人は多いのではないでしょうか。

また25年ぐらい前の1996年頃にも「空前のスニーカーブーム」があったことを覚えている同年代の男性も多いのではないかと思います。

そうしたことを踏まえて、現在のスニーカーブームについて、そして過去のスニーカーブームとの違いなどを考えていきたいと思いますのでよろしくお付き合いください。

Getty Images

スニーカー「ブーム」と呼ぶことには違和感も

今回は、アパレル業界でのEC構築や改善・支援を専門とし、またスニーカー愛好家でもあり、ウェブファッションメディア「MIMIC(ミミック)」を主宰されているファナティック代表の野田大介さんにもご協力いただきました。

仕事柄、街行く人々の服装を眺める癖がついていますが、男性の足元でいうなら、今に限らずスニーカーを着用している人は昔から相当数いました。若い男性のカジュアルでいうと、やはり足がラクであるため、スニーカーは昔から定番でした。

しかし、30年前の男子大学生の服装を思い出してみると、スニーカー派が多かったのですが、レザーのワークブーツ派も相当数いました。当時の男子大学生の足元を二分していたといえるでしょう。

現在、10代後半から20代後半までの若い男性のカジュアルな服装の足元は、ほぼスニーカーで占められていて、レザーワークブーツはほとんど見かけなくなりました。

そういう意味においては、「元々多かったスニーカー着用者だが、さらにその割合が高まった」といえるため「スニーカーブーム」と呼んでも間違いではないでしょう。

ただ、個人的には、元々相当数いたので、改めて「ブーム」と呼ぶことには違和感を覚えるのですが。レザーワークブーツが廃れて、スニーカー人口が増えた理由は、ひとえに「足がラク」だからでしょう。レザーワークブーツは足のラクさではスニーカーに遠く及びません。

追い剥ぎまで出現…ナイキ「エアマックス95」に熱狂した過去

1990年代半ばまで多くの人にとっては、スニーカーというのはコンバースのオールスターやジャックパーセル、アディダスのスタンスミスなどが代表的でした。ところが、1995年後半くらいから、ナイキの「エアマックス95」が突然大人気となりました。

BLOGOS編集部

それに追随してリーボックの「インスタポンプフューリー」やプーマの「ディスクシリーズ」も人気が高まりました。これらはいずれも近未来的なデザインと派手なカラーリングでまるでロボットの足のような形状をしています。

また、靴底にエアクッションなどの当時の最先端技術が採用されていてクッション性が高いところに特徴があります。

これらを総称して「ハイテク系スニーカー」と呼ぶようになり、それまでのオールスターやスタンスミスなどは「ローテク系」とか「トラディショナル系」「クラシック系」などと呼ばれるようになりました。

1996年・1997年はハイテク系スニーカーが大人気となり、どのスニーカー店でも品切れとなっており、「エアマックス95」を着用している人から無理やり強奪する「追い剥ぎ」まで出現する有様でした。

恐らく強奪した「エアマックス95」は古着屋に売ってお金に換えたのではないかと思われます。(当時はインターネットがないのでメルカリやヤフオク!で売ることはできなかった)

「ナイキ一強」も人気は復刻版、ブランドコラボ、限定品に集中

26歳の時にこの大ブームを目の当たりにしているので、今が「空前のスニーカーブーム」と言われたところでピンとこないのです。

野田さんに、当時と今のブームの違いについて尋ねたところこんな指摘がありました。

1、 現在の人気はナイキがほぼ独占している
2、現在、ナイキでも人気があるのは「復刻版」「ブランドコラボ」「限定品」だけ
3、 当時は、一般販売店向けの商品が大人気だった

という3点です。

1996年当時は、エアマックスシリーズを擁するナイキの人気が高かったのはもちろんですが、ポンプフューリーのリーボック、ディスクシリーズのプーマもそれなりに人気を集めていました。しかし現在、リーボックもプーマも、付け加えるとアディダスも当時の勢いは見られません。

人気はほぼナイキが独占している状態にあります。百歩譲ってもリーボックの「インスタポンプフューリー」だけが水を開けられてなんとか追随しているという有様です。

Getty Images

そして、王者となったナイキですが、人気が集まっているのは、「復刻版」と「ブランドコラボ」「限定品」のみで、一般販売店向け商品は見向きもされないそうです。

1996年・1997年当時は一般販売店向け商品が売り切れ続出で品切れ状態が続いていました。これを指して野田さんは「昔はブランド主導が成り立ったが、今はブランドが仕掛けても思うようには売れない」と言います。

ハイテクスニーカーブームは1998年には終息してしまうのですが、野田さんは「その直後の1999年・2000年あたりから様相が変わってきた」と言います。

この辺りの時期から「ブランド主導ではなく、ストリート主導に変わっていった」とのことです。

ハイテクブームが終息しても、ローテクスニーカーはデイリーユースとして浸透したままだったので、ことさらスニーカーが廃れたという印象は皆無でしたが、ハイテク系が再び日の目を見るのは2010年代後半まで待たねばなりません。

女性層拡大、展開のネタ切れ感で"ハイテク系"に再注目か

2010年半ば頃、ニューバランス、アディダスのスタンスミスなどのクラシック系が人気となり「スニーカーブーム」と報じられたのですが、これは、それまでスニーカー着用率が低かったOL層やギャル層にまでスニーカー人気が広がったという意味でした。

それまで女性のスニーカー着用というのは、少数派のアメカジ好き女性か、運動時かという程度でしたが、若い女性を中心に着用者層が拡大したということになります。

人気スニーカー店「atmos(アトモス)」がルミネに出店したのもこの頃で、それも理由の一つに数えられます。

そして2017年頃、突如としてハイテク系スニーカー人気が再燃したのですが、前回のブーム終了からちょうど20年後のことでした。

これについて野田さんは「明らかにネタ切れなので、20年ぶりにハイテク系を仕掛けざるを得なかった」と指摘されています。

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