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一家全員感染でも自宅療養 新型コロナの影響続く大阪の現在

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一家全員感染しても自宅療養 大阪で求められる「災害医療」体制

一家4人全員が新型コロナウイルスに感染。10歳未満の子供だけ熱性けいれんがあり入院できたが、子供の母親にあたる40代の妊婦が70代の祖母の面倒をみて、父親は喘息患者でひどい咳が続く。祖母は脱水症状もあり、自力で水分をとることすら難しい。彼らは酸素の値が低くないため、自宅療養を指示された。ゴールデンウィーク中に大阪市のある一家で起きていたことである。

これは、厚生労働省地域支援班の一員として大阪市保健所の支援に入った名古屋大学病院の集中治療専門医、山本尚範が目の当たりにした現実だ。こうした現実は大阪で「医療崩壊」が起きていることを示している。

大阪府の吉村洋文知事 共同通信社

私がこの春から出演している朝日放送のニュース番組「キャスト」に山本も出て、現状を伝えた。山本とはニューズウィーク日本版の取材で出会った。第一波からICU(集中治療室)で新型コロナ患者、それも重症患者を治療してきた医師である。治療だけにとどまらず、新型コロナ禍を「災害医療」として捉えた医療体制の整備も繰り返し提言してきた。

災害医療とは、多数の負傷者が同時に発生するなどして、医療の需要が、供給される医療サービスのキャパシティを上回る状態での医療を意味する。

ここにきて山本たち、そして微力ながら私も提言してきた「災害医療」という言葉はかなりの広がりを見せ、ついに新型コロナ分科会の尾身茂会長まで「災害」の発想で医療体制構築を要望すると公言するに至った(たとえば、文藝春秋2021年6月号)。

提言するだけでなく、現場で災害医療の知見を活用した実践も続けてきた山本であっても、大阪の現実は衝撃だったようだ。だが、まったく太刀打ちができないという状況ではない。

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