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海洋国家日本 海事産業基盤強化法が成立

5/14参議院本会議場での採決の様子 全会一致で成立(出所:参議院)

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!」をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 5月14日(金)、参議院本会議が開会され、政府提出の海事産業基盤強化法が全会一致で成立しました。

 我が国は、海洋国家であり、天然資源が少ないことから、エネルギー等を輸入し、様々な製品を輸出して国が成り立っています。それを担う造船や海運の産業は、大変重要です。また、安全保障面から必要不可欠な産業です。

●海事産業の低迷

かつて世界一の造船大国だった我が国が中韓に追い抜かれる(出所:国交省)

 ところが、近年我が国の造船業は、公的支援を背景とした中韓勢から低船価競争を強いられ、コロナ禍による一層の市況低迷により、手持ち工事量が激減(通常2年分以上必要なところ1.03年)しています。造船業が今後も地域の経済・雇用や我が国の安全保障に貢献し、船舶を安定的に供給できる体制を確保するため、生産性向上や事業再編を通じた事業基盤の強化が急務となっています。同時に、海運業における新造船発注を喚起する環境整備も必要となっています。

また、船員は高齢化が顕著(内航船員の46%が50歳以上)であり、若手船員の定着が課題となっています。船員の働き方改革を進め、人材を持続的に確保できる環境整備が必要です。併せて、内航海運業の経営力の向上を図るため、取引環境の改善・生産性向上を促すことが需要となってきています。

海事産業(海運と、これを支える物的基盤(造船)と人的基盤(船員))の基盤強化のための措置を一体的に講じることが不可欠であり、今回の一連の法改正により、以下の措置を講じます。

 https://www.mlit.go.jp/policy/content/001386204.pdf

●海事産業の基盤強化策とは

(出所:国土交通省海事局)

 ①造船・海運分野の競争力強化

 造船法が改正され、事業基盤強化計画認定制度を創設し、造船業者が作成し国土交通大臣が認定した計画に基づき、生産性向上や事業再編等を国が支援します。主な支援策としては、予算、長期低利融資、税制特例措置等です。

 海上輸送法が改正され、特定船舶導入計画認定制度が創設され、外航や内航海運業者が作成し国土交通大臣が認定した計画に基づく、安全・環境低負荷で船員の省力化に資する高品質な特定船舶の導入を支援します。主な支援策は、長期低利融資や税制特例措置、内航船の建造支援等です。

 この他、コロナ禍の中、クルーズの再開に向けた環境整備方策等として、外国法人等のクルーズ事業者等に対する報告徴収規定を創設します。

 ②船員の働き方改革・内航海運の生産性向上

 船員法と船員職業安定法が改正され、船員の労務管理の適正化が実施されます。仕様者による労務管理責任者の選任、労務管理責任者の下での船員の労働時間等の管理、労働時間等に応じた適切な措置の実施(乗船サイクルの調整等)を実施します。

 また、内航海運業法と船舶安全法が改正され、内航海運の取引環境の改善・生産性向上として、船員の労働時間に配慮した運航計画作成、荷主への勧告・公表制度の創設、船舶管理業の登録制度の創設が実施されます。さらに、新技術の導入促進として、エンジン等の遠隔監視による検査合理化制度が創設されます。

●海事産業基盤強化法の効果は

 今回の一連の法改正により、次の目標達成を図ろうとしています。

○造船関係:サプライチェーンの確保(安定的な船舶供給)を図るとともに、地方創生・我が国の安全保障に貢献

(KPI)我が国造船業の船舶建造量を

14[百万総トン](2015~2019年の平均) → 18 [百万総トン](2025年)へ。

○船員関係:安定的な船員の確保・育成

(KPI)新人内航船員の定着率(内航海運全体での30歳未満船員の合計ベース)

79%(2019年) → 85%(2027年)

○海運関係:安定的な海上輸送の確保

 (KPI)外航海運:日本商船隊の輸送量

 960 [百万トン] (2019年) → 1,100 [百万トン] (2025年)

内航海運:船員1人・1時間当たりの輸送量

 4,019 [トンキロ](2018年) → 4,919 [トンキロ] (2025年)

 以上、一連の法改正を踏まえて、海事産業の基盤強化を着実に図り、海洋国家である我が国の国民生活の安定と経済の持続的成長を実現し、国の安全保障を図っていきたいと思います。

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