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東日本大震災から10年…新朝ドラ『おかえりモネ』ヒロインに託した制作陣の思い

●故郷・気仙沼に貢献する道を探すヒロイン

女優の清原果耶がヒロインを務めるNHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)が、17日にスタートする。東日本大震災から10年の節目に放送される本作は、被災地である宮城県が舞台。“海の町”気仙沼に生まれ育ち、“森の町”登米で青春を送る永浦百音(清原)が、気象予報の仕事を通じて人々に幸せな未来を届けていく希望の物語となる。制作統括の吉永証チーフプロデューサーに、東日本大震災をどのように描くのか、また、タイトル『おかえりモネ』に込めた思いや、ヒロインの職業を気象予報士にした理由を聞いた。

連続テレビ小説『おかえりモネ』永浦百音役の清原果耶

本作は、『透明なゆりかご』『サギデカ』で知られる安達奈緒子氏が脚本を手掛けるオリジナル作品。宮城県を舞台にしたことについて、吉永氏は「東日本大震災から10年経った春から始まるということで、東北の中から宮城県を選びました」と説明した。

また、本作において震災をどのように描くのか、「震災でどういうことがあったかというのは、個々人で千差万別。親しい方や大事な方を亡くされた方もいるし、直接的ではないけどいろんな形で影響を受けている人がいて、受け止め方は本当に人それぞれなので、ドラマとして断定することはできないし、そうではないものをドラマとしてどう描くかというところだと思いました」と語る。

そして、「私も震災の日は東京にいましたし、なかなか当事者のみなさんと同じ気持ちにはどうしてもなれない。その中で、震災で傷ついた方たちの気持ちに寄り添うことを、このドラマでどこまで表現できるのか」と考え、「(被災地の人たちのために)何か役に立ちたい」という思いをヒロイン・百音に託して描くことに。

百音は震災の際に故郷の気仙沼を離れており、「自分は何もできなかった」と後ろめたさを抱き、やがて内陸の登米へと移り住む。以来、ずっと誰かの役に立ちたいと思っていた百音は、生き方を模索する中で、天気予報の可能性と出会う。

吉永氏は「百音自身も気仙沼が故郷ですが、その日その場所にいなかった。直接的に自分はその場所にいなかったことが引っかかっていて、故郷や家族に何かしてあげたいという気持ちをどういう風に自分の中で消化して、前に進んでいくかというのがある」と解説。

そんな百音と故郷との関係から、『おかえりモネ』というタイトルに。「震災のときに故郷にいなかったという思いを抱えながら、いったん故郷を出て登米に行ったり東京に行ったりして、そこで自分に何ができるかつかんで、その思いを持って故郷に帰る。そこで故郷や家族が、成長した百音を迎え入れるというのが、このドラマが向かうところであることから、『おかえりモネ』というタイトルにしました」と明かす。ちなみに、「おかえりモネ」は、ある人が百音に向けて言った言葉だという。

●気象予報士を描く現代劇で“新しい朝ドラ”に



朝ドラではこれまでさまざまな職業の主人公が描かれてきたが、第104作となる今回は気象予報士が選ばれた。

吉永氏は「なるべくこれまでの朝ドラと同じ仕事にはしたくない、なおかつ現代のドラマの中でどんな仕事をしている人がいいか考えたときに、多くの人と接点があり、今の時代の息遣いを感じられる仕事がいいと思いました」と説明。「気象予報士、天気は、みなさんにとって非常に身近なものでありながら、それをどういう風に仕事や生活に生かせるかそんなに意識していないと思う。ヒロイン・百音を通して、そういったところを考えることにつながっていくのではないかと感じ、気象予報士を選びました」と語った。

気仙沼と登米の豊かな自然も見どころ。「自然はすごく天気と関わりがあり、いろんなことにつながっている。私たちは『循環』ということをドラマの中で意識して描いていくのですが、山に降った雨が川に流れ、海で太陽の光を浴びて雲になって空に戻り、また雨となって陸に降る。物事は循環していくということを描くために、山や海をドラマの舞台にしました」と述べ、「ロケで、山や海などいろんな場所に行って撮影したものが映像に出ていますので、期待して見ていただければ、感じていただけると思います」と自信をのぞかせた。

時代としては、東日本大震災から3年経った2014年から現代までを描く。これは制作陣にとって一つの挑戦とのことで、吉永氏は「朝ドラは時代が前のものが多い中、これまでの朝ドラとはやや違う、新しい朝ドラを作りたいという挑戦でもある」と明かす。

そして、「現代を描くときには、より登場人物がリアリティーをもって見える。出来上がった映像を見て、自分たちと同じ時代を生きている人という感じがすごくありました」とリアリティを特徴として挙げ、「いかに自然でリアルな人物として描いていくかということが、このドラマにとって大事だし、ここ最近の朝ドラとかなり違って見える部分。視聴者の方も、今の自分と登場人物を重ねたり、同じような気持ちで見たり、そういう目線になると思います」と語った。

17日から放送される第1週のサブタイトルは「天気予報って未来がわかる?」。2014年春、宮城県気仙沼市の離島・亀島で育った永浦百音(清原)は、高校卒業を機に、内陸の登米市の大山主・新田サヤカ(夏木マリ)の家に下宿して、森林組合の見習い職員として働き始める。そんなある日、東京から人気の気象キャスター・朝岡(西島秀俊)が登米にやって来る――。新たな朝ドラが幕を開ける。

(C)NHK

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