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100円が2070万円に…GⅠ史上最高配当が飛び出した2015年ヴィクトリアマイルの歴史的大波乱

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この時期、競馬がアツすぎる。

3月末に開催される「高松宮記念」から6月末の「宝塚記念」まで、日本でGⅠレースがない週がたった3週しかない。5月にいたっては毎週GⅠが開催され、特に、月末には 「日本ダービー」がある。いわゆる“春競馬”と呼ばれる約3カ月間は、すべての競馬ファンが胸を焦がす季節であり、ご多分に漏れず筆者もそのうちの一人である。

ちなみに、「GⅠ」という言葉に聞き馴染みがない読者もいるかとは思うが、簡潔に言うと、数あるレースの中で最も格のあるレースに分類される階級のことである(GはGRADEの意)。GⅡとGⅢもあるが、GⅠだけは特別で、勝った馬はその日から生涯「GⅠ馬」ないしは「GⅠホース」と呼ばれ、勝った騎手は「GⅠジョッキー」と呼ばれることになる。詳しくは天下のJRAさんが説明してくださっているので、是非そちらを参照いただきたい。(https://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w323.html

さて、上述したように5月は毎週GⅠが開催されるが、今週16日に開催されるレースは何かご存知だろうか。筆者なりに いま読者の声に耳を傾けてみたところ、「ヴィクトリアマイル」という声が聞こえてきた。その通りだ。

4歳以上の牝馬によるマイル王決定戦 過去には伝説の名馬も

ヴィクトリアマイルは、4歳以上の牝馬によって争われる春のマイル女王決定戦で、場所は東京競馬場。ユーミンの「中央フリーウェイ」にも登場する、あの東京競馬場だ。距離は1600m。競馬界ではこの1600mのレースのことをマイルと呼んでおり、マイルを走る馬のことをマイラーと呼んでいる。実は他にもマイル王を決める戦いが開催されるのだが、それはまだ先の話としておこう。

GⅠということもあり、過去には、競馬ファンならば誰もが知る伝説の名馬たちも走っている。

たとえば去年のアーモンドアイ。無観客の東京競馬場で行われたレースで勝利した馬だ。

共同通信社

この馬については改めて説明するまでもないが、何度見てもあの4馬身差の圧勝ぶりには筆者もテレビの前で腰を抜かし、度肝を抜かれ、舌を巻き、そして笑ってしまった。歓声が全くない中、競馬場に響き渡る力強い王者の足音とその雄姿は、テレビなどで見守っていた多くの競馬ファンを釘付けにしたはずだ。

アーモンドアイだけではない。過去のヴィクトリアマイルで他の追随を許さない衝撃の末脚を見せたのが、2009年に勝利したウォッカという馬だ。

2007年に牝馬としては64年ぶりの日本ダービー制覇を成し遂げたこの馬は、元々東京競馬場で好成績を残していたが、終わってみれば2着の馬と7馬身差。競馬ファンならピンとくるとは思うが、GⅠで7馬身差は、張本勲さんでも「あっぱれ!」と言うこと間違いなしの着差だ。ウォッカと言えば、いま空前のブームとなっている大人気コンテンツ「ウマ娘」にも登場しており、ご存知の読者も多いのではないだろうか。

しかし、そんな伝説の牝馬たちが勝利したレースを差し置いてまで紹介したい、過去のヴィクトリアマイルがある。物語は、6年前にさかのぼる。

18番人気が逃げる、逃げる…そして起きた歴史的大波乱

2015年。この年のヴィクトリアマイルは、GⅠホースのヌーヴォレコルトが1番人気。そしてディアデラマドレ、レッドリヴェールが2番人気3番人気と続いていた。

五月晴れの東京競馬場。緑が映える芝を18頭の馬たちが駆けてゆく。逃げたのは全18頭のうち、最も支持されなかった18番人気のミナレットという馬だった。競馬には逃げを得意とする、もしくは戦略的に逃げてペースを握る馬がいるが、ミナレットはGⅠという大舞台で平然と逃げをかますことができる馬だったのである。 そして数馬身離れたところに、レッドリヴェールやケイアイエレガントといった馬が続いていた。

第4コーナーを曲がって最後の直線。東京競馬場の直線は525.9mの距離に加え2.7mの高低差を駆けなければならないタフなコースであり、ここでバテて脚が止まり後続に追いつかれる馬も少なくない。だがこの日はいつもと様相が違った。先頭を走るミナレットが、なかなか止まらないのだ。

芝は良馬場。最もいいコンディションだった。良馬場の場合、先行した馬を中心にレースが決まることもある(「前が止まらない」と表現する)が、まさか最も人気のないミナレットが逃げ続ける展開になるとは、誰も想像していなかったはずだ。一方、1番人気のヌーヴォレコルトは伸びてこない。それどころか、2番人気のディアデラマドレもまだ後方。

このまま逃げきってしまうのか?と思われたところで、ミナレットの後方を走っていたケイアイエレガントがゴール目前のところでついにかわす。だが驚くべきことに、勝負はこれで終わらない。ケイアイエレガントがミナレットを追いかけていたのと同時に、そのさらに後方から猛然と追いかけてきたのが5番人気のストレイトガールだった。2頭がほぼ並ぶようにしてゴールしたが、わずかに先着したストレイトガールがGⅠ初勝利をもぎ取ったのだった。

共同通信社

そしてストレイトガール勝利の裏で、3着に食い込んだのがミナレットだった。ここで競馬ファンは皆一様に動揺し、滂沱の汗を流したはずだ。最も支持してもらえなかったミナレットが、なんと馬券に絡んでしまったからだ。

馬券の買い方は様々で、勝つ馬のみ予想する単勝や、1着から3着までを着順通りにドンピシャで当てる3連単などがあるが、要するに、馬券が当たるには、3着以内に来る馬を予想していることが絶対条件となる。つまり、このレースにおいては、1番人気、2番人気、3番人気の馬の馬券を買った人は、すべて外れたことになるのだ。着順が確定し、人気順を考慮したうえで払い戻し金額が表示されたとき、誰もが目を疑った。見たこともない数字が並んでいたからだ。

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