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  • 2021年05月15日 11:54 (配信日時 05月15日 06:00)

新型コロナワクチン接種進むハワイ、米本土観光客は例年並みに - 相馬佳 (ハワイ在住ライター)

アラモアナ・ビーチパーク。旅行に行かず、地元でレジャーを楽しむハワイ住民が多い(筆者撮影、以下同)

今年1月20日にジョー・バイデン新大統領が就任後、アメリカでは新型コロナウイルスのワクチン接種が急ピッチで実施されている。進行具合には州ごとにばらつきがあるものの、ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、全米の5月12日現在でワクチン接種完了率は全人口の35.84%。同統計によると日本の完了率は1.05%であることから、アメリカでワクチン接種がいかに速いスピードで展開されているかが分かる。

また、ワクチン接種が順調に進むと同時に、新規感染者や死者数も大幅に減少している。サービス業などのビジネスが再開するに伴い、失業率も低下して経済復興が進んでいることもあり、アメリカでは今、長く暗いトンネルの向こうに光が見えたように、全体的な雰囲気が明るく開放的になりつつある。レストランやショッピングに出かけるのにも、いちいち恐怖感を感じることはなくなった。そんな中で、米疾病管理予防センター(CDC)では4月27日、接種完了した人は屋外でマスクを着用しなくても良いと公表。新型コロナウイルスとの闘いにおいて、アメリカは新たな段階に突入したのである。

ハワイ州内のワクチン接種状況は?

そんな状況下で、多くの日本人に愛される筆者の居住州ハワイでも、新型コロナワクチンの接種努力が順調に進められている。前出のジョンズ・ホプキンス大学統計によると、ハワイ州では5月11日現在で139万4995本のワクチン接種が完了。うち55万1293人、全人口の39.03%は2回(ジョンソン&ジョンソンの場合1回)の接種を済ませている。ハワイ州で16歳以上の接種が可能になった4月中旬(オアフ島では4月20日)からまだ3週間程度しか経っていない現在でこの数字であるから、今後16歳未満の子どもの接種が開始されれば、接種率が州人口の50%を超えるのも時間の問題だろう。

16歳以上の接種が誰でも可能となったことで、筆者も早速インターネット上でワクチン接種の予約をした。アメリカ国内ではすでに、病院や特別接種会場以外でも、近所に点在する大手薬局やスーパーマーケット内にある薬局でワクチン接種を受けることができる。筆者は病院よりもアクセスが簡単で待ち時間も短いと思われた、日本人観光客にも馴染みの深い大手薬局『ロングス・ドラッグス』でワクチン接種を受ける予約をした。

オンライン予約時はアレルギーや健康保険に関するいくつかの質問に答えなければならない。接種会場を指定すると、予約可能な日時が表示され、そこから自分の都合の良い予約日時を選ぶという非常に簡単なシステムだ。当日もほぼ並ぶことなく、待ち時間数分で接種が終了。接種後は会場内で15分間待機して帰宅という手軽さで、もちろん費用は無料である。ワクチン接種当日は倦怠感や腕の痛み、寒気などの症状があったが、15時間程度経過した翌日昼頃までにはほぼ普段の体調に戻った。

また、先日は筆者の子どもの通う高校から、校内における「16歳以上の生徒の新型コロナワクチン接種」を通知するメールがあり、学校内での接種体制も整ってきたようだ。今後数週間以内には、まず12歳~15歳の子どもたちが校内で接種を受けられる状況になる可能性が高い。ただし、ハワイ州内にも、ワクチン接種を拒む人々が存在するため、接種率が100%に達することはないと思われる。また、接種率が上がっても、今後もしばらくは商業施設や公共の場でのマスク着用やソーシャルディスタンスなど、現在の感染予防対策は続けられる予定だ。

自粛の反動? 本土からのハワイ観光客が激増

春休みを機に、ワイキキに米本土から観光客が帰ってきた

昨年3月に新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が発令された後、アメリカでは感染は瞬く間に拡大。前政権がことあるごとにウイルス軽視姿勢を示していたことが、主にトランプ前大統領支持者の間でマスクやソーシャルディスタンスへの反発へとつながったのは記憶に新しい。感染者数が世界一という状態が長く続き、2021年1月には新規感染者が毎日全国で20万人以上を超えるという異常事態にまで発展した。

しかし、ジョー・バイデン大統領就任後はマスク着用が奨励され、ワクチン接種が猛スピードで計画的に展開されていったことで、アメリカの感染者数や死者数は急激な減少傾向に転換。ワクチン接種者が増えると同時に、過去1年間の外出自粛などで我慢してきた反動からか、3月になり国民の間で旅行熱が一気に高まってきた。

ハワイ州では昨年10月15日から、出発72時間以内にウイルス検査を受け発行された新型コロナ陰性証明書を提出すれば自主隔離を免除するプログラムを開始し、実質上本格的な観光再開を行った。しかしアメリカ本土でウイルスが猛威を振るっていた不安感からか、年末年始でも国内の観光客数は例年の4分の1程度にとどまっていた。

しかし、バイデン大統領就任後、国内でワクチン接種が順調に進んでいることで安心感が生まれたのか、今年3月にはその状況が急変。ハワイ州ビジネス経済観光局の統計によると、ちょうど春休みが始まった頃の3月20日には、本土からの到着客が数が一気に伸びて、2019年の水準に近い2万2019人を記録。それまで寂しい雰囲気だったワイキキのカラカウア通りは本土からの観光客で混み合い、それに伴ってホテルやレストラン、レンタカー会社も急に忙しくなった。

一方、ハワイから、新型コロナ対策が徹底していない場合も多い本土の他州へ旅行に行く人はまだ少ない。感染の危険を冒して州外に出るより、比較的安全な地元で過ごしたいと考える人が多いようで、アラモアナ・ビーチパークなどのスポットは普段より混み合うようになった。

ハワイ州では昨年11月から国外から陰性証明書提出の条件付きでの訪問者も同様に受け入れているが、ゴールデンウィーク中でも日本人観光客はまだほとんど見当たらなかった。同局の国際到着客統計によると、5月1日の日本からの訪問者数は68人。2日~6日は0人~96人とばらつきがあり、7日には少し増えて130人だった。陰性証明書さえあれば日本からハワイへ来るのは問題ないが、日本帰国の際の受け入れ態勢がまだ厳しく、帰国後14日間の自主隔離をしなければならないことから、今海外旅行をできる日本人は時間に余裕があるごく少数の人々に限られているのだろう。日本でワクチン接種が今後順調に進み、帰国の際の自主隔離免除が可能になれば、日本人観光客も遅くとも秋頃までには安心してハワイ旅行に来られるようになるはずだ。

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