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臨床の砦(#新型コロナウィルス に立ち向かう病院物語)

今年読んだ26冊目は、夏川草介作の臨床の砦

作者のメインフィールドである長野地方都市にある中小病院が感染症指定病院として新型コロナ患者をほぼ一手に引き受け、重症患者を担当する医療機関と協力する体制にあるところ、限界を遥かに突破しつつも任務にこたえる姿を描いている。

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神様のカルテの作者であるから、病院の医師、看護師が大変な思いをするのはいつものことではないかと思ってしまうが、ともかく新型コロナという未知の、そして根本的な治療法はなく、元気そうに見える患者が突然急変してしまうという病気が波状攻撃で襲ってくるときの医療関係者の大変さと凄さ、さらには政治家を始めとする一般社会の危機感の鈍さとの対立や、感染症対策の必要と経済生活維持の必要とのジレンマ状況について、描き出された作品である。

作者は臨床医であり、まさに長野県の地域医療に従事しているわけで、どこまでがフィクションでどこまでが現実なのかが不分明であるが、ともあれ現在進行中のパンデミックの中で読むともうリアルな現実に見えてきてしまう。

のんきな高橋洋一辺りは爪の垢でも飲んでみるとよいが、本の中でもこの種の人に対して、頭をCTで検査したらいいんじゃないかと罵られている。

それはそうと、ショックな事は、舞台となった病院の医師の中で、最長老でしわがれ声の老医師というのがでてくるが、この人の年令は62歳。

作者は40代前半であるから、やはりそれくらいの年の人から見ると、60代始めというのはもう死にかけた老人という感じの年齢なんだなぁと、来年62歳になる私はショックを覚えるのだ。

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